Googleにとっては悪影響?
普及が進むスマートスピーカー。ですがこれが普及することで、もしかしたらGoogleの盤石な収益体制が揺らぐかもしれない、という可能性があります。その根拠を指摘したいと思います。
目次
現在のGoogleのビジネスモデル
まずは現在のGoogleの収益モデルを見ていきましょう。
9割近くが「広告収入」のGoogle
Googleという会社(持株会社はAlphabet)は検索エンジンやYoutube、Gmailなど様々なサービスの多くを無料で提供しています。無料で提供できる理由は、もはや説明不要だと思いますが「広告」です。
Googleは当サイトのような一般サイトに広告を配信する「Google Adsense」のほか、自社の検索エンジンなどに広告を載せ、その収益で莫大な利益を上げています。
Alphabetの売上の内、広告の売上が実に86.8%(2016年) を占めています。スマホの普及で外出先でもネットを利用できる社会が実現し、Googleの収益はますます増加しています。
なぜスマートスピーカーが悪影響なのか
では、そんな広告で莫大な収益を上げるGoogleにとって、スマートスピーカーはなぜ脅威だと言えるのか。その理由を説明します。
検索が減少する
一番大きいのは「検索数の減少」です。
現在のスマートスピーカー(特にGoogleアシスタント)は簡単な検索を代用できることが魅力の一つになっています。「明日の天気」くらいなら朝飯前。テレビを見ていて気になった芸能人の身長や出身地なども「声」で検索して答えを教えてくれます。
スマホやPCで検索すれば、それだけGoogleの広告に触れる機会も増え、結果としてGoogleの広告の収益も増加します。しかしスマートスピーカーを使って検索されると、今のところGoogleの収益は一円も増えません。
まだまだスマホやPCからの検索の多くを代用できる程のレベルには程遠いスマートスピーカーですが、今後の進化によってはGoogleの収益を脅かす存在となる可能性も否定できないでしょう。
端末の販売はあまり儲からない
Googleが発売したGoogle Home miniはわずか6000円程度で購入できます。製造原価や流通コストなどを考えると、端末の販売が大きく利益に貢献することはありません。
つまり、現状でスマートスピーカーは売っても儲からない、使ってもらっても儲からないというのが実情です。
Amazonはその点有利
現在、スマートスピーカーの世界シェアはAmazonが71%(2017年)を握っており圧倒的です。ではAmazonはスマートスピーカーの普及で苦しくなるのかというと、全くそんなことはありません。
まず、検索や広告で稼いでいる会社ではないので、収益へのマイナスの影響はほぼ無いと言えるでしょう。まあ、セールなどで「原価割れ」の値段でAmazon Echoをばら撒いているので、それはマイナス要因にはなりますが。
Amazonのスマートスピーカーには、Amazonで買い物できる機能があります。「電池を注文して」と言えば、過去の注文履歴から電池を検索してそれを読上げ、その中から注文することが出来ます。「声」だけで買い物が出来るので便利なので、ますますAmazonで買い物する機会が増えそうです。
また、私も契約していますがAmazon Music Unlimitedなどの課金制の有料オプションなどの契約増加も期待できます。
スマートスピーカーで売上を増やすには
では、Googleは何をすればいいのか。なんてそんなこと私が提案するまでもないので、これから何が起きるのかを考えてみましょう。
Play Musicの契約を増やす
一番手っ取り早いのは月額980円のPlay Musicの会員を増やすことです。
ただ、定額ストリーミングは例えばSpotifyが赤字だったりと儲かる商売ではないようなので、難しい面もありそうです。
音声広告
既に新しいビジネスとして注目を集めていますが、スマートスピーカーから音声による広告を流すというアイデアがあります。
文字や画像として視覚に訴えかける広告よりも、音声で耳に届ける方が広告効果が大きいとも言われていますが、消費者に受け入れられるかどうかが普及の鍵となるはずです。