デビットカードの不正利用はどうなってるの?
盗難やスキミングなど、カードを取り巻く犯罪は依然として起こっています。こうしたカードの不正利用問題は、システムが似通っているデビットカードでも起こりうること。では、被害に遭ってしまった場合の補償はどうなってるのでしょうか。
目次
カードの不正利用は補償してもらえる!
デビットカードの不正利用に対しては、銀行が不正利用の被害額を補償するのが一般的です。
各銀行の補償内容は?
不正利用の補償内容は、銀行によって異なります。
銀行名 | 上限額 | 期限 |
---|---|---|
セブン銀行 | 500万円 | 60日 |
住信SBIネット銀行 | 年間100万円 | 30日(盗難・紛失など) 60日(偽造など) |
楽天銀行 | 年間100万円 | 30日 |
三菱UFJ銀行 | 年間100万円 | 60日 |
ジャパンネット銀行 | 年間500万円 | 30日 |
ソニー銀行 | 1日あたりの限度額 (初期設定では50万円) |
30日 |
補償の「上限額」と、「いつまで」の被害を補償してくれるのかという2点が各銀行で大きく異なります。例えば「30日前」としている銀行の場合は、被害が起きてから30日以内に被害を申し出ないと、補償が受けられないので注意してください。
補償されないケースもある
不正利用への補償制度はありますが、無制限に全ての被害を補償してくれるわけではありません。対象外となるケースを紹介します。
補償額の上限を超えた場合
各銀行で補償額の上限を設けています。この上限額を超えた分については、銀行が補償することはありません。
デビットカードは設定画面から一日あたり、一ヶ月あたりの「限度額」を設定できるものが多いです。被害を防ぐためにも、この限度額を被害補償の上限額に設定しておくとよいです。
期限を過ぎている場合
被害が発生してから、銀行に連絡するまでに時間が経っている場合、補償を受けられないことがあります。
デビットカードは利用するごとに「利用がありました」というメールが届くように出来ます。こうしたシステムを活用して、「何ヶ月も被害に気づかなかった」という最悪の事態を防ぎましょう。
利用者に大きな過失がある場合
利用者側に「落ち度」がある場合、補償の対象外となる場合があります。
- 生年月日や電話番号など推測されやすいパスワード設定
- カードに暗証番号を書いたり貼っていた
- 酩酊状態での盗難
- 財布を盗まれやすい場所に放置していた
こうした事情がある場合、補償されない場合もあるので注意が必要です。
不正利用を防ぐには
不正利用の被害は補償されるとはいえ、被害に遭わないのが一番です。不正利用を防ぐために、気をつけたいこを紹介します。
暗証番号の管理は厳重に
そもそも他人から推測されやすい暗証番号を設定するのは絶対に避けましょう。自宅や職場の電話番号、誕生日、車のナンバーなどが該当します。
また、パスワードを他人に知られないようにするというのも大事です。カードに番号を書いておくとか、暗証番号を書いた紙を一緒に保管するといったことは絶対NG。また、暗証番号の入力を他人に盗み見られないように注意しましょう。
むやみにカードを人に見せない
カード番号、有効期限、名義人などの情報が分かると、ネットで買い物が出来ます。他人のカードであっても、これらの情報が揃うとネット通販の決済が簡単に出来てしまいます。
カードの不正利用というと、スキミングなどの偽造を不安に感じる人が多いでしょう。ですが、日本クレジット協会のデータによると2016年に国内で起きたカードの不正利用事件の内、59.5%が「番号盗用」による被害だったそうです。「偽造カード」による被害は19.2%なので、偽造よりもリスクが高いのです。
カードをむやみに人に見せたり、財布を置き去りにしてカードを盗み見られるような状況をつくらないことが大事です。
ICチップ搭載のカードを選ぶ
最近はカードにICチップが埋め込まれています。金色の1cm角の部分がICチップです。
このICチップは、従来の「磁気ストライプ」と呼ばれるタイプと比べて、偽造が非常に困難と言われており、セキュリティが高いです。カードを選ぶ際はICチップ搭載のカードを選びましょう。ちなみに、当サイトで紹介しているデビットカードの中でICチップを搭載していないのはジャパンネット銀行のデビットカードのみです。
ただ、ICチップ搭載のカードは従来の磁気ストライプも併用しているため、必ずしも「鉄壁の守り」というわけではないので注意が必要です。
海外利用時は特に注意
日本クレジット協会の調べによると、国内発行のカードの「偽造」による不正利用被害の内訳を見ると、海外での被害額の割合が75.7%(2016年)と突出しています。
海外でのカード利用は便利な反面、リスクが高いという点は注意しましょう。気をつけると言っても難しいでしょうから、被害に遭うことを前提に利用することをおすすめします。海外で利用したカードで不審な取引が無いか、特に注意して継続的に確認してください。
デビットカードを携帯電話料金や水道料金の引き落としなどに利用している場合、不正利用被害でカードが停止になると色々と厄介です。海外で使うカードは、普段使っているカードとは分けるのがベストです。
海外だけで使えるプリペイド式の「海外専用プリペイドカード」というものもあります。
PC・スマホのセキュリティ対策はしっかりと
ネット通販でデビットカードを利用する場合は、PCやスマホのセキュリティ対策をしっかりと行いましょう。セキュリティ対策が十分でない端末で被害に遭った場合、補償されない場合もあります。
セキュリティソフトを使う、端末の更新を欠かさないといったことを最低限心がけてください(iPhoneではセキュリティソフトは不要 →詳細:iPhone/iPadのウイルスをチェックする方法は?)
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