- 文:管理人石井 2020年6月10日更新
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スマートスピーカーを丸ごと解説
いよいよ日本でも手に入るようになったスマートスピーカー(AIスピーカー) 何が出来るの?という初歩的な疑問から、製品の購入に役立つ情報まで、幅広い情報をお届けします。実機レビューもあるので参考にしてください!
目次
まずはOSを比較しよう
スマートスピーカーは様々な機種が販売中ですが、大きく分けて「Googleアシスタント」「Amazon Alexa」「LINE Clova」の3つに分けられます(この他、未発売のApple HomePodなどもある)
スマホで言えばAndroid/iPhone(iOS)のような違いなので、まずは自分にあったOSを選びましょう。それぞれの機能や特徴の違いを比較します。
Googleアシスタント | Amazon Alexa | LINE Clova | ||
---|---|---|---|---|
特 徴 |
音声認識の精度 | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆ |
音楽再生 | Google Play Music Spotify au うたパス |
Amazon Prime Music Amazon Music Unlimited dヒッツ |
LINE Music | |
家電の操作 | スマート家電 | スマート家電 | 赤外線操作 | |
Bluetoothスピーカー | ○ | ○ | ○ | |
で き る こ と |
スケジュール管理 | Googleカレンダー 読み上げのみ |
Google、Microsoft Apple 追加も可能 |
Googleカレンダー 読み上げのみ |
ニュース読み上げ | NHK、ラジオ日経などの ラジオ番組を流す |
NHK、ラジオ日経などの ラジオ番組を流す |
ヘッドラインを 読み上げ | |
ラジオ | Radiko | Radiko | Radiko | |
質問への返答 | ☆☆ | ☆ | ☆ | |
動画再生 | Chromecast経由 | Fire TV経由 | - | |
天気予報 | ○ | ○ | ○ | |
特徴的な機能 | Google Mapとの連携 | アプリのように機能を追加 | LINEの送信・読み上げ・通話 | |
読上げ音声の自然さ | ☆☆☆ | ☆ | ☆☆ |
各項目を詳しく解説します。
音声認識の精度
スマートスピーカーは「声」で操作するわけですが、この認識の精度は本体のハード的な部分(マイク)だけでなく集音した後の処理によっても大きな差が出ます。
この点に関しては、市販で数年先行しているGoogleとAmazonに分があります。
音楽再生
スマートスピーカーは音楽再生を楽しむことが出来ます。音楽ストリーミングサービスを利用することで、音楽を「垂れ流し」にできます。
OSによって、利用できる音楽ストリーミングが異なる点に注意が必要です。各サービスの特徴は以下のとおりです。
サービス名 | 月額税込み料金 | 楽曲数 |
---|---|---|
LINE Music | 960円 | 4000万曲 |
Spotify | 980円 | 4000万曲 |
Google Play Music | 980円 | 4000万曲 |
Amazon Prime Music | -円 | 100万曲 |
Amazon Music Unlimited | 980円 | 4000万曲 |
auうたパス | 324円 | 400万曲 |
dヒッツ | 540円 | 540万曲 |
Amazon Prime Musicはプライム会員(年3900円)になると無料で使えるものです。「Music Unlimited」はプライム会員が月780円・非会員980円を払うと利用できます。
いずれも30日程度無料で試すことが出来ます。サービスによって曲のラインナップが違うので、私はLINE MusicとGoogle Play Musicを契約しています。
家電の操作
スマートスピーカーは「声」で家電を操作することが出来ます。
家電との連携方法が異なる点は注意が必要。LINE Clova WAVEは本体から赤外線を発信できるので、難しい設定も必要なく、使える家電も多いです(2009年式の液晶テレビでも使えた)
GoogleとAmazonはネット経由で操作できるスマート家電のみ操作できるので、対応家電でないとダメです。もしくは7千円以上するスマートリモコン(赤外線を発射できる)を別途購入してスマートスピーカーと連携させることも出来ますが、面倒だしお金が掛かります。
Bluetoothスピーカー
Bluetoothを使って、他の機器と連携できます。スマホやPCなどと接続して、「外部スピーカー」として使うことが出来ます。
スケジュール管理
Googleカレンダー等のスケジュール管理サービスと連携します。
「明日の予定を読み上げて」などと指示を出すと、登録してある予定を読み上げてくれます。Amazon Alexaは読み上げだけでなく、新規の予定を追加することも出来ます。
「クローバ、28日の予定を教えて」と質問
ニュース読み上げ
最新ニュースを得ることができます。
LINEはLINEニュースのヘッドライン5本の読み上げ、GoogleとAmazonはNHKやラジオ日経などの収録された最新のニュース番組が数分間流れます。
「クローバ、今日のニュースを教えて」と質問
ラジオ
radikoを利用して、ネット経由でラジオを視聴できます(リアルタイム)
局の指定も、たとえば「ok,google 東京FMを流して」などと言えば一発です。radiko経由なので、聴けるのは今いる地域の局だけです。
質問への返答
Google Homeに関しては、簡単なネット検索を代用できる程度に幅広く色々答えてくれます。「富士山の標高を教えて」「同志社大学を作ったのは誰」「楽天の社長の名前を教えて」「三木谷浩史の誕生日を教えて」「三木谷浩史の出身地を教えて」といったこと質問に正確な答えを返してくれます。
「ok,Google 三木谷浩史の誕生日を教えて」と質問
Amazon、LINEについてはまだネット検索を代用できるレベルではないです。
動画再生
連携するChromecastやFire TVを声で操作し、テレビなどで動画を再生できます。スマートスピーカー本体で動画を再生できるわけではなく、ChromecastやFire TVの「音声リモコン」としての機能です。
天気予報
「1月1日の天気を教えて」などと言えば、天気と最高・最低気温を教えてくれます。
いずれも位置情報を初期設定時に登録するので、特に場所を指定して指示する必要はありませんが、「1月1日の平壌の天気を教えて」といった指示にも答えてくれます。
「Alexa、平壌の天気を教えて」と質問したところ
OSが決まったら、次は実際に機種を選んでみましょう。
同じOSでも、本体の機能や特徴、価格に違いがあります。
Googleアシスタント系
Googleアシスタントを採用している機種を比較します。
Google Home | Google Home mini |
LF-S50G | LINK10 | LINK20 | |
---|---|---|---|---|---|
メーカー | ソニー | JBL | JBL | ||
サイズ(mm) | 直径94.4x高142.8 | 直径98x高42 | 直径110x高162 | 直径86x高169 | 直径93x高210 |
重さ | 477g | 173g | 750g | 710g | 950g |
スピーカー 音質 |
△ | △ | ○ | ○ | ○ |
特別な機能 | 防滴仕様 ジェスチャーコントロール 本体に時刻を表示 |
防水仕様 電池内蔵(5時間) |
防水仕様 電池内蔵(10時間) | ||
参考価格 | 15120円 | 6480円 | 24181円 | 14609円 | 19518円 |
Google Home
Googleアシスタント系では最もベーシックかつポピュラーな機種。
値段とスピーカーの音質(イマイチ)を考えると、廉価版である「mini」を買うか、音質にこだわっているソニーLF-S50GかJBL LINK10を買った方が良いのでは、というのが2ヶ月使ってみた感想。
Google Home mini
Google Homeの廉価版。
基本的な機能はGoogle Homeと一緒で、サイズが小さくスピーカーの音質が(更に)悪いものの、値段が安いのでGoogleアシスタントのスマートスピーカーを「とりあえず試す」には最適な機種。
SONY LF-S50G
ソニーが音質にこだわって作ったスマートスピーカー。
Google Homeと比べて段違いに良いスピーカーを搭載しており、一日中BGMとして音楽を流していても苦にならないです。スピーカーとして特別音質が良いわけではないものの、音楽を「聴ける」レベルです。
この他、ジェスチャーコントロール(使用環境によっては便利だが、私はほぼ使ってない)と、本体に時刻を表示できたり、水しぶきが飛んでも大丈夫な防滴仕様と、値段はGoogle Homeより格段に高いものの機能が充実。
JBL LINK10/20
音響機器ブランドJBL(ハーマン社)のスマートスピーカー。
音響機器メーカーの製品ということもあって、スピーカーの音質にこだわった機種。それに加え、本体にバッテリーを内蔵していたり、防水仕様(水に沈めても大丈夫)ではあるがGoogle Home並の低価格を実現。コスパがとても良い。
LINK10とLINK20の違いは、サイズとスピーカーの音質(20の方が良い)、電池持ちです。
ONKYO G3 VC-GX30
日本の音響機器メーカー「ONKYO」のスマートスピーカー。
音質にこだわりのあるスマートスピーカーの中でも、更に上をゆく「重厚感ある」音を奏でるスピーカーです。音を楽しみたい人におすすめ。
パナソニック SC-GA10
パナソニック初のスマートスピーカー。5月25日に国内発売。
音響機器も手がけるパナソニックの技術を生かした、音質にこだわったスマートスピーカー。最大出力は20W + 20W
Google Nest hub
スマートスピーカーに画面が付いた「スマートディスプレイ」です。基本的な機能はスマートスピーカーと同じですが、更にプラスアルファで出来ること、スマートスピーカーで不便だったことが解消されている製品です。
Amazon Alexa系
AmazonのAlexaを採用している機種を比較します。
Echo | Echo dot | Echo Plus | |
---|---|---|---|
メーカー | Amazon | Amazon | Amazon |
サイズ(mm) | 直径88x高148 | 直径84x高32 | 直径84x高235 |
重さ | 821g | 163g | 954g |
スピーカー 音質 |
○ | △ | ○ |
特別な機能 | スマートホームハブ内蔵 | ||
価格 | 11980円 | 5980円 | 17980円 |
Amazon Echo
ベーシックなAmazon Echo。
スピーカーの音質は標準モデルでありながら、音楽再生に充分な水準。
Amazon Echo dot
Echoの廉価版。スピーカーの音質を割り切った代わりに低価格を実現。
スピーカーに関しては、イヤフォンジャックがあるので手持ちのスピーカーやイヤフォンと接続可能、またBluetooth対応スピーカーとも接続できます。使い方によっては「Echo」より高音質を実現できます。
Amazon Echo Plus
EchoやEcho dotには無い「スマートホームハブ」を内蔵したモデル。
Zigbeeというスマート家電の規格に対応しており、Zigbee対応家電の操作に使えます。対応家電を持っている、あるいは今後購入する予定がある人にはおすすめ。
ONKYO P3 VC-PX30
ONKYOが音質にこだわって作ったAmazon Alexa搭載のスマートスピーカー。
東芝
日本では未発売の東芝のスマートスピーカー。
当初は北米向けのみで、AmazonのAlexaを採用予定。日本国内への投入も検討中で、その場合は東芝独自開発の音声AIを採用する可能性もあるとのことです。
LINE Clova系
LINE Clovaを採用している機種を比較します。
Clova WAVE | Clova Friends | Clova Friends mini | |
---|---|---|---|
メーカー | LINE | LINE | LINE |
サイズ(mm) | 直径139.8x高201.1 | 直径72x高170.3 | 直径72x高113.8 |
重さ | 998g | 378g | 258g |
スピーカー 音質 |
○ | △ | △ |
特別な機能 | 電池内蔵 | 電池内蔵 LINE通話可 WiFiが802.11aにも対応 |
電池内蔵 LINE通話可 WiFiが802.11aにも対応 ドラえもんトーク |
価格 | 12800円 | 6750円 | 5400円 |
LINE Clova WAVE
LINEのベーシックなスマートスピーカー
スピーカーの音質にこだわっており、スマートスピーカーとしては音楽を聴くのにGoodな一台。ソニーのLF-S50Gと比べても遜色無いです(低音は少しこちらが弱い)
- 関連記事
- LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」って何が出来るの?
今後追加される機能も含めて詳しく解説 - LINE「Clova WAVE」を実際に使ってみた感想
1ヶ月使った感想を紹介します
LINE Clova Friends
WAVEの廉価版でありながら、LINE通話に対応しており機能面ではやや優れている一台。LINEスタンプのキャラクターをモチーフにしたデザインを取り入れています。
スピーカーの音質はWAVEに劣るものの、サイズが小さいので場所を取らない点もメリットと言えそうです。
LINE Clova Friends mini
「Clova Friends」より更に小さいです。高さ約11cm。
機能面の違いは、スピーカーの出力が小さい点と、内臓バッテリーの容量が小さい点です。値段はその分、WAVEやFriendsより安いです。
台数限定で「ドラえもん」バージョンもあります。限定機能としてドラえもんと会話できる機能があります。
その他
上で紹介した3つの陣営以外にも、スマートスピーカーの開発を進めている会社があります。
Microsoft Harman Kardon Invoke
Microsoftが開発し、既にWindows10などにも搭載されている「Cortana(コルタナ)」と呼ばれるAIを搭載する予定です。
できることはAmazonやGoogleとだいたい同じです。特徴は製品上部にタッチセンサーを搭載しており、なぞることでも操作ができます。2017年秋にアメリカで発売予定なので、日本で発売するとしてもかなり先になりそうです。
SHARP
スマホやロボット型掃除機に「エモパー」と呼ばれる音声対話型のAIを搭載してきたシャープも、スマートスピーカーを開発中です。
Apple HomePod
2017年6月に発表、同年12月にまずは英語圏での発売が予定されているAppleのAIスピーカーです。
iPhoneでもおなじみの音声認識AI、Siriを搭載しており天気やスポーツの結果などを質問すると答えてくれます。
他社の製品との差別化ポイントは2つあります。
一つ目はセキュリティが高いという点で、他社のAIでは利用者の個人情報を外部のサーバーに送信したり、保管するのに対しAppleのHomePodではデータを端末内でのみ保管することで、信頼性を高めています。
二つ目のポイントは音質。他社の製品でも「声」で操作をすることで音楽を再生する機能を持つ製品も少なくありませんが、HomePodはその音質にこだわっていると謳っています。
価格がGoogle Homeの2倍以上と高価格で、かつ後発組となるため発表時点で既に苦戦が予想されていますが、Appleファンを中心に根強い支持を集めそうです。
NTTドコモ
長年にわたり日本語の対話AIを開発してきたNTTドコモもスマートスピーカーに参入しました。
人と人とのコミュニケーションのサポートに特化した「petoco」というAIスピーカーを発表しています。
外出先から家にいる家族にメッセージを送って音声で読み上げる、ビデオ通話をするといった機能を搭載しており、当初は「子供を持つ共働き世帯」をターゲットとするそうです。
サムスン Galaxy Home
2018年8月、ニューヨークで行われた製品発表会にて、スマートスピーカーを発表しました。独自開発のAIエンジン「Bixby」を採用したGalaxy Homeという製品です。
発売時期や価格は未定。
音声認識の精度
2017年6月7日の日本経済新聞朝刊に掲載されていた、各社製品の自動応答技術の精度の比較データです。
製品名 | 質問に応答できた割合 | 応答が正しかった割合 | 合計 |
---|---|---|---|
Google Home | 68.1% | 90.6% | 61.7% |
Microsoft | 56.5% | 81.9% | 46.3% |
Amazon Echo | 20.7% | 87.0% | 18.0% |
Apple HomePod | 21.7% | 62.2% | 13.5% |
米国のストーンテンプル・コンサルティングが5千種類の質問を行い、それに対する反応と回答の正確性を調査したデータだそうです。「合計」は質問に対して反応し、かつ正確に返答できた割合を私が計算して追加したものです。
販売シェアではAmazonが圧倒的ですが、AIスピーカーとしての性能ではGoogleが群を抜いて優れていると言えます。
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