ウイルスに感染しました?
スマホなどを使っている時に、「ウイルスに感染している恐れがあります」といった類の「警告画面」が表示される事例が多発しています。例えば下の画像のような内容です。
「ウイルスを検出」以外にも、
・バッテリーが損傷しました とか、
・OSをアップデートしてください
といった内容のものがあります。
AndroidスマホやiPhoneでよく見られ、毎日とても多くの人が遭遇しています。
こうした「警告画面」について、2007年からセキュリティソフトのレビューを続けている私が詳しく解説します。
目次
警告は嘘! ウイルスには感染していません
「警告」が表示されると、多くの人が慌ててしまうでしょう。
機種名などの端末情報が表示されたり、音声やバイブレーションが振動する手の込んだタイプもありますから、焦ってしまいますよね。
でも、こうした「警告画面」は全て嘘です。
偽物の警告画面なので安心してください。
嘘だと断言できる理由と根拠
嘘だと言われても、不安を感じる人は少なくないでしょう。なのでその根拠を詳しくお示しします。
iPhone/iPadの場合
iOSにはウイルスを検知する機能がありません。
また、Appleが許可していないのでiOSのウイルスを検知する「ウイルス対策ソフト」はこの世に存在していません。なので「ウイルスを検出した」という警告画面が表示されること自体おかしなことです。
※iOS版のウイルスバスターなどのセキュリティアプリは「ウイルス」を検知するものではありません。間違った紹介がされていることが多いので注意してください。
Androidの場合
Androidについても、ウイルスを検知する機能はありません。
お使いのセキュリティアプリが警告を出した場合を除いて、「ウイルスを検出した」などという警告が表示されることは絶対にありません。
警告が出た時の対処方法
警告への対処方法は簡単。
何もせず、そのまま画面を閉じるだけです。
アプリをインストールするよう指示したり、電話を掛けるように指示される場合がありますが、全て無視してそのまま閉じてください。
指示に従ってアプリをインストールすると、そのアプリによって電話帳データなどの個人情報を抜き取られたり、あるいは電話を掛けると「ウイルス駆除のサポート代金」などの名目で数万円を請求されることもあります。絶対に無視してください。
指示に従ってアプリをインストールした場合は
もし、この記事を読む前に指定されたアプリをインストールしてしまった場合は、すぐにアンインストールしてください。
また、今回インストールしたアプリが別のアプリを勝手にインストールしている可能性もあるので、見覚えのないアプリが入っていないかチェックしてください。
放置していると、個人情報流出などにつながる恐れがあります。
念のためスキャンをしよう
Androidの場合は、ウイルスバスターやノートンなどの信頼できるセキュリティアプリを使って、ウイルススキャンをしてください。当サイトではウイルスバスターが1番人気です。
iOSの場合はウイルスをスキャンできるアプリが存在しません。以下の記事を参考に対応してください。
警告が表示されないようにするには
こうした「偽警告」は現在とても流行しています。
従って、何度も遭遇する可能性があります。
では、「偽警告」をブロックする方法は無いのでしょうか。
私がセキュリティソフトやブラウザの機能で確認したところ、いずれもこうした偽警告をブロックすることは出来ませんでしたが、詐欺ウォールというネット詐欺対策専用のソフトを使ったところ、多くを詐欺サイトとして「検知」しました。
しかし、偽警告自体をブロック出来るわけではなく、あくまでも偽警告に飛ばされた際にそれが「偽警告である」ことを知らせてくれるだけです。したがって根本的な解決策は無いという結論に至りました。
「偽警告」の仕組み
偽警告はスマホのシステムが発しているものだと錯覚しがちですが、それは違います。
仕組みは簡単です。
偽警告画面をホームページページとして用意しておきます。そのページを、他のサイトやアプリに「広告」として配信します。こうやって毎日多くの人が「偽警告」に遭遇するのです。
アダルトサイトはもちろん、そうでない動画サイトや無料のアプリなど、様々な場所で遭遇する可能性があります。非常に流行っているので、何度も遭遇する場合がありますが、くれぐれも動揺しないでください。
機種名などが表示される理由は?
「あなたがお使いのXperia Z3 Compactがウイルスに感染しています」
などと、具体的な機種名などを挙げてくることが多いです。これも大したことではありません。
偽警告サイトに限らずほとんどのウェブサイトでは、あなたがどんな環境からアクセスしているのか、情報を取得しています。その中にはスマホの機種名の情報も含まれています。取得した情報を画面上に表示するだけなので、簡単です。
簡易版ですが、スマホからアクセスしている人には↓にメッセージを表示しています。
偽警告の目的は?
こうしたニセ警告は、誰が何のために行っているのでしょうか。
以下の記事でその暗部に迫ります!
パソコン向けでは金銭被害も
「ウイルスを検出しました」という偽警告は、WindowsやMacといったパソコンでも確認されています。
パソコン向けはスマホをターゲットとしたものとは異なり、直接的にお金を騙し取ろうとする手口が多いため、スマホ以上に厳重な注意が必要です。被害額も数万円と高額です。
以下の記事にその詳細をまとめているので、あわせてご覧ください。
この記事をシェアしてください
現在、こうした手口が急増しています。
被害に遭う人を減らすために、ぜひSNSでこの記事をシェアしてください。
2015年1月にこの記事を公開して以来、240万人(2017年6月28日時点)がこの記事を読んでおり、今も毎日2千人前後のアクセスがあります。
偽警告が出たことを恥ずかしがらないで!
こうした偽警告は「健全な」サイトを閲覧している時にも遭遇することはあります。
私の実体験だと、大手ビジネス雑誌の電子版サイトを見ていて「偽警告」が出たこともあります。また、懐中電灯アプリや翻訳アプリを使っていて遭遇したという事例もたくさん報告されています。
例えばお子さんが偽警告に遭遇して「スマホがおかしなことになった」と泣きついてきても、くれぐれも叱らないであげてください。道を歩いていて突然車に撥ねられるのと同じです。何の落ち度もありません。
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