iPhoneのセキュリティソフトにお金を払う必要は無い!

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iPhoneのセキュリティソフトにお金を払う必要は無い!


 年間で3千円以上するのが「当たり前」のiOS用セキュリティソフト。ですが、そんな大金を払ってiPhone/iPadにセキュリティソフトを導入する必要は全くありません。大手メーカーの担当者への取材なども踏まえて、その理由と根拠を説明していきます。





iOSにセキュリティソフトが必要無い理由


標準機能だけでも充分安全なiOS


 iPhone/iPadもウイルスに感染するの?の冒頭でも説明している通り、iOSに感染するウイルスはこれまでに何度か発見されています。しかし、現状では「流行している」と言えるほどウイルスが拡散した事例はありませんし、リスクが発見される度にiOSのアップデートが行われ、「穴」はその都度塞がれています。


 iOSのシステムはウイルスのリスクが大きいとされるWindowsAndroidとは異なり、ユーザーの自由度が狭い分、高いセキュリティを確保しています。また、「iPhoneを探す」やSafariのフィッシング詐欺サイト検知機能、iCloudを使ったデータのバックアップなど、セキュリティまわりの機能も充実しています。


 こうした背景や特徴があるため、iPhoneやiPadは標準状態でも一定のセキュリティを保つことが出来ると言えます。


iPhoneのセキュリティは高い


重要なのはコストとベネフィット(便益)


 そんな安全性の高いiOSですが、iOS用の「セキュリティアプリ」と称するものはたくさんあります。中には年間で3千円もの費用が掛かるものもあります。


 では、こうしたセキュリティアプリに3千円も払う価値はあるのでしょうか。この答えになりそうなのが、私が大学時代に受講した「リスクマネジメント論」という講義の教授のお話です。


 詳しい内容は忘れてしまいましたが、その教授は「コストとベネフィットのバランスが大事」だと語っていました。


鍵はたくさん掛ければいいというものではない


 例えば、ドアに鍵を10個も付ければ空き巣に入られるリスクを軽減することが出来ますよね。でも、10個も付けてしまったら、毎日鍵の開け閉めだけで何分も費やしてしまうことになり不便ですし、鍵代も馬鹿になりません。


 一方、空き巣に入られるリスクについても、鍵を5つ付けた場合と、10個付けた場合では大して変わらないでしょう。鍵を10個取り付けるという防犯対策は、一般家庭では明らかにコストとベネフィットが釣り合いません(自宅に1億円のタンス預金があれば話は変わってくるでしょう)


 iOSは、例えていうなら初期状態でも一般家庭のドアに、ピッキングに強い鍵がツーロックで取り付けられているような状況です。それ以上鍵を増やす必要性は高くありません。


そもそもiOS用セキュリティソフトがイマイチ


 iOSのセキュリティアプリ比較で多数のアプリを紹介していますが、そのほとんどは大してセキュリティ対策に貢献しません(※VPNアプリは除く 詳細は後述) 


 冒頭でも説明したように、iOSはWindowsやAndroidといった他の端末と比べて、OS自体の自由度が小さいです。その影響で、セキュリティアプリに与えられる権限もかなり限られるため、iOS用のセキュリティアプリは限られた範囲でしか動作できず、その結果としてセキュリティ向上の効果も限られたものとなっています。


 実はiOSには、「ウイルス」を検知出来るセキュリティアプリは存在しません。
(参考: iPhone/iPadのウイルススキャン・感染をチェックするには?


実はメーカーもこう言っています


 以前、ある世界的なセキュリティソフトメーカー(社名は明かしませんが、かなり有名な会社です)のセールス部門の方とお会いした際に、「iOS用アプリを、もう少し金額に見合ったものに出来ないのか」という単刀直入な質問をぶつけたことがあります。


セキュリティソフトメーカーに聞きました


 その際の回答としては、上でも紹介した通り「OS自体の自由度が低いから難しい」というものでした。また、「iOS版は、複数台版をお買い求めいただいて、ライセンスが余った時についでにインストールしてもらえたらいいです・・」とも仰っていました。


 メーカー側としても、iOS用のセキュリティアプリを売り込んでいく気は全く無いようです。


注意! VPNアプリだけは別


 ここまで、iPhoneやiPadのセキュリティソフトにお金を払う価値は無い、という話を長々と展開しましたが、一つだけ(場合によっては)お金を払う価値のあるジャンルのセキュリティアプリもあります。


WiFiを使うならVPNアプリを使おう


 それはVPNアプリというもので、WiFiで通信をする際に内容を暗号化することで、盗聴を防ぐ効果が期待出来ます。こちらも有料のものは年間3千円程度しますが、日頃から外出先で公衆無線LANをよく使う人にはぜひ使用をおすすめします。お金を払う価値は充分あります。


 ただ、自宅でしかWiFiに繋がないとか、モバイルルーターを持ち歩いている人、あるいは公衆無線LANはたまにしか使わない人は無料版でも充分です。


まとめ


 iOSは基本的に安全なので、標準装備の機能を活用するだけで充分なセキュリティ対策が可能です。外出先でWiFiに接続する場合は、必要に応じてVPNアプリの使用をおすすめします。


 iOS自体は安全性の高いOSですが、だからといって「何をしても安全」というわけではないので、その点はくれぐれもご注意を。iOSをより安全に使うための知識は、以下の記事で紹介しています。あわせて御覧ください。


iPhone iPad iPod安全使用マニュアル

iOS端末を安全に使うために守りたい5つのことを紹介します。



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