海外でも便利。だけど注意点も。
デビットカードは海外でも便利に使えます。現地通貨を両替するよりも利点は大きいですが、一方で注意すべき点もあります。デビットカードを海外で使う際の注意点を紹介します。
目次
カード偽造被害の70%以上は海外で発生!
まずは被害の状況を紹介します。
最近の被害状況
日本クレジット協会がまとめた、クレジットカードの不正使用被害のデータがあります。
時期 | 偽造被害発生額の内訳 | |
---|---|---|
国内 | 海外 | |
平成26年 | 23.1% | 76.9% |
平成27年 | 24.3% | 75.7% |
平成28年 | 34.4% | 65.6% |
平成29年 上半期 |
45.5% | 54.5% |
この調査によると、クレジットカードの偽造による被害は年によって変動があるものの、70%程度が海外で起きています。
日本国内でカード情報を盗まれて、足が付きにくい海外で不正利用されるケースも少なからずあると思いますが、海外でのカードの利用は国内よりもリスクが高いということが分かりますね。
海外で使う時に気をつけるべきポイント
リスクが高いとはいえ、以下で紹介する点に気をつければ、海外でも安心してデビットカードを使うことができます。注意点を紹介します。
カードの読取機をよく見よう
カードの偽造被害は、カード情報を物理的に盗む必要があります。これは「スキミング」という手法で、専用の機械にカードを通して情報を盗み、その情報を別のカードに焼いて「偽造カード」を作ります。
カード情報を盗む機械は小型化が進んでおり、海外ではATM(本物)のカード差込口に機械が取り付けられ、利用者の情報を盗むという事件も起きています。
また、支払いの決済をするフリをして、お店の店員がこっそりカードをスキミングするというやり方もあります。
IC非搭載のカードは使うべきでない
最近のクレジットカードやデビットカードには、ICチップと言って金色のチップが付いていることが多いです。
このICチップの中には、カードの情報が暗号化されて入っており、ICチップ搭載のカードは「偽造が困難」と言われています。
海外で使うならICチップ搭載のデビットカードを選びましょう。ちなみに、当サイトで紹介しているデビットカードの中でICチップ非搭載なのはジャパンネット銀行のVISAデビットだけです。
信頼できないお店では使わない
支払いのためにカードを店員に渡し、そこでスキミングをされてしまっては防ぎようがありません。怪しい場所(判断は難しいところですが・・)ではデビットカードの利用を控えた方がいいです。
普段使いのカードは海外で使わない
これは被害に遭うことを前提にした事前の対策です。
デビットカードでもクレジットカードでも、不正利用の被害は補償してもらえることが多いです。しかしその過程で、これまで使ってきたカードが利用停止になることもあります。
電気料金、ガス料金、水道料金、携帯電話料金などをカードで払っている人も多いと思いますが、カードが突然使えなくなったら困りますよね。カード変更の手続きも面倒ですから、止まって困るカードは海外で使わないことをおすすめします。
もう一枚カードを作り、そのカードを現地で使うことをおすすめします。海外専用プリペイドカードという海外でのみ使えるプリペイド式のクレジットカードもあります。
帰国後は明細をよくチェックしよう
帰国してしばらくは、カードの明細をいつも以上によく確認してください。不正利用の被害を素早く見つけ、対処することが何よりも大事だからです。
補償はあるから安心 だけど注意点も
デビットカードでも、クレジットカードでも、不正利用の被害額は補償してもらえることがほとんどです。
カードによって異なりますが、デビットカードでは50〜500万円程度の被害額を補償してもらえます。
しかし、ここで注意したいのは被害を届け出る「期限」がある点です。
カードによっては30日以内、長くても60日以内に届け出た被害のみ補償するというルールを設けています。
この期限を過ぎてしまうと補償を受けられなくなるので、カードの明細をよく確認することが大切です。多くのデビットカードは、使うたびにメールで利用報告のメールが届くので、不自然なタイミングでメールが届いたら要チェックですね。