長寿命化が普及の鍵
一般的な白熱電球の寿命は1000〜2000時間。対してLED電球は初登場時から、すでに40000時間という安定した長寿命を誇っています。発売当初のLED電球は初期投資がややネックとなっていましたが、
・電気代が2割程度に下がる
・10年間電球交換の必要がない
といった利点が周知されてからは、一気に消費者の支持を得るようになりました。
つまり白熱電球がLED電球に取って代わられたのには、この寿命の長さも関係していたといえます。それでは「LED電球より長寿命」といわれる有機EL照明はどの程度長持ちするのでしょうか。
有機EL照明の寿命はすでにLED電球超え!
白熱電球 | 0.1万時間 |
蛍光灯 | 0.6万時間 |
LED電球 | 4万時間 |
有機EL照明(現行) | 4万時間 |
有機EL照明(開発中) | 5万時間〜 |
現在販売されている、有機EL光源を使った照明器具(例:東芝ライテック 有機ELブラケットライト、山田照明 有機ELデスクライト)はいずれも光源寿命は4万時間というカタログスペックになっています。現状ではLED電球と変わらない数字です。
とはいえ、有機EL照明の長寿命化は急速に進んでいます。2014年頃に販売されていた有機EL照明は2万時間にも満たなかったので、ほんの数年で2倍に伸びています。まだ量産段階ではありませんが、カネカやコニカミノルタは5万時間以上という長寿命を実現した有機EL照明の開発に成功しています。理論通りの「長寿命」を実現した有機EL照明は、あと数年もしない内に私たち元にやってきます。
有機EL照明の「寿命」とは
有機EL照明は、白熱電球のようにある瞬間から真っ暗になるのではなく、長時間掛けてゆっくり「暗くなっていく」という寿命の迎え方をします。各社が製品の「寿命」として発表している値は、新品の時と比べて輝度が30%低下するまでに掛かる時間です。したがって、理論上は寿命を迎えた後でも明かりとしての役割を維持します。
実はこうした特性は、LED電球と一緒です。LED電球も長い時間をかけてゆっくりと暗くなっていき、4万時間後に70%程度の明るさになっていく、とされています。しかし、皆さんの中にも経験がある人がいるかもしれませんが、10年使えると言われて買ったLED電球が、ある日突然使えなくなってしまう、ということがしばしば起こります。実際、私が2014年3月3日に楽天で購入したHI●ACHIのLED電球(16.7W、脱衣場で使用)は、2016年8月に突然点かなくなりました。
「突然死」の原因は?
こうした事故が起こるのは、主に発熱によるところが大きいです。LEDは白熱電球と比べればわずかな発熱量で済みますが、長時間使えば温度が上がります。この発熱により基盤が痛むことで、結果として短期間の内に点灯しなくなってしまうことがあるのです。
有機EL照明も同じで、発熱によって寿命(というより故障)を短期間の内に迎えてしまうリスクがあります。長く使いたいなら放熱性の高そうな製品を選んでください。
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