まるで電子マネー?タッチ決済できるデビットカード
電子マネーと同じように、「タッチ」するだけで支払いができるデビットカードが今後普及しています。そんなタッチ決済のデビットカードのメリットを、電子マネーとも比較しながら紹介していきます!
目次
タッチ決済できるデビットカードとは?
まずはタッチ決済(非接触決済)できるデビットカードの特徴から説明していきます。
使い方は「電子マネー」そのもの
冒頭でも説明しましたが、これまでのデビットカードは店員さんにカードを渡し、サインかパスワード入力をすることで支払いが出来ます。
コンビニやスーパーなどでは「サインレス」でパスワードもサインも不要である場合もありますが、いずれにせよ店員にカードを渡す作業が必要でした。
ですがタッチ決済対応のデビットカードでは、Edyやnanacoといった電子マネーのように、レジの読み取り機にカードを「タッチ」するだけで支払いが完了します。
解説動画
パスワードやサインは不要。使い勝手は電子マネーと全く一緒です。
どこで使えるの?
現在日本で普及が進むのは、「Visaのタッチ決済」です。この規格に対応したお店で、タッチ決済に対応したデビットカードでのみタッチ決済が出来ます。
使える主なお店は以下の通りです。
- マクドナルド
- TSUTAYA
- IKEA
- イオングループのお店
イオングループでは2019年3月から導入を開始し、全国のスーパーやドラッグストアなどで使えるようになります。2020年までにイオングループ全体に導入するそうです。
まだまだ国内では使えるお店が少ないですが、海外では普及が進んでいる国も多いです。オーストラリア、スイスなどでは普及率が既に9割を越しています(VISAカードが使えるお店の内)
タッチ決済対応のデビットカードの一覧
全てのデビットカードがタッチ決済に対応しているわけではありません。対応しているデビットカードを紹介します。
- ジャパンネット銀行VISAデビット
- 住信SBIネット銀行Visaデビット
- 住信SBIネット銀行MasterCardデビット
- 楽天銀行VISAデビット
- 三井住友銀行デビットカード
- りそな銀行デビットカード
タッチ決済のほかVISAカードが使えるお店・ネット通販でも一般のデビットカード・クレジットカードと同じように使うことも可能です。
住信SBIネット銀行MasterCardデビットのみ、MasterCardでの発行となるため使える店舗が異なる場合があります。
タッチ決済できるデビットカードのメリットは?
タッチ決済なら電子マネーでいいじゃん!と思った人もいるかもしれません。ですが、デビットカードだからこそのメリットもあります。
安全性が高まる
クレジットカードやデビットカードをお店で店員さんに渡すという行為には、実はセキュリティ上のリスクがあります。
過去にはカード情報を不正に盗み、偽造カードを作る「スキミング」という犯罪行為が日本でも社会問題となったことがあります。今でも海外でよく発生している手口ですが、スキミングをするには専用の機械にカードを通す必要があります。
タッチ決済であれば店員にカードを渡す必要が無いため、スキミングのリスクをほぼゼロにすることが出来ます。
また、カード番号を店員にメモされることで、ネット通販などでその番号を悪用されるリスクもあります。日本でも稀にレジの店員が客のカード番号や有効期限をメモして勝手に自分の買い物に使い、逮捕されるという事件が起きています。
栃木県警生活環境課サイバー犯罪対策室と今市署は5月10日、客のクレジットカード番号を不正に取得したとして、衣料販売店員の男性を逮捕した。逮捕容疑は割賦販売法違反。
読売新聞によると、男性はレジを担当した際、客の目を盗んで番号や有効期限をメモしたという。取り調べに対して、「ネット決済に使いたかった」と動機を語っている。ただし、メモした情報を不正利用したかどうかは、逮捕した時点でははっきりと分かっていない。引用元:客の「クレジットカード情報」をメモした店員逮捕、どんな犯罪なのか?(弁護士ドットコム)
タッチ決済では店員にカードを見せる必要も無いため、こうした手口による悪用を防ぐ効果が期待できます。
支払いに掛かる時間の短縮
コンビニやスーパーでデビットカード・クレジットカードを使う場合、サインやパスワード入力が必要無いケースも多いです(サインレス)
しかし、店員にカードを渡す→読み取り機に挿入する→(金額を入力する)→決済完了まで数秒待つ→カードをお客さんに返すという一連の作業は必要になります。
タッチ決済であれば店員と客との間でのカードを受け渡しや、カードを機械に挿入する作業が必要ありません。その分、客一人あたり5秒以上の節約になるはずです。
夕方の混雑するスーパーのレジなどでは、この数秒の節約が大きな意味を持ってくるはずです。
「チャージ」が必要無い
電子マネーで面倒なのが、カードにお金を「チャージ」する手間です。最近はクレジットカードなどからオートチャージ出来るものもありますが、設定が必要だったり一度チャージすると返金することが出来ないのは不便ですね。
デビットカードは自分の銀行口座と直結して決済されるため、口座にお金があればチャージする必要がありません。
ATMに行ってお金を降ろす手間とATM手数料を節約できます。
海外でも安全に使える
上でも少し説明しましたが、VISAのタッチ決済では既に海外では普及が進んでいます。
EdyやWAONといった日本の電子マネーは、海外では一切利用できません(日本円決済なので) ですがデビットカードのタッチ決済であれば、自分の銀行口座からその時のレートで自動計算されて海外の現地通貨で支払いができます。
わざわざタッチ決済でなくとも、デビットカードは海外でも使えるわけです。しかし日本で発行されたクレジットカードの不正利用被害の内、75.7%が海外で起きています(2016年:日本クレジット協会調べ)
スキミングやカード番号を盗まれる被害を防ぐという意味でも、タッチ決済できるデビットカードはおすすめです。
QRコード決済なんて、ダサくない??
日経新聞をはじめ、日本のマスメディアが最近こぞって持ち上げている「QRコード決済」 実はQRコード決済には弱点もあります。
QRコード決済は、客側が店のQRコードを読み取り、アプリに自分で金額を入力して決済して完了画面を店員に見せるという作業が必要です。もしくは店員が店のスマホに金額を入力してスマホ画面にQRコードを表示し、それを客が読み取ります。
皆さんもスマホでQRコードを読み取った経験があると思いますが、ピントが合うまでに数秒の時間が掛かったりしてスムーズに読み取れないこともありますよね。
スマホを取り出し、専用アプリを起動させる時間なども加味すると、それなら財布からデビットカード一枚取り出して「タッチ」する方が遥かにスマートでしょう。
スマホ一台持ち歩けば良いというメリットは、実はカードのタッチ決済にも共通します。デビットカードはまだ対応していませんが、三井住友カードなどは「おサイフケータイ」対応のスマホでVISAのタッチ決済が利用できます。