iPhone14にセキュリティソフトは必要か、専門家が解説。
2022年9月に全世界で発売されたiPhone14にセキュリティソフトは必要なのか。2007年から当サイトを運営し、セキュリティソフトメーカーの担当者ともやり取りしている私が忖度なしに解説します。
目次
iPhone14で使うべきセキュリティソフトは?
iPhone14のセキュリティソフトについて解説します。
ウイルス対策ソフトは必要無し
まず始めに断言しますが、iPhoneではパソコンのようにウイルス対策ソフトを導入する必要は全くありません。
iPhoneに感染するウイルスは存在しないわけではないものの、これまでに感染が拡大した事例は無いと言えます。iOSは厳格なセキュリティを敷いているため、PCのようなウイルス感染はしづらいと言える現状があります。
それに加え、そもそもiPhone用のウイルス対策ソフトというものが存在しません。ウイルスバスターやノートンといったパソコンのセキュリティソフトでおなじみのブランドにも「iOS版」が存在しますが、いずれもウイルスを検出する機能はありません。私は各社から招待されて製品発表会などにも参加しており、実際の商品もテストしていますがウイルス検知機能はありません。Appleが「ウイルス検知」を謳ったアプリの存在を認めておらず、App Storeで配信できないためiPhone用のウイルス対策ソフトは存在しないと断言することが出来ます。
iPhoneのウイルスについては以下の記事で詳しく解説しているので、不安が解消されなかった方はこちらを読んで下さい。
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フリーWiFiを使うならVPNを推奨
外出先のカフェや駅などでフリーWiFiに接続する機会が頻繁にある方については、VPNと呼ばれるセキュリティ対策ソフトの導入をおすすめします。
フリーWiFiは電波を傍受することで、通信内容を盗み見ることが出来たり、詐欺などを目的とした偽サイトにユーザーを誘導することが可能です。それを防ぐ効果が期待できるのがVPNです。VPNは通信内容を暗号化するため、電波を傍受されても解析がきわめて困難であるため、フリーWiFi利用時の安全性が格段に高まります。
自宅でしかWiFiを利用しないという方は特に導入する必要性は低いですが、外出先でフリーWifiを利用する機会がある方はiPhone14にVPNをインストールして利用することをおすすめします。
iPhone14のセキュリティ機能は?
iPhone14では衛星通信を利用した緊急通報発信やカメラ機能の強化といった形で新機能が追加されていますが、セキュリティ関連の部分については特に新機能は無く、従来のiPhoneと同様の内容です。
iPhone14のセキュリティ対策で注意すべき点
iPhone14のセキュリティ対策として注意しべき点を整理してまとめます。
盗難・紛失対策
iPhoneは世界的に人気が高く、中古市場でも高値で取引されているため盗難リスクが高い商品と言えます。盗難や紛失に注意する(カフェなどで席取りのためにテーブルにスマホを置かないなど)ことが重要です。
iOSには標準の機能として「iPhoneを探す」という機能があります。Apple IDで他のPC・スマホでブラウザからアクセスすると、iPhoneの場所をGPSで特定したり、アラームを鳴らしたり、画面にメッセージを表示する、端末をロックする、端末を初期化するといったことが遠隔操作で行えます。
もしもの時、いち早く対応できるようにApple IDのパスワードなどを忘れないように注意してください。また、「探す」機能を一度も使ったことが無い方はぜひこの機会に一度試してみてください。
フィッシング詐欺など
偽メールやSMSなどから偽サイトに誘導し、クレジットカード情報や個人情報を騙し取る被害は減る気配を見せません。
iPhoneの標準ブラウザであるSafariや、Chromeといったブラウザには標準でフィッシング詐欺対策機能が付いていますが、全ての詐欺サイトを完璧にブロックできるわけではありません。メールやSMSで不意に届いたURLは絶対にクリックしないことが詐欺対策としては有効です。
セキュリティ対策ソフトとされているアプリの中には独自にフィッシング詐欺対策機能を提供しているものもありますが、わざわざお金をかけて対策する必要性は低いです。
フリーWiFiに接続する場合はVPNを
記事前半でも解説したように、フリーWiFiには通信内容を盗み見られるなどのセキュリティリスクがあります。ほぼ全てのフリーWifiにはそのようなリスクがあります。
フリーWiFiを利用する機会がある場合は、VPNを導入することをおすすめします。iPhoneのセキュリティ対策でお金を掛けるとすれば、この部分が最も有効かつ適切と言えます。