有機EL照明のデメリット・弱点
有機EL照明には、普及にあたってかなり大きな「壁」があります。LED電球などと比べながらデメリットや欠点を紹介していきます。
値段が高い
まだほとんど一般向けに出回っていない有機EL照明は、個人レベルで導入するのが難しい状況です。
例えば、東芝ライテックがセミオーダー品として取り扱っている有機ELブラケットライト(壁付け照明)は4万円台〜という価格で、LEDなど従来の照明タイプの製品と比べると5〜10倍という高価格になっています。 また、照明器具専門メーカーである山田照明が販売している有機EL採用デスクライトは20万円以上という価格です。
現在はいずれも量産品とは言えない段階ですから、価格が高いのは致し方無いことです。東日本大震災後にLED電球の普及が一気に進むのとあわせて、急激な低価格化が進みました。有機EL照明でも、技術開発や一般への普及によって今後数年で価格が急激に低下していくでしょう。
電力消費が大きくなってしまう
現在一般的な有機EL照明の発光効率は40lm/W程度。LED電球と比べると半分程度の数値です。つまり、同じ明るさを取ろうとすると2倍の電力が必要になります。白熱電球と比べれば低消費電力ですが、これならLED電球を使った方がずっと良いです。
ですが、有機EL照明は研究開発が盛んに行われている分野です。2014年にはコニカミノルタが、LEDを大きく上回る139lm/Wという高効率な有機EL照明ユニットの開発に成功したと発表しています。また韓国のLG化学は、2017年に140lm/Wの有機EL照明を発売するとしていますから、この数年で有機EL照明の「低消費電力化」が一気に進んでいきそうです。
従来の照明との互換性
白熱電球からLED電球への切り替えが一気に進んだのには、それなりの理由がありました。
・初期投資はかかるが数年で元がとれる
・電気代が安くなる
そして、「取り換えが簡単」なのも決め手のひとつだったといえるかもしれません。電気業者を呼んでわざわざ取り換え工事をしてもらう必要もなく、いつもの要領で白熱電球をLED電球に取り換えるだけ。そんな気軽さがありましたね。
ですが、有機EL照明はいずれも板状の形状であるため、従来の電球用ソケットで使うには何らかの工夫が必要となります。たとえば三菱電機では、現在一般的なE26口金と呼ばれる規格でも使える有機EL照明を開発しました(参考: 日経テクノロジー)
こうした製品を使うことで、これまで使っていた照明器具でも有機EL照明を使えるようになります。しかし、板状の物体が天井から突き出した状態となるため、見栄えの面で若干不安を覚えますね。
電球型よりも、シーリングライトや冒頭で紹介したブラケットライトなどでの普及の方が先になるのではないでしょうか。
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