複数年版のセキュリティソフトのメリットとデメリット【2年・3年版】

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各メーカーが力を入れる「複数年版」


 かつて、セキュリティソフトは1年ごとに更新していくのが一般的でした。しかし今では、各社が2年版や3年版といった「複数年版」を続々と投入するようになり、既に多くの消費者が選ぶようになっています。例えば、当サイトでの販売比率はこんな感じです。


「販売比率」 ソフトA ソフトB
1年版
10
1
3年版
1
7
販売本数が少ない方を「1」とする

 ソフトによっては、3年版のライセンスが7倍もの販売本数になっています。
 では、こうした複数年版にはどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。選ぶ前に知っておきたい注意点も交えながら解説していきます。


複数年版を選ぶメリット


 まず、複数年版を選ぶメリットから見ていきましょう。


単年版よりお得


 ソフトの購入代金は高くなりますが、「1年ごと」で割ってみると割安です。


カスペルスキー
(1台版)
ウイルスバスター
(1台版)
1年版
3980円
5380円
3年版
8980円
12780円
年あたり
の差額
-986円
-1120円

 3年版の1年あたりのコストは、1年版を買うより千円前後安いことが分かります。
 なお、販売戦略の関係で3年版の方が割高なソフトもあります(例えばノートンがそう) 「3年版=お得」ではないので注意してください。逆に、ESETのように、1年版より3年版の方が「販売価格」自体が安いというビックリする程お得なソフトもあります。


更新の手間が少なくなる


 ソフトの更新頻度が2年・3年ごとに伸びるので、その分更新にかかる手間暇が少なくて済みます。ソフトをアンインストールして、新しく買ったソフトをインストールして・・ という作業を面倒に感じる人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。


複数年版のデメリット


 続いて、複数年版が抱える問題点やデメリットです。


失敗した時のリスクが大きい


 セキュリティソフトは、お使いのPCとの「相性」が問題になることがあります。
 世間では「軽い」と評価されているソフトでも、相性が悪いPCでは重くなってしまったり、あるいはエラーが頻発することもあります。また、使ってみて気に入らなかったという事もあるでしょう。


 「失敗した」と思った時に、あと何年も期限が残っているソフトを諦めるには大きな後悔を伴いますよね。複数年版の方が値段が高いことが多いですから、ムダになる金額も大きくなりがちです。複数年版を買う時には「無料体験版」を試すことを強くおすすめします。


ソフトの性能が変わる恐れがある


 ソフトの「性能」は、3年もあれば大きく変化します。


 私は2007年からこのサイトを運営していますが、そうした場面を今までに幾度と無く見てきました。例えば、ウイルス検出率でランキング上位だったソフトが下位に転落した例があります(ほんの2〜3年の間に、です) もちろん、逆に成績が向上した例もありますが。


セキュリティソフトの性能は変わります


 セキュリティの世界は日進月歩です。ハッカーもセキュリティソフトのメーカーも日々進化しているため、複数年版を買うと期待した性能が無くなってしまうリスクがあります。


使っている途中にソフトの販売が終了


 ソフトを使っている途中で、そのソフトの販売が終了してしまう例があります(2016年4月にAVIRA日本語版の販売終了が発表、後に撤回) 多くの場合、そのままソフトを継続して使用出来ますし、サポート体制は維持されるというアナウンスがあるので、使用には問題ありません。ですが、自分が使っているソフトが「もう売っていない」というのは、気分としてあまりよくないですよね。


セキュリティソフトが販売終了に


複数年版が増えた背景は?


 各社が複数年版の販売にしのぎを削っているのは、一度獲得した顧客を手放したくないという意図があるようです。お得な価格でお客さんを釣って、そのまま継続して使ってもらおうという考えがある、とメーカーさんから聞きました。


 消費者にとってはメリット、デメリット両面があるのでよく検討してください。


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