- 2019年3月10日更新
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「折りたたみスマホ」を分かりやすく解説
2019年にいよいよ発売される折りたたみスマホ。そのメリット・デメリットや、発売が予定されている機種を詳しく解説します。
目次
- 関連記事
- 折り畳めるスマホが引き起こす変化
フォルダブルスマホで社会はこう変わる - 折りたためるスマホはなぜ可能になったのか
背景にある事情を解説 - フォルダブルスマホが小型タブレットにとどめを刺す
今後のタブレット市場はどうなる?
フォルダブルスマホとは?
フォルダブル(Foldable)とは、「折り畳みできる」という意味の単語です。その名の通り、フォルダブル端末は「フレキシブルディスプレイ」を採用することで、本体を折り畳むことができます。
こんな感じ
百聞は一見にしかず。
まずは実物を写真で見てみましょう。
こちらはLenovoが発表し、幕張メッセで開催されたCEATEC2017で展示していたフォルダブルスマホ「Folio」の実機のモック(模型)です。
2枚の画面を繋ぎ合わせるのではなく、1枚の画面を折りたたんだり拡げることができ、一枚の端末でスマホにもタブレットにもなるというものです。
動画で見ると更にわかりやすいです。
フォルダブルスマホのメリット・利点
スマホとタブレットのいいとこ取り
1台の端末でスマホの携帯性の高さと、タブレットの大画面を両立出来るのが最大の利点です。
スマホは本体が小さく、携帯性に優れています。しかし、画面が小さいので多くの情報を収集するには不向きとされています。ちょっとした情報収集程度ならスマホでも充分ですが、より詳しく調べたい時はタブレットやPCを使うという人は今でも多いでしょう。
フォルダブルスマホは、スマホの「携帯性の高さ」とタブレットの「大画面」を一つの端末で同時に叶えることが出来ます。1台の端末で、用途に合った使い方が可能です。
左右で異なるアプリを同時起動
一部の「折りたたみスマホ」では、画面をひろげて一つの大画面として使うだけでなく、画面の左右に別々の異なるアプリを同時に起動して使うことが可能です。
例えばウェブサイトを見ながらメモ帳アプリにメモをするとか、電話をしながら電話帳を確認するといった使い方が可能になります。
フォルダブルスマホの欠点とデメリット
いいことばかりではありません。
電池持ち
スマホの電力消費の内、約3割がディスプレイに消費されていると言われています。
フォルダブルスマホは従来のスマホよりも画面が大きいです。5インチ台が当たり前のスマホに対し、フォルダブルスマホは6〜7インチ程度のディスプレイを搭載します。画面が大きければその分電力消費も大きくなるため、電池持ちの面でやや不利になる可能性があります。
フォルダブルスマホが採用する有機ELディスプレイは液晶と比べて30%の省エネと言われていますから、電池持ちが極端に悪くて使い物にならない、ということは避けられるはずです。とはいえ、「長持ち」をウリに出来るほどの電池持ちを実現するのは難しいでしょう。
厚み
従来のスマホと比べ、折りたたんだ時の「厚み」が出るのは避けられません。
実際わたしが展示機に触れたLenovoのFolioでは、拡げてタブレットとして使う時の厚みはiPadなどと比べても薄いものの、折りたたんでスマホとして使う場合は、昨今の最新機種と比べるとやや厚みがあると感じました。
重量
機種名 | 重量 |
Galaxy S7 edge (5.5インチスマホ) |
158g |
iPhone 7 Plus (5.5インチスマホ) |
192g |
Xperia Z5 Premium (5.5インチスマホ) |
181g |
AQUOS PAD SH-05G (7インチタブレット) |
210g |
最近の5インチ台のスマホは、200g以下が当たり前です。
それに対し、7インチのタブレットは最軽量クラスでも210g(AQUOS PAD SH-05G) フォルダブルスマホは実質7インチのディスプレイを搭載していますから、7インチタブレットに近い重量になるのではないでしょうか。
実際、展示機を持ってみると、最近のスマホと比べて重量があると感じました。
手の届きにくい価格
画面が大きくなる分、高い処理能力が求められますし、バッテリーの容量も大きくなります。そのため、発売当初はなかなか手の届きにくい価格になるだろうと、海外メディアが報じています。
海外メディアが報じたところによれば、1850ドル(約20万円)や1500ドル(約17万円)という数字も漏れ伝わっています。昨今の高級化するスマホと比べても、更に高い価格となるのは必至です。
タブレットが不要になること、それからタブレット用のSIMカードやモバイルルーターが不要になることを考えれば、トータルコストは「スマホ+タブレット」よりは安く済むのではないでしょうか。
寿命・耐久性
従来のスマホやタブレットよりも可動部が増えるため、そのぶん寿命は短くなるのは間違いないでしょう。スマホは2〜3年おきに買い換えるのが一般的ですが、それにしても寿命という点はやや気がかりです。
また、ディスプレイに傷が付きやすい可能性があります。折り畳んだ場合、本体の裏と表が両面ともディスプレイになっています。机の上に乱暴に置いたり、ジーパンのポケットに入れようものならすぐに傷が付きそうです。
また、液晶保護フィルムなどでの対策も難しいでしょう。折り畳めるが故に、従来と同じ材質の保護フィルムを貼るのは不可能だからです。
フォルダブルスマホの機種一覧・比較
今後発売が予定されている機種を紹介します。
Lenovo Folio
Lenovo Tech Worldやシーテック2016などでコンセプトモデルとして展示されたフォルダブルスマホです。 公表されているスペックは以下の通り。
Lenovo Folio | |
スマホモード | 5.5インチ |
タブレットモード | 7.8インチ |
解像度 | 1920x1440 |
SAMSUNG Galaxy Fold
広げると7.3インチ、折りたたむと4.6インチになる折り畳みスマホです。内折りタイプで、折った際の外側にサブディスプレイを備えています。
2019年4月に米国などで発売予定。価格は約22万円。
Galaxy Fold | |
スマホモード | 4.6インチ |
タブレットモード | 7.3インチ |
HUAWEI Mate X
2019年6月頃に発売予定のフォルダブルスマホです。日本での発売は現在のところ未定ですが、価格は約29万円と高額です。
Mate X | |
スマホモード | 6.6インチ |
タブレットモード | 8.0インチ |
解像度 | 2200x2480 |
ZTE M Z-01K
ドコモを通じて発売される「折りたたみ式スマホ」です。2018年2月9日発売。
折りたたみ式である点では「フォルダブル」と言えるのですが、Z-01Kは5.2インチの液晶画面を2枚組み合わせた形状です。開いても一枚の画面にはならない点はデメリットですが、左右で別々のアプリを同時に使えるという点では従来のスマホには無い利便性を実現しています。
LG
韓国LGは既にフォルダブル端末関連の特許を取得(上の画像)しており、発売の可能性が高いと言われています。
今後の見通し
2019年に続々と新機種が登場します。
矢野総研の予測によれば、2018年の出荷台数の見込みは世界で9万台。2017年のスマホ出荷台数は14.7億台だったので、わずかな台数に留まる見通しです。
しかしそこから台数は伸びていき、2020年には90万台の出荷が見込まれます。数年で市場は急拡大していくでしょう。
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