フォルダブルはなぜ実現したのか
2018年に続々と発売される予定の折りたためるスマホ「フォルダブルスマホ」 これはなぜ実現したのか、その背景にある要因を解説します。
技術の進歩が可能にしたフォルダブルスマホ
フォルダブルスマホの登場は技術の進歩のおかげです。要素ごとに詳しく解説します。
有機ELディスプレイの登場
一画面になるタイプのフォルダブルスマホは有機ELディスプレイを採用しています。
有機ELディスプレイは画面を折り曲げられる特性を持たせることが可能です。有機ELディスプレイを採用することで、一つの画面を折り曲げることが出来ます(液晶画面を2枚組み合わせたフォルダブルスマホもある)
以前から韓国製スマホなどで有機ELディスプレイの採用がありましたが、2017年発売のiPhone Xが有機ELディスプレイを採用し、スマホの「有機ELシフト」が加速しています。そうした流れの延長線上にあるのがフォルダブルスマホです。
モバイルOSの改良
Androidでは7.0以降のバージョンから「マルチウィンドウ」をサポートしています。
マルチウィンドウは一つの画面に2つのアプリを同時に表示し、操作できる機能です。スマホの小さな画面で使うと表示がとても小さくて使い勝手があまりよくありませんが、タブレットでは使えるシーンが意外とあります。
フォルダブルスマホでは画面を拡げた状態で、画面の左右に別々のアプリを起動して操作することが可能です。これはマルチウィンドウ対応のおかげと言えるでしょう。
処理能力の向上
スマホの処理能力は年々向上しています。例えば2012年発売のiPhone5と2017年発売のiPhone Xとでは、処理能力を示すベンチマークスコアは8倍もの差があります。
フォルダブルスマホは同時に2つのアプリを起動出来るため、より高い処理能力が求められます。最近のハイスペックなプロセッサーでなければ快適な動作を実現することが難しいというわけです。
普及への障壁はもはや存在しない
実は2013年にNECがフォルダブルスマホの原型とも言える「MEDIAS W」という機種を発売しています。
この機種は一部では話題にはなったものの、後継機種が発売されていないことからも分かるように商業的には「失敗した」と言えます。
あれから時が流れ、上で紹介したようにいくつもの技術的進歩がありました。MEDIAS Wでは一部の対応アプリだけで使えた「2画面同時起動」の制約もほとんど無くなりましたし、動作感も向上しているはずです。
以前普及への障壁となった部分が取り払われた「次世代の」フォルダブルスマホはきっと世の中に受け入れられるでしょう!