知らなきゃ後悔する有機ELテレビの弱点
どんな液晶テレビも太刀打ちできない圧倒的な高画質。「液晶の次」と期待される有機ELテレビですが、現状では液晶と比べて劣っている点もあります。
目次
有機ELテレビの欠点
液晶と比較して有機ELが劣っている点を紹介します。
値段が高い
有機ELテレビは、最安値のモデルがようやく17万円台まで値下がりしてきたものの、それでも液晶テレビと比べるとやや高いです。
とはいえ、国内メーカーの参戦から半年が経ち、価格も月を追うごとにどんどん下がってきています。「高くて手を出せない」状態だった2017年夏頃までと比べると、だいぶ手の届きやすい値段になりました。
現在、中国や韓国のメーカーが数千億円規模の投資を行っており、2019年頃までに続々と巨大工場が稼働します。今後も長期的には値下がりが進み、液晶テレビと遜色ない水準になる可能性があります。
寿命が短い
プラズマディスプレイ | 10万時間 |
液晶ディスプレイ | 6万時間 |
有機ELディスプレイ | 3万時間 |
ブラウン管 | 1〜2万時間 |
液晶テレビの寿命が6万時間と言われているのに対し、有機ELテレビの寿命は現時点では3万時間と半分程度にとどまります。とはいえ、一日5時間の視聴で16年ほどもつ計算になりますし、かつてのテレビの主役だったブラウン管よりも長寿命です。
LG社が「10万時間を過ぎると発光量が少しずつ減っていく」と主張している通り、長寿命化はどんどん進んでいます。一般家庭での使用であれば、寿命を気にしなくてはならない程の物ではありません。
直射日光で見えづらくなる
液晶と比べて最高輝度が低いため、直射日光が当たると見えづらくなります。屋内で使う分には特に不満になる程ではありませんが、日当たりの良い南向きのタワーマンションなどでは不満に感じる可能性も無いわけではありません。
なお、今後発売が予定されているパナソニックの有機ELテレビは、従来型と比べて「明るさ2倍」を謳っています。輝度が低いという弱点は過去のものになろうとしています。
消費電力が大きい(現状)
有機ELテレビ BRAVIA KJ-55A1 |
液晶テレビ BRAVIA KJ-55X9000E | |
消費電力 | 370W | 181W |
年間消費電力量 | 226kWh | 158kWh |
理論上では、液晶よりも圧倒的に低消費電力になるはずの有機ELディスプレイ。ですが、今現在発売されているモデルで比べますと、液晶のブラビアが181Wなのに対し、有機ELのブラビアは370Wもの消費電力となっています。
年間消費電力量で比べると差は縮まるものの、それでも43%もの差があります。1kWhあたり25円とすると、年間の電気代は1700円高くなる計算です。
スマホ向けの小型パネルでは、既に液晶と比べて圧倒的な低消費電力を実現し、電池持ちの改善に貢献しています。今後の省エネ化に大いに期待したいところです。
お手頃なサイズを選べない
現在国内で販売されている有機ELテレビは、最低55インチです。
55インチというサイズは「8畳程度の部屋」で「1m以上離れて」視聴するのに適したサイズだとされています(4Kの場合) 適切でない大きさのテレビを置くと部屋が狭くなってしまいますし、目や肩の疲労の原因にもなります。日本の住宅事情を考えると、手を出しづらいことは否めないです。
新技術は高級機種から順々に大衆モデルへと拡がっていくものです。数年待てば日本で売れ筋の「40インチ台」の有機ELテレビも登場するのではないでしょうか。
それでも有機ELが注目される「圧倒的な」理由は?
有機ELテレビの欠点をズラズラと列挙しましたが、それでも有機ELが「液晶の次」と言われるのは液晶と比べて圧倒的に優れている点が多々あるからです。
有機ELテレビの利点については以下の記事をご覧ください。
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