システムファイルが古くなっています
ネットサーフィンをしているときに「システムファイルが古くなっています」という警告画面が表示される例が相次いでいます。この警告画面について、詳細を解説していきます。
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動画付きで実際の画面を紹介しています
実際の警告画面を見てみよう
まずは実際の警告画面を見てみましょう。2018年4月30日に私が遭遇した「警告画面」のキャプチャー画像です。
Microsoft社のロゴ付きで、何だか「本物っぽく」見えますね。
この警告は偽物です
最初に断言しますが、こうした警告画面は「偽物」です。ウソの警告画面なので無視してください。
なぜ偽物と言えるのか
では、なぜ警告画面が偽物と言えるのか。
そもそもウェブサイトにアクセスしただけでシステムファイル(OSのアップデートのことでしょうか)をスキャンし、更新の必要性の有無をチェックすることは出来ません。
つまり、こうした警告画面は実際に「システムが古くなっているか」どうかに関係なく、全てのユーザーに対して同じ画面を表示しています。
また、「PCがウイルス感染しているのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれませんが、こうした画面は広告として配信されているものなので、ウイルス感染の有無とは関係なく表示されます。不安ならセキュリティソフトでウイルススキャンをしてください。
指示に従うと何が起きるの?
では、指示に従うことで何が起こるのでしょうか。その真相に迫ります。
余計なソフトをインストールさせられる
こうした警告画面には「修復するにはこちら」などというボタンがあり、それをユーザーにクリックさせる仕組みになっていることが多いです。
そうしたボタンをクリックすると、ソフトのダウンロードが開始されます。実際、今回私が遭遇した「偽警告」でも、ダウンロードボタンをクリックすると以下のページにジャンプしました。
「PC修復ツール」としてAutofixer pro 2018というソフトのダウンロードを促されました。
Autofixer pro 2018とは
今回私がダウンロードを促された「Autofixer pro 2018」というソフトは、PCの「最適化」や「クリーンアップ」を行うことで、動作の改善を図ると謳ったものです。
不要なファイルなどをスキャンして見つけ出し、それを削除することでPCの動作を軽くするという昔からよくあるようなタイプのソフトですね。
なお、今回私は不要なPCでこのソフトをダウンロードしてみましたが、特にウイルスなどは検出されませんでした。しかし、このソフト自体が(ウイルスなどの脅威は無いものの)有害なソフトであるため、セキュリティソフトによってダウンロードと同時に削除されました。
場合によってはインストーラーにウイルスが含まれている場合もありますし、またダウンロードページ自体にも何らかの仕掛けがされている場合もあります。
こうした警告画面が表示された場合は、直ちに画面を閉じてください。絶対に何もダウンロードしないでください!
この偽警告の目的は?
こうした偽警告画面はどのような目的で表示させているのでしょうか。その背景にある事情を解説します。
ソフトを広める宣伝活動です
こうした偽警告の多くは、ソフトを世間に広めるための「宣伝活動」の一端です。
今回私が遭遇した偽警告では「Autofixer pro 2018」というソフトのダウンロードを促されましたが、このような偽警告画面を広告としてばら撒き、引っかかった人にソフトをインストールさせ、そしてあわよくば有料版の購入につなげて収益を得ようとするスキームは他にもたくさんあります。
偽警告自体は「広告」として配信されています。配信コストが掛かっても後を絶たないのは、偽警告を見た人の数パーセントが警告に騙されてソフトをダウンロードし、そして更にその内の何割かが有料版のソフトを購入してしまって「採算が取れている」ことが原因でしょう。
こうした偽警告を撲滅するためにも、ユーザー側が騙されないことが必要不可欠と言えます。
注意喚起のためにSNS等でこの記事をシェアして頂ければと思います。
他にもある「偽警告」
こうした偽警告は他にも様々な種類があります。
例えば同じくPCを狙ったものでは、「サポートセンター」に電話を掛けさせ、サポート料名目で数万円の料金を請求するというものもあります。
また、スマホ向けのものでは今回の偽警告と同様に、特定のアプリをインストールさせようとするものが多いです。
怪しいサイトでなくとも遭遇します
こうした類の「偽警告」は確かに怪しいサイト(アダルトサイトなど)での遭遇率が高いですが、そうでないサイトを見ていても遭遇することがあります。
私が体験したところだと、世界的に有名な某金融情報サイトを閲覧中に突然画面が切り替わり、「システムファイルが破損しています」と表示されたことがあります。
偽警告が表示されたからといって、怪しいサイトを見ていたとは限りません。