Webroot forゲーマーとは何か。実機レビューの結果をふまえて解説
Webroot forゲーマーの評価を、実機で行ったWebrootのテスト結果を交えながら解説します。通常版との違いは実は特に何もありません!
目次
Webrootとは一体何か
まずはWebroot(ウェブルート)全般について解説します。
そもそもWebrootとは
アメリカのコロラド州に本拠地を置く、ウェブルート社が開発・販売しているセキュリティソフトです。日本での知名度は非常に低く、「知る人ぞ知る」存在と言えます。
本国アメリカでも必ずしも知名度は高くなく、米国Amazonのランキングでもトップ10には入らない存在感です。アメリカ、日本のほかオーストラリアや英国などでも事業展開しています。
動作が「とても」軽い
Webrootの最大の特徴でもあり利点でもあるのが「動作の軽さ」です。フルクラウドベースで、公式サイト上でもPCの動作に悪影響を与えないことを売りにしています。
他社のセキュリティソフトも多くが動作が軽いとの宣伝を繰り広げていますが、Webrootの軽さは「本物」であり「異次元」です。私が過去に実機で行ったテスト結果は以下のとおり。
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
---|---|---|---|
Webroot | 33.11秒 | 6.49秒 | 0.707秒 |
ソフト無し | 30.88秒 | 6.39秒 | 0.611秒 |
7.2% | 1.6% | 15.7% |
例えば日本でシェアが高いウイルスバスターは同じテストでWebサイト読み込みが+37.6%、比較的軽いマカフィーでも+11.6%、軽いノートンでも+6.9%という結果でした。Webrootの+1.6%(セキュリティソフト無しとほぼ変わらないタイム)は知名度が高いセキュリティソフトと比較しても優秀と言えます。
過去に何度か実機で使用していますが、体感の動作感も良好で、PCの動作への影響が全くと言っていいほど感じられませんでした。
セキュリティ性能は・・
動作の軽さの面で優秀なWebrootですが、セキュリティソフトとして肝心なセキュリティ性能の部分では優秀とは言えません。
日本でもよく引用されるAV-TESTやAV-Comparativesのテストには近年全く参加しておらず評価が難しいところですが、2016年に参加したAV-Comparativesのテストでは検出率93.5%と非常に悪い結果を残していました。他のメジャーなソフトが軒並み99%以上の結果を残しているテストです。
アンチウイルス以外のセキュリティ機能も充実していると言える内容ではなく、セキュリティ性能は国内でメジャーなブランドと比較すると1段いや2段落ちるという評価が妥当です。
通常版とfor ゲーマーの違いは?
通常のWebroot SecureAnywhere AntiVirusと「for ゲーマー」は何が違うのか。
機能の違い
for ゲーマーの特有の機能として「システムオプティマイザ」というものがあります。これは非ゲーマー版には無い機能です。
システムオプティマイザはWebの閲覧履歴の痕跡やPC内で使用したファイルの履歴などをまとめて削除できる機能です。この機能が、forゲーマーの最大にして唯一の特徴と言えます。ただしこの機能は「SecureAnywhereインターネットセキュリティコンプリート」(Webrootの最上位版にあたる)には付いています。インターネットセキュリティコンプリートには機能がフルで付いていて、その分価格が高いです。
forゲーマーの比較対象として最適なのが「インターネットセキュリティプラス」で、forゲーマーとの機能の差は以下のとおりです。
機能 | for ゲーマー | インターネット セキュリティ プラス |
---|---|---|
パスワード管理 | - | ○ |
システムオプティマイザ | ○ | - |
販売価格もforゲーマーとほぼ同水準で、機能が「微妙に」異なります。
どちらを購入するべきか
パスワード管理機能を使うのであればインターネットセキュリティプラスを、使わないのであればfor ゲーマーを選ぶのが正解と言えます。
かなり微妙な差なので「どちらでもいい」とは思います。少なくとも、forゲーマーは動作が軽くて非ゲーマーは重いということはありませんしセキュリティ性能も同じです。
「forゲーマー」版はWebrootが元々持っていた動作が軽いという利点を全面に押し出すためのマーケティングの一環に過ぎないと言えます。