世界シェア1位 Windows用セキュリティソフト「1位」のアバストの無料版です。東欧チェコ共和国の会社の製品です。 有料セキュリティソフトに引けを取らない、充実した機能と高い性能を持つ「無料」ウイルス対策ソフトです。実機テストした結果をもとにレビューします。 |
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7点 |
99.92% |
目次
アバストの評価(総評)
セキュリティ性能
トータルで見ると、名の知れた有料セキュリティソフトと比較しても遜色ないセキュリティ性能であると評価出来ます。
ウイルス検出性能では有料セキュリティソフトと比較しても平均以上の水準と言えますし、また多くの有料セキュリティソフトが未装備の脆弱性対策機能(詳細は後述)がアバストにはあり、包括的なセキュリティ対策が可能です。この機能が無い有料ソフトも多いので、評価に値します。
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
---|---|---|---|
アバスト | 43.44秒 | 6.00秒 | 0.274秒 |
ソフト無し | 39.27秒 | 5.13秒 | 0.192秒 |
10.6% | 17.0% | 42.7% |
数値で見ると軽快とは言い難い結果ですが、実際に7日間にわたりCore i5-6600搭載のPCで使ってみてストレスに感じる場面はありませんでした。
アンインストールしてみると軽快感が変わったので「重くなっていたのか」と感じましたが、使っている分には特に負荷感などは無く、軽快と言ってもよい使用感です。
ただ、重い動画ファイルを再生しようとした時に、途中で止まるようになってしまったので、そうしたところで悪影響は感じました。PCのスペックや用途によっては支障がある場合もあるでしょう。
広告表示は?
会員登録は必要ありません。
広告表示については、私が1週間使用した限りでは数回ほど、画面右下にアバストの広告ポップアップが表示されました。すぐに消せますし、頻度も高くはありません。
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
4テスト 平均 |
AV-TEST 2020/1-2月 |
AV-Comparatives | ||
---|---|---|---|---|
Real-World | Reference | Real-World 2020/3 |
Malware Protect 2020/3 | |
99.92% | 100% | 100% | 99.70% | 99.98% |
記事前半でも説明したように、ウイルス検出テストでは有料セキュリティソフトと比較しても遜色ない水準です。アンチウイルスの部分に関してはアバスト有料版とほぼ同じ機能なので当然といえば当然ですが。
注意点としては、「誤検出」が多い点が挙げられます。
AV-Comparativesなどのテストで誤検出が多いと評価されることが歴史的に多くあり、また私自身も過去に何度も誤検出に遭遇した経験があり実感としてもそのように感じます。
また、スキャンを実行すると「パフォーマンスの問題」として不要データの削除などの項目が表示されますが、無視(スキップ)でいいです。有料の「アバストクリーンアッププレミアム」を買わされます。
脆弱性対策(ソフトウェアアップデーター)
アバストの特筆すべき機能です。
OSやソフトは「脆弱性」と呼ばれるセキュリティ上の欠陥を抱えている場合があり、それを修正するためにアップデートが実施されることが日常的にあります。しかし多くのユーザーは、適切にアップデートを適用していません。
脆弱性を放置することでウイルス感染のリスクが高まったり、あるいは不正侵入の「入り口」になることもあり、リスクは重大です。
アバストでは、PCにインストールされているソフトの更新状況をスキャンし、一括で更新できる機能を持っています。スキャンして一括で更新漏れを確認、ワンクリックで更新を実行できます(有料版では更新の適用も自動で出来る)
危険サイト対策
ブラウザにアドオンをインストールすることで、フィッシング詐欺サイトの検知やトラッキングの拒否(広告配信などによる追跡の防止)を行います。ネットの広告の多くを表示出来なくすることも可能です。
この他、ウイルス感染の恐れのあるサイトへのアクセスについても、アンチウイルスの機能の方で対応してくれます。アドオンを追加しなくても、ウイルス保護は有効です。
WiFiの検査
接続しているWiFiネットワークの安全性を診断する機能です。
ネットワークに接続されている機器の安全性を一覧で確認したり、WiFiルーターの設定状況を確認することが出来ます。機器への侵入などの被害を防ぐことを狙いとしたものです。
一覧は必ずしも機種名・メーカー名が表示されるわけではないので、初心者の人には判断が難しいと思います。例えば某メーカーのPCが「murata manufacturing(村田製作所)」と表示されました。
ID・パスワードの管理
ウェブサイトにログインする際のID・パスワードを保管します。
ブラウザにアドオンを追加することで本機能を利用できます。複数のブラウザ間、もしくは異なるデバイス間(スマホなど)でもパスワードを共有出来る点は便利です。一つのマスターパスワードで全てのパスを管理出来るので、安心感もあります。
あとはブラウザに保存しておくのと変わらないです。
Secure Browser
2018年まで「SafeZone Browser」という名前で提供されていた機能です。
アバストをインストールすると一緒にインストールされる「ブラウザ」です。Chromeをベースとしており、使い勝手などはGoogle Chromeとほぼ同じです。
広告ブロックやトラッキング(追跡)の防止、入力内容の追跡防止や、ネットバンキングの保護モードなどがあります。
ネットバンキングの保護モードは、起動中に他のプログラムを実行出来なくすることで、情報を盗まれることを阻止するものです。画面がグレーアウトし、ブラウザのみが表示・実行できます。例えばメールを開きながら振込画面を入力するといった使い方は出来ません。
Secure Browserは不要であればアンインストールしても問題ありません。
無料ダウンロード
個人情報の「流用」疑惑
2020年1月、米国のメディアがアバスト製品について、ある疑惑を指摘しました。
アバストが無料セキュリティソフトの利用者から取得したデータを、「匿名化」した上でマーケティング情報として外部の企業に販売していたという疑惑です。
販売されていたとされるデータは検索ワード、Amazonでの購入履歴、サイトのアクセス履歴など多岐に渡るとされています。
このようなデータは「匿名加工」されたとしても、複数を繋ぎ合わせることで個人を特定出来てしまうことが少なくなく、外部の企業に販売していた点について批判の声が高まっています。
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