デビットカードでETCカードは作れるのか。
今や高速道路利用車の89.7%が利用するETC(国交省資料より) マイカーはもちろん、レンタカーでも最近は「ETC車載器標準装備」が当たり前になっています。
そんなETCを利用するには、車載器の他に「ETCカード」が必要です。通常はクレジットカードの付帯サービスとして、メインのカードとは別に申し込むことで専用のカードが交付されます。では、デビットカードでETCカードを申し込むことは出来るのでしょうか。詳しく解説していきたいと思います。
目次
ETCカードは作れない!
最初に結論を申し上げると、デビットカードでETCカードを作ることは出来ません。以下、その事情を詳しく解説します。
現状でETCカード対応はゼロ
デビットカードでETCカードを作ることが出来ないのは、「ETCカードの発行を受け付けているデビットカードが存在しない」からです。
2016年頃から、これまでデビットカードの発行をリードしてきたネット銀行だけでなく、地銀やメガバンクも相次いでデビットカードに参入しました。しかし、いずれの銀行が発行するデビットカードでも、ETCカードの申込みは受け付けていません。
なぜ対応していないのか 理由は?
では、なぜETCカードを作れるデビットカードが存在しないのでしょうか。
その理由として考えられるのが、デビットカードの特性です。
デビットカードは支払いが行われるのと同時に、持ち主の銀行口座からお金が引き落とされる仕組みをとっています。そのため、口座の残高が不足している場合はカードの利用ができず、支払いができません。
ETCの場合、料金の支払い後すぐに高速道路会社からカード会社に請求がいくのではなく、月4回程度(おおむね週に1回)まとめて走行データの送付が行われ、そのデータを元にユーザーに請求が行われるという仕組みになっています。
Q.クレジットカード会社からは、いつ請求されますか?
A.弊社からETCクレジットカード会社へは、月に4回程度(概ね1週間に1回)走行データを送付しております。引用元:よくあるご質問(NEXCO西日本)
通常の買い物とは異なる決済の仕組みをとっているため、デビットカードでETCに対応するのは難しいようです。
一般レーンもデビットカード不可
また、以前(2012年ごろまで)はデビットカードで高速道路の通行料金を支払うことができたのですが、今は基本的に出来ません。ETCだけでなく一般レーンでも、おそらく同じ決済の仕組みになっているのではないかと推測されます。
ETCを利用したい場合の対処方法
そうは言っても、便利で通行料金もお得なETCを使えないのは不便ですよね。以下で対策をご紹介します。
クレジットカードを作る
ほとんどのクレジットカードで、ETCカードを申し込むことができます。デビットカードのような制約はありません。
ただし、クレジットカードの場合は18歳以上(高校生は除く)という年齢制限や、過去の利用履歴などに基づいた審査が行われるため、誰でも作れるというわけではないという難点もあります。
最近は収入の不安定な非正規雇用の人や、自己破産歴のある人でもクレジットカードを作りやすくなっているので、一度チャレンジしてみてください。楽天カードなどがおすすめです。メインカードの年会費は無料。ETCカードの年会費は540円掛かりますが、高速道路料金に対しても「1%」のポイント還元があるのでお得です。
ETCパーソナルカードを作る
ETCカード単体で発行される「ETCパーソナルカード」というものがあります。
このカードは高速道路会社6社が共同で発行しているもので、発行時にデポジット(保証金)を預けることで通常のETCカードと同じように利用できるカードです。
年会費が1234円掛かる点や、デポジットが高額である点がデメリットです。デポジットは「平均利用月額」の4倍となるので、例えば月5000円利用しようとする場合は2万円必要です。
料金は銀行口座からの引き落としとなるため、チャージの手間はありません。
レンタカー屋さんから借りる
最近は一部のレンタカー屋さんで、ETCカードのレンタルを行っています。
会社名 | 対応状況 | レンタル料金 |
---|---|---|
ニッポンレンタカー | 全国の一部店舗 | 324円 |
日産レンタカー | 全国の一部店舗 | 324円 |
トヨタレンタカー | 一部店舗除く | 324円 |
バジェットレンタカー | 対応 | 無料 |
オリックスレンタカー | 一部店舗のみ | 324円 |
タイムズレンタカー | 対応なし |
予約時にETCカードの利用を申し込んでください。電話予約のみの対応だったり、店舗へ問い合わせる必要があるなど会社によって対応はマチマチなので、必ずレンタカーの予約を確定する前に確かめてください。
レンタル料金は1回のレンタルごとの料金です。ETC割引で通行料金が安くなることを考えると、レンタル料金を払った方がお得になる場合も多いと思います。例えば首都高荏原→上信越道 碓氷軽井沢までの料金で見ると、ETC利用の方が片道420円安いです。
ドラぷらというサイトに出発地と目的地を入力して検索すると、一般料金とETC料金を簡単に比較できます。
カード返却時に、レンタカー屋さんの店舗にある読取機で利用履歴を読み込んで通行料金を精算します。