有機ELは屋外で見づらい
スマホではもうおなじみの有機ELディスプレイ。ですがユーザーからは太陽光が当たる屋外で画面が見づらいという声が聞かれます。私自身は有機ELディスプレイのスマートウォッチを使っていますが、手で覆って影を作らないと画面が見えないことがあります。
では、なぜ有機ELディスプレイは屋外での視認性が低くなってしまうのでしょうか。その原因を詳しく説明していきます。
通常の輝度で比較
輝度が低い
直射日光が当たる環境では、画面を明るくすることで見やすさが改善されます。しかし、有機ELディスプレイは液晶と比べて「最高輝度」が低いです。つまり、相対的にみて液晶よりも暗いというわけです。もちろん、実用的な輝度では問題は全くありませんが、本気を出した時に差が歴然とします。
同時にそれぞれの最高輝度で撮影
※カメラの露出を低めで暗く写るようにしています
輝度が低い理由は?
有機ELディスプレイの輝度が低いのは、現在の有機ELの方式によるところが大きいです。
現在の有機ELディスプレイ(特にテレビ用の大画面)は「RGBW方式」といって、白色に発光する有機ELパネルと赤・緑・青のカラーフィルターを組み合わせることで美しい映像を作り出しています。
この方式の欠点として、カラーフィルターを光が通過する際に輝度が約70%低下してしまうことが挙げられます。70%も低下してしまうため、ディスプレイとして発光する際の最高輝度が抑えられてしまうというわけです。
屋外で使う端末にはちょっと・・
こうした特徴があるので、屋外で使う機会が多い端末に有機ELディスプレイは不向きと言えます。スマホやスマートウォッチなどは液晶(できれば半透過型液晶)の方が合っているのではないでしょうか。逆に、屋内で使うテレビやパソコンでは有機ELの素晴らしい特徴を最大限活かすことが出来ます。
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