新型コロナでWHOに寄付を呼びかける詐欺メール
世界中で流行している新型コロナウイルス(COVID-19)ですが、それに便乗してWHOに寄付を呼びかける詐欺メールも流行の兆しを見せています。実際に送信されているメールをもとに解説します。
目次
実際に届いたメール
まずは私の手元に届いたメールを紹介します。
記事全文(英文)
メールは英文で届きました(2020年3月22日14時に受信)
日本語訳
詐欺メールの日本語訳です(Google翻訳)
私たちは皆、COVID-19のパンデミックの拡大の影響を受けています。 これは前例のない健康上の課題であり、世界中の人々や組織が支援を求めていることを知っています。
世界保健機関は世界的な取り組みを主導し、調整しています。
パンデミックを予防、発見、対応するための支援国。
現時点での最大のニーズは、すべての国の準備を確保することです。
特に最も弱い健康システムを持つ人々。
寄付は、WHOがウイルスの広がりを追跡して理解するために働くことを支援します。
患者が必要なケアを確実に受け、最前線の労働者が必要な物資と情報を手に入れるため。
ワクチン、テスト、および治療法を開発する取り組みを加速します。
他の贈与方法、税控除、および企業および財団の贈与オプションに関する情報については、以下を参照してください。
今、あなたはあなたが助けたいと思う量を寄付することで私たちを助けることができます
ビットコインネットワーク
ビットコイン支払いで今すぐ寄付してください。
世界保健機関のビットコインアドレス(BTC Wallet)
寄付:16gmYrbqMr4SZeA7SqNVmirhnhDG3maYPK
ビットコインを介して行われたオンライン寄付は、米国とヨーロッパで税控除の対象となります。
法律で許容される範囲。
世界保健機関は小切手または電信送金を受け入れます
世界のどこでも。
世界保健機関は、寄付者に税制上の優遇措置を提供することはできません
これらの支払いに。
ご質問がある場合は、メールでお問い合わせください。引用元:2020年3月22日14時に受信のメール
ビットコインでWHOに寄付してください、寄付したら税金の控除を受けることが出来ますという内容です。
このメールは詐欺メールです
このメールは「詐欺メール」です。
詐欺と言える理由
メールの差出人は「World Health Organization」つまりWHOを名乗っていますが、送信元のメールアドレスがWHOのドメイン(who.int)ではなく、starpink.comという全く関係の無い、素性不明のドメインであるため、詐欺メールと判断出来ます。
なお、メールの受信から丸1日経った時点でメールで指定されているビットコインのウォレットを確認したところ、幸いなことに送金を受けた金額はゼロなので騙されて被害に遭った人はいないようです。
16gmYrbqMr4SZeA7SqNVmirhnhDG3maYPK
送信者はどこの誰?
日本語の詐欺メールは言語設定が中国語になっているケースが少なくないですが、今回は英文でかつ言語設定も英語でした(en-US)
送信元は「vnpt.vn」というベトナムの国営通信会社のものでしたが、これはスパムメールでよく使われるものなので発信者がベトナムにいるとは限りません。
時刻設定はタイムゾーンがUTC+0100となっており、これは「中央ヨーロッパ」もしくは「西アフリカ」が該当します。
可能性としてはヨーロッパ、あるいはアフリカの小さな犯罪組織が考えられると思います。
こうした詐欺メールが発生した経緯
世間の注目が集まる事件が起きると、それに便乗した「詐欺メール」が流行する場合があります。新型コロナウイルスに関しても、既に記事にしていますがマスク販売サイトを騙ったフィッシング詐欺サイトに誘導するメールも確認されています。
また、今回のビットコインによる寄付を要求するメールの背景としては、実際に欧州の赤十字がビットコインによる寄付を募っているというニュースも関係しているものと思われます。
イタリアの赤十字では2020年3月にBitcoinなど仮想通貨での寄付を受け付けており、集めた資金を医療設備の充実や医療スタッフのケアに活用しています。今回の詐欺メールは、そうしたニュースに便乗した詐欺行為です。
コロナ対策への寄付はこちらから
新型コロナウイルス対策への寄付は以下のサイトから出来ます。
- Yahoo!ネット募金
- キボウのカケハシ(KDDI)