avastと比べると見劣りする 2016年に同業のavastに買収されました。その後、基本機能の多くがavastと共通化されましたが、avast無料版と比べると一部重要機能が省略されています。 avast側としても将来的にブランドをavastに統合する予定だそうなので、AVGはあまりやる気が無いのでしょうか。そんなAVG無料アンチウイルスを2週間にわたりテストした結果をレポートします。
|
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8点 |
99.92% | - - |
目次
AVGアンチウイルスFREEの評価(総評)
セキュリティ性能
セキュリティソフト性能としては、「平均程度」という評価になります。
同会社が提供しているavastと比較すると、脆弱性対策機能や危険サイトを検知する機能が省略されており、セキュリティ性能は劣ります。セキュリティソフトとして選択するならば、アバストの方を推奨します。
無料セキュリティソフトとしては悪くない性能です。機能が最小限に限定されているため、有料セキュリティソフトと比較するとトータルでは見劣りする性能と言えます。
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
---|---|---|---|
AVG | 40.56秒 | 6.11秒 | 0.262秒 |
ソフト無し | 39.35秒 | 5.83秒 | 0.213秒 |
3.1% | 4.7% | 22.8% |
動作は軽いと評価できます。
2週間少々にわたり、Core i5-6600搭載のPCで使用しましたが、不満に感じる場面は無く快適に使うことが出来ました。計測データを見ても、悪化幅が小さく優秀な成績と言えます。
アンチウイルスエンジンなど基本性能はアバストと同じはずですが、AVGの方が軽いと評価できます。こちらの方が機能が少ないため、その差が現れているのだと思います。
広告表示は?
利用にあたっては会員登録は必要ありませんが、利用中にしばしばポップアップ画面が表示されます。
頻度は一日に数回程度という感じで、全く表示されない日もあれば1日に2回表示されたこともありました。邪魔になるほどの頻度ではありません。
更に付け加えると、操作画面上で有料版の購入を促す「細工」が随所にあり、誘導されるがまま間違えて有料版を買ってしまうユーザーもいるのではないか、と感じました。例えばウイルススキャンをすると「保護されていない秘密文書が見つかりました」と警告が表示されましたが、対応するには有料版の購入が必要でした。特に対応する必要は無いので、放置で大丈夫です。
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
4テスト 平均 |
AV-TEST 2020/1-2月 |
AV-Comparatives | ||
---|---|---|---|---|
Real-World | Reference | Real-World 2020/3 |
Malware Protect 2020/3 | |
99.92% | 100% | 100% | 99.70% | 99.98% |
セキュリティ対策機能としてはアンチウイルス機能がメインとなりますが、その検出性能はというと全セキュリティソフトの中では「平均クラス」の性能です。2016年以降のウイルス検出性能試験の成績を見ても、悪い結果を出すことも無ければ、飛び抜けて良い成績ということも無く安定しています。
また、上でも説明しましたがウイルススキャンをすると「問題が見つかった」などと有料版の購入を促されるので注意してください。
データ抹消
パソコンのデータは、ゴミ箱から削除しただけでは専用の復元ソフトを使って復元することが可能である場合があります。そうしたことから情報が流出してしまわぬよう、復元ソフトで復元できないように「完全抹消」すると謳った機能です。
削除したいデータをAVGの画面上で一つ一つ選択するか、もしくはデータ・ファイルを右クリックするとAVGで抹消する項目が表示されます。
AVG Secure Browser
AVG本体をインストールする際に、一緒に付いてくるソフトです。必要無ければ、チェックを外せばインストールせずに済みますし、後からアンイストールしてもAVG本体の機能には影響しません。
Chromeをベースとして開発された、ネットを安全に使うための専用ブラウザです。使い勝手などはGoogle Chromeとほぼ同じです。
広告ブロックやトラッキング(追跡)の防止、入力内容の追跡防止や、ネットバンキングの保護モードなどがあります。
ネットバンキングの保護モードは、起動中に他のプログラムを実行出来なくすることで、情報を盗まれることを阻止するものです。画面がグレーアウトし、ブラウザのみが表示・実行できます。例えばメールを開きながら振込画面を入力するといった使い方は出来ません。