カード番号の不正利用被害を防ぐには
クレジットカードやデビットカードの不正利用と言うと、カードの偽造を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし最近は被害の60%が「カード番号の盗用」により発生しています。そうした被害に遭わないための対策を紹介します。
目次
カード番号の盗用被害が急増している
まずは被害の現状を紹介します。
どんな手口なの?
カード番号の盗用による不正利用は、2017年に日本国内だけで177億円と、前年の2倍に急増しています。
犯行の手口はシンプルで、何らかの方法により入手したカード番号・名義人・有効期限などの情報を、ネット通販で勝手に利用して商品を購入するというものです。
家電製品や宝石など、換金しやすい商品を購入し、それを換金することで金銭を得ます。
カード情報の流出ルートとしては、
・物理的にカードを見て情報を控える
・通販サイトなどから情報が流出する
この2ルートが考えられます。
なお、一昔前に流行った「スキミング」のように、カード本体の情報を必ずしも盗み出す必要は無く、カードを見れば分かる情報だけで犯行が可能になるため対策が難しいです。
被害額は補償されるケースもある
このようなカード番号の盗用により被害を受けた場合、利用者に大きな落ち度が無ければ被害額をカード会社が補償するのが一般的です。
「大きな落ち度」というのはわかりにくいですが、例えば他人にカードを預けてしまった場合などが当てはまります。また、被害を申告する「期限」もあるため、何ヶ月も経ってから申告しても補償されません。
カード番号の盗用被害を防ぐ対策
では、カード番号の盗用被害を防ぐには何をすればいいのか。対策を紹介します。
財布を置き去りにしない
まずはカードを他人に見られないようにする、ということが重要です。
自宅でも外出先でも、クレジットカードやデビットカードは人目に触れないようしっかりと管理しましょう。人に預けるといったことは論外です。
パスワード管理に注意する
カードの4桁の暗証番号や、オンライン利用時に使うパスワードの管理にも注意しましょう。
例えば電話番号や生年月日を暗証番号として設定している場合、不正利用時に補償が降りない可能性もあるので厳禁です。
また、パスワードの「使い回し」もやめましょう。
怪しいサイトで利用しない
何をもって「怪しい」と判断するかは難しいところですが、カードを使う場所にも注意が必要です。
情報管理が充分でないネットショップからカード情報が流出するケースもありますし、そもそもカード情報を収集することを目的にサイトを開設しているケースもあります。
最近は「バーチャルデビットカード」といって、カード番号だけで発行されて、しかもそのカード番号を使い捨てにできるサービスもあります。怪しいところで使う場合は、カードレスデビットカードを利用すると被害を最小限に抑えることが出来るのでおすすめです。
店員の動きを注意して見る
最後に、意外と注意が必要なのがお店での利用時です。
日本でも、お店の店員が客から預かったカードの情報をメモして、その情報を使ってネット通販で勝手に買い物をしたという事件が起きています。
店員が不審な動きをしていないか、カードを渡したら目を離さないようにしましょう。
盗用されることを前提とした対策
どんなに注意していても、被害に遭う時は遭います。被害に遭うことを前提として、やるべきことを紹介します。
公共料金の支払い用のカードを分ける
カード番号の盗用被害に遭った場合、カードを停止することになります。電気代などの支払いに登録していたカードが停止してしまうと、支払いにも影響します。新しいカードを登録し直す作業の手間も掛かります。
カードは「公共料金の支払い用」「買い物用」の最低2種類を使い分けることをおすすめします。公共料金用は自宅で厳重に保管します。
前半でも紹介した、カード番号を「使い捨て」できるバーチャルデビットカードなどのサービスを活用するのも一手です。
カードの利用明細を毎月必ず確認する
不正利用被害は補償を受けられる場合もありますが、被害を申告する期限が設けられています。おおむね30〜60日程度としているクレジットカード・デビットカードが多いです。
その期限を過ぎてしまうと、補償が受けられなくなります。
日頃からカードの明細を確認し、見覚えの無い利用が無いかチェックしましょう。