軽さ、セキュリティ性能ともに優秀 ルーマニアのSOFTWIN社が開発しているセキュリティソフトです。ウイルス検出力に定評があり、他社のセキュリティソフトにもアンチウイルスエンジンを提供しています。 日本では「ZEROスーパーセキュリティ」の名でソースネクスト社が販売している製品が、BitdefenderのOEM品です。同じ製品と勘違いされがちですが、機能や仕様に若干の違いがあり、「完全に同じ」ソフトではありません。 スーパーセキュリティとの違いも含めて、詳しくレビューします。 |
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7点 |
99.97% | Firewall IPS |
目次
Bitdefenderの評価(総評)
セキュリティ性能
冒頭でも紹介したように、セキュリティに関しては「トップレベル」の水準です。
多くのウイルス検出率テストで上位をキープし続けている上、アンチウイルス以外のセキュリティ対策に有意義な機能を多数そろえており、全方向の強さという点ではカスペルスキーと並んで高く評価できます。
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
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Bitdefender | 40.40秒 | 8.35秒 | 0.618秒 |
ソフト無し | 38.44秒 | 4.97秒 | 0.508秒 |
+5.1% | +68.1% | +21.6% |
計測した数値は悪いですが、実際の使用感はむしろ「軽快」といってもよいレベルでした。カスペルスキーなどのライバルと比べても使用感は悪くないです。
WEBサイトを5ページ同時に読み込むテストでは、姉妹製品であるスーパーセキュリティと同様にCPU使用率が100%(core i5-6600)になるなど、やや負荷が掛かっているようでした。1ページずつの読み込みであれば、特に問題は無いです。
気になった点としては、本ソフトを5日間使用した中で、数回ほどウェブサイトのデザインが崩れる現象が起きました(CSSファイルが読み込まれなかった) スーパーセキュリティでも同様の症状を経験しているので、ソフトの特性なのでしょうか。「更新」すれば読み込まれます。
ZEROスーパーセキュリティとの違いは?
BitdefenderのOEM版であり、ソースネクストが販売する「ZEROスーパーセキュリティ」との違いを解説します。ソースネクスト社のプレスリリースでも『「Bitdefender Internet Security」を日本向けにアレンジ』と発表しているように、一部機能が異なります。
スーパーセキュリティにはある Bitdefenderには無い |
Bitdefenderにはある スーパーセキュリティには無い |
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ソースネクスト社の管理ソフト | VPN |
ZEROスーパーセキュリティでは、インストールすると一緒にソースネクスト社の管理ソフトがインストールされますが、Bitdefenderにはそれがありません。
また、「システム要件」も異なります。
スーパーセキュリティ | Bitdefender |
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CPU 1GHz以上 メモリー1GB以上 空き容量800MB以上 |
CPU 1.6GHz以上 メモリー1GB以上 空き容量1.5GB以上 |
今回Bitdefenderを使用する数日前にスーパーセキュリティをテストしていますが、両者の使用感は大きく異なりました。また、計測値も特にソフトの起動時間に大きな乖離が見られました。
スーパーセキュリティを試した際に、私のPCとの相性が悪かった可能性は否定できませんが、とはいえ両者が「全く同じソフト」ではないと言える証拠の一つになるでしょう。
購入・価格一覧
1台/1年 3709円 1台/3年 8119円 3台/1年 4969円 3台/3年 9309円 5台/1年 5319円 5台/3年 10570円 |
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セキュリティ対策としては下位版の「インターネットセキュリティ」(3台版)で十分です。端末の最適化機能と盗難対策がありません。
また、台数無制限で使える「ファミリーパック」もあります。
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
2テスト 平均 |
AV-TEST 2023/2月 |
AV-Comparatives 2023/3月 | |
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Real-World | Reference | Real-World | |
99.97% | 100% | 100% | 99.94% |
冒頭でも紹介したように、ウイルス検出率テストの結果はトップクラスです。他のソフトのように一時的に結果が落ち込むこともほぼ無く、安定して「平均水準以上」の成績を維持しており、安定感という点でも申し分ないです。
ウイルススキャンについては、「クイック検査」であれば二回目以降のスキャンは数秒程度で完了します(一度スキャンしたものを次回以降は効率化するため)
脆弱性対策
Windowsアップデートの有無や、インストール済みのソフトの更新状況、WiFiの設定状況などを「スキャン」し、問題がある箇所を指摘してくれる機能です。
脆弱性があることでウイルス感染しやすくなるなど、重要な事態を招きます。こうした機能があることで、セキュリティをより高めることができます。
残念ながらスキャンできるソフトの種類がカスペルスキーやマカフィーの同種の機能と比べると少ない(Adobe Flash、Skype、Firefoxなど)ですが、こうした機能を持たないセキュリティソフトが多いので、評価に値します。
ランサムウェア(身代金ウイルス)対策
感染することでPC内のデータをロックされ、解除に身代金を要求される「ランサムウェア」への対策機能です。
自分で予め指定したフォルダを外部からの操作から保護する機能をそなえています(指定したアプリケーションからの操作のみ実行可)
アンチウイルスの方でもランサムウェアを検知しますが、そこで取りこぼした場合にそなえた機能です。
WEB脅威対策
アクセスすることでウイルスに感染する恐れがあるサイトや、フィッシング詐欺サイトをブロックする機能です。更に、ブラウザにアドオンを追加することで、検索エンジンの検索結果画面にサイトの安全性を表示することも可能(必要無ければ無くてもOK)
ネットバンキング保護
ネットバンキング利用の安全性を高めるための機能です。
ネットバンキングにアクセスしている間、他の動作(ソフトの起動など)を制限します。偽のサイトなどが表示されることを防ぎます。
正直使い勝手が悪いのと、銀行や証券会社のサイトにアクセスするとこの機能を起動するか尋ねるポップアップが表示されるのが面倒です。
盗難対策
PCが盗まれたり、なくしてしまった時のための機能です。
IPアドレスを使った位置特定、端末のロック、データ削除などをBitdefenderのサイトから遠隔操作で実行できます。
下位版の「インターネットセキュリティ」には無い機能です。
端末の最適化
ディスクやレジストリに溜まった「ゴミ」を見つけだし、簡単にクリーンアップできます。PC起動時間を短くする効果が期待できるスタートアップの最適化機能もあります。
下位版の「インターネットセキュリティ」には無い機能です。
VPN
ZEROスーパーセキュリティには無い機能です。
通信内容を暗号化することで、フリーWiFiを安全に使うのに役立つ機能です。Bitdefenderでは、1日200MBまでのVPN通信が可能です。更に追加料金を支払うと、容量無制限で利用できます。
使用感は他のメジャーなVPNと遜色ない水準でした。Ping値は通常8msの端末で18msに、ダウンロード速度も50Mbpsでてました。
サポート
日本ではマイナーなセキュリティソフトということで、気になるのはサポート体制です。
サポートは日本語対応で、メールと電話で受け付けています。電話の対応は平日9〜18時と平均点なレベルです。
他のソフトを見てみる
Bitdefenderと比較したいソフト
カスペルスキー | ||
比較対象としてはカスペルスキーがおすすめです。 ウイルス検出率テストではBitdefenderと並んで上位の成績、また機能面ではBitdefenderよりもやや充実しており、トータルのセキュリティ性能ではカスペルスキーの方がやや勝っています。動作の軽さではBitdefenderの方がやや軽い。 価格ではBitdefenderの方がやや安いです。 | ||
軽さ / 検出率 7点 / 99.99% |
価格 1台/1年 3980円 5台/1年 4980円 5台/3年12150円 無制限/3年14150円 |
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