有機ELテレビの魅力
「液晶の次」との呼び声が高い有機ELテレビは、はたしてどれほどの実力を備えているのでしょうか。有機ELテレビのメリット・強みを液晶テレビと比較してみました。
画質が圧倒的にきれい
圧倒的にコントラスト比が高い有機ELテレビが映し出す映像は色鮮やか。
また、一つ一つの素子が発光するため、バックライトで画面を光らせている液晶テレビでは実現できない真実の「黒」も再現してくれます。
また、液晶のようにバックライトで照らしているとどうしても生じてしまう「色ムラ」も、自発光の有機ELテレビでは無縁です。
好きな作品を有機ELテレビで再び鑑賞してみれば、作り手が表現したかった真実の映像が見えてくるでしょう。映画やドラマを観るのにおすすめです。
家電量販店で見比べるとよく分かりますが、有機ELテレビは誰が見ても明らかなくらい「高画質」です。液晶テレビ同士の差など微々たるものですが、有機ELはぜんぜん違います。
画面が薄い・軽い
液晶テレビも発売当初よりずいぶんスリムになってきましたが、「薄型」といわれるモデルでも厚みは平均8p程度あります。
一方、有機ELテレビは液晶とは構造が大きく異なるため、液晶ディスプレイとは比較にならないくらい薄く作ることが出来ます。
例えばLGが日本国内で販売しているOLED(有機EL)テレビは、最薄部でわずか4.6mm程度という薄さです。iPhone 6Sでも7.1mmありますから、普段手にしているスマホよりも薄いのです。
また、バックライトが必要ないなど構造が液晶よりも単純であるため、本体の重量も圧倒的に軽くすることが可能です。LGは2017年に65インチで重さわずか7.7Kg(ディスプレイ部のみ)の有機ELテレビを発表しています。同サイズの液晶テレビは20Kg以上が当たり前ですから、驚異的な軽さです。
この軽さと薄さを活かして、一般家庭でもテレビの「壁掛け」が普及しそうです。
液晶テレビも壁掛けが可能ですが、重量があるため壁の補強工事が必要(10万円近く掛かる場合も)です。有機ELテレビが軽いからといって補強が必要無くなるわけではありませんが、軽量化したぶん工事費用も数万円は安く済むでしょう。
消費電力が小さい
理論上、有機ELテレビの消費電力は液晶テレビの1割程度で済みます。
ですが現行発売中の有機ELテレビの消費電力は、液晶テレビのそれを大きく上回っています。同じ55インチでも、LG OLEDが350Wなのに対し、ソニーのブラビアは149Wです。今後技術開発が進んでいけば、理論通り液晶よりも低消費電力を実現出来るとは思いますが、まだ数年以上はかかるでしょう。
ちなみに、スマホ向けの小型の有機ELディスプレイは、既に液晶よりも30%程少ない消費電力を実現しています。
視野角が広い
これは有機ELテレビのかなりの強みであり、液晶テレビの最大の弱点。もう記憶に残っている人は少ないでしょうが、ブラウン管テレビを液晶テレビに替えてから「画面が見づらくなった」と感じた人は多かったはずです。
有機ELテレビの視野角は約180度。極端にいうとテレビのほぼ真横からでも画面が見えるということです。これなら家族それぞれがお気に入りのスペースからテレビを楽しめますし、液晶テレビでよくある「見えにくいから角度を変える」という作業も必要ありません。
内蔵スピーカーでも大迫力 音質にも注目
これは有機ELテレビ全体の利点というよりも、ソニーのA1シリーズのメリットになります。
薄型テレビでは液晶も含めて、スピーカーが弱点の一つでした。ブラウン管と比べて音が聞こえにくいとか、音質が悪いといった不満を持っている人も多いでしょう。
ソニーのA1シリーズでは、画面全体を振動させることで、まるでテレビ全体から音が出ているかのような迫力ある高音質を実現しています。薄型テレビの「音」という欠点を、有機ELになってようやく克服できるようになりました。
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