普及の兆しがあるが、危険性もあるQRコード決済
2018年に日本でも普及段階に入った「QRコード決済」 ですが、そこにはセキュリティ上の危険性があり、普及が進む中国などでは実際に被害も発生しています。危険性を指摘した上で、安全に使う方法を紹介します。
目次
QRコード決済の危険性とは
既に発生している事件や、指摘されている危険性を紹介します。
QRコードの弱点を突いた手口とは
中国ではQRコード決済の普及が進んでおり、屋台などでも利用できるところもあるといいます。普及が進む中で、QRコード決済を狙った犯罪も発生しています。
手口は簡単で、店が店頭に掲示したQRコードの上から、犯人がシールなどで自分のQRコードを貼り、そのコードを読み取った客の代金を騙し取るというものです。
QRコードは肉眼では内容を判別できないため、上からシールを貼られてもそれが「偽物」かどうか判別することは出来ません。そうした弱点を突いた手口で、2017年頃から被害が確認されています。
スマホの盗難や紛失にも要注意
QRコード決済を利用しているスマホが盗難や紛失により第三者にわたり、入手した人物が勝手にQRコード決済を利用して買い物をするという被害も今後増えていくでしょう。
古典的な手口ですが、クレジットカードやデビットカードでもよくある被害です。
安全に使うには
QRコード決済を安全に利用するために、やるべき「対策」を紹介します。
利用するスマホに必ずロックを掛ける
QRコード決済を利用する端末には、必ずパスワードなどでロックを掛けましょう。
万が一スマホを盗難・紛失してしまった場合に、犯人が決済アプリの残高を不正に利用する被害を防ぐための対策です。
QRコード決済に限らず、スマホは今や「財布」と同じです。財布に鍵を掛けることは出来ませんが、幸いスマホにはパスワードなどを使って「鍵」を掛けることが出来ます。
スマホを遠隔でロックできる機能もAndroid、iPhoneともにありますが、犯人の行動が早い場合は悪用を防ぐことが出来ない場合もあります。パスワードでロックしておくのが一番安全です。
紙に印刷されたコードを使わない
紙やシールで掲示されたQRコードは、上からシールなどで別のQRコードを貼られても判別が付きづらいという欠点があります。
そこでQRコード決済を提供するお店におすすめしたいのが、スマホやタブレットなどでコードを表示し、そのコードをお客さんに読み取ってもらうという方式です。
ディスプレイ上にシールを貼れば明らかに「怪しい」ですし、勝手に端末を操作された場合にも店側が気づきやすいでしょう。
ユーザー側も、紙で掲示されたQRコードを読み取る際は特に注意することをおすすめします。
被害補償が充実したサービスを使う
普段から注意して使っていても、被害を完全に防ぐことは出来ません。今後QRコード決済が普及するにつれて、被害額も急増していくでしょう。
最後の頼みの綱となるのが、QRコード決済業者が提供している不正利用に対する補償サービスです。業者によって補償額や補償条件が異なるので、よく比較した上でサービスを利用することをおすすめします。
サービス名 | 補償上限額 |
---|---|
楽天ペイ | 補償なし |
Origami Pay | 補償なし | Paypay | 補償なし | LINE Pay | 10万円 |
Amazon Pay | 金額不明 |
2018年12月時点で各社の公式サイトで確認した状況です。
安全への取り組みはこれから
不正利用への補償制度がしっかりしていないところを考えると、QRコード決済を安心して使える環境は「これから」という感が否めないです。
クレジットカードやデビットカードは長年の蓄積の中で、安心して利用できる補償制度やセキュリティの仕組みを構築してきました(それでも被害は無くなっていませんが・・)
QRコード決済についてはまだまだこれからと言えそうです。
今後、普及が進むに連れて被害も増え、補償制度なども充実していくのではないでしょうか。