Go Securityアンチウイルス
Androidスマホを使っていて、「ウイルスに感染している恐れがあります」という内容の警告画面が表示され、Go Securityアンチウイルスというアプリをインストールするように促される事例が相次いでいます。
このGo Securityについて、Androidのセキュリティアプリをレビューして5年になる私が分かりやすく解説します。
目次
「偽警告」に騙されないで!
この記事を読んでいる多くの人は、スマホをいじっていて「あなたの端末がウイルスに感染しています! このアプリをインストールしてスキャンしてください!」といった警告画面を見て情報収集をしているのだと思います。
こうした類の「警告画面」は全て嘘で、アプリをインストールさせるためのある種の広告です。詳しくは以下の記事で説明しています。
Go Securityというアプリについて
ウイルス検出率は非常に低い
Google Playのダウンロード画面にある説明を見ますと、「AV-テスト フルスコア」という説明があります。AV-TESTというのは、ドイツにあるセキュリティソフトのウイルス検出率などを調査している機関で、当サイトでもよくデータを引用している信頼に値する調査機関です(参考: ウイルス検出率ランキング)
ですが、AV-TESTの過去の調査結果を見てもGo Securityが調査対象となったことは一度もありません。Android版のテストが始まった2013年1月のレポートまで遡って全てチェックし直しましたが、Go Securityなどどこにも載っていませんでした。
そんなわけでこの記事の初出時には「偽セキュリティアプリの疑いがある」と紹介しましたが、その後AV-Comparativesのテストで評価された結果、検出率「61.4%」という非常に低い検出性能であることが分かりました。
ウイルスを検知する機能はあるものの、ノートンやウイルスバスターといった有料セキュリティアプリと比較してもちろんのこと、無料のセキュリティアプリの中でも非常に低い検出性能と言わざるを得ません。
インストールすることで別の危険も
Go Securityというアプリには、以下のアクセス権限が設定されています。
・端末や履歴へのアクセス
・ID情報へのアクセス
・連絡先データの取得
・位置情報の取得
・通話履歴の取得、電話の発信
・画像等のメディアへのアクセス
・ストレージへのアクセス
・カメラの起動と撮影 など
ウイルスバスターやノートンといった、本物のセキュリティアプリでも上で挙げたような権限は必要になります。なので権限の内容を見る限りは不自然な点はありません。
ですが悪質な宣伝・広告を行ったり、性能試験を受けていないのに「性能試験で満点」などと平気で嘘を付いているわけですから、GO Securityは信頼に値するアプリではありません。個人情報の抜き取りをしていてもおかしくない、と疑ってかかるべきです。
もしインストールしてしまったら
Go Securityをもしインストールしてしまった場合は、すぐにアンインストールしてください。
また、Go Securityを通じた遠隔操作によって、別のアプリがインストールされてしまっている可能性もあります。インストールされているアプリの一覧をアプリ一覧(Google Play)でチェックして、見覚えのないものが紛れていないか確認してください。
その上で、信頼出来るセキュリティアプリを使ってスキャンをしてください。
誰が作っているの?
GOMO Appsという会社が作っています。
Google Playで以下の住所が公開されています。
17th floor ,Tower A,China International Center NO.33
Zhongshan 3rd Road Yue Xiu district,GuangZhou,China
中国の広東省の中山市(孫文の故郷)の住所です。
China International Centerというビルの名前で調べてみますと、2007年竣工の高層ビル(270m)だそうです(本当にこのビルに入居しているか不明)
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