カードの利用履歴でお小遣いが稼げる時代に
ふだん何気なく目を通しているカードの利用履歴や利用明細。ですが、これからはこうしたデータを売ってちょっとしたお小遣いを稼げるようになるかもしれません。最新事情をもとに解説します。
目次
情報銀行とは?
様々な個人情報を「買い取る」情報銀行というサービスを紹介します。
自分の個人情報でお小遣い稼ぎが出来る
「情報銀行」とは、現在日本でも導入に向けて準備が進む新しいサービスです。
多くの人から自分自身に関する個人情報を集め、それを企業などに提供する橋渡しを担うサービスです。
個人情報を提供する人は、提供の見返りとして現金やポイント、あるいはサービスという形で報酬を得ることが出来ます。また、企業は得た個人情報をもとに新たな製品・サービスの開発に役立てます。
個人情報の売買と言うと「名簿屋」のように胡散臭く、迷惑なイメージが付きまといますが、情報銀行の場合は必ず本人がその都度承認した場合にのみ情報の移動が行われ、そして報酬が得られます。
2019年のサービス開始に向けて、三菱UFJ信託銀行や電通など多くの企業が準備を進めており、また政府も総務省や首相官邸を中心に制度づくりを進めている段階です。
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詳しく解説しています
カードの利用履歴も売れるかも?
今後始まる情報銀行では、デビットカードやクレジットカードの「利用履歴」を売ることも可能になるかもしれません。
銀行も多数興味を示している
情報銀行は多くの人から様々な個人情報を「預かる」ため、高度なセキュリティが要求されます。そのため、参入できる企業はそうした情報の取扱いのノウハウが豊富にある企業が中心となります。
その中でも注目されるのが「銀行」です。
例えば三菱UFJ信託銀行は「DPRIME」という名前の情報銀行サービスを一般向けに提供することを目標に、既に社員を対象とした実証実験を行っています。また、三井住友銀行なども情報銀行に関する実証実験を行っています。
銀行が提供するからといって金融に関係する情報ばかり扱うというわけではありませんが、口座の取引明細や銀行が扱うデビットカード・クレジットカードの取引情報についても情報銀行の守備範囲に含まれていくと考えるのは当然のことでしょう。
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参入予定の企業を一覧で紹介
利用履歴データにどんな価値があるの?
情報銀行はまだ始まっていませんが、似たようなサービスは既に日本でも提供されています。
例えば2018年6月にスタートし話題となったレシート買取アプリ「ONE」というものがあります。
スマホでレシートを撮影してアプリを通じて送信すると、対価として1枚につき10円がもらえるというサービスです。自分の情報を提供して報酬を得られる点では、情報銀行的なサービスといえます。
レシートに加え、会員登録時に住所や年齢などの情報も合わせて登録する仕組みです。そうした個人情報と、レシートに記載された「何を」「どこで」「いつ」購入したか、という情報を組み合わせることで、例えばマーケティングやお店の新規出店を検討する際の検討材料とすることが出来ます。
実はコンビニのレジには買い物客の「性別」と「年代」を打ち込むボタンがあり、レジを打つ際にそうした情報を収集し、商品開発や出店計画に活かしています。こうした情報収集と分析は、コンビニが成長を続けてきた源泉とも言われています。
便利な使い方も
情報銀行には自分の情報を売って報酬を得る、というメリット以外にも役割があります。
パーソナルデータストア(PDS)という機能で、様々な企業に散らばって存在する自分の個人情報を集約し、自分の生活のために役立てるという役割を果たすものがあります。
例えばイギリスなどで既に実用化されているのは、カードの利用履歴を分析して、最もお得に使えるクレジットカードを教えてくれるサービスがあります。
また、あるいは似たようなサービスが既に日本にもありますが、カードの利用履歴から自動で家計簿を入力するようなサービスにも活用することが可能です。