セキュリティソフトは2019年時点で必要無い
標準でウイルス対策機能をそなえるWindows PCですが、セキュリティソフトは必要なのか。2019年時点の情報に基づき検証します。なお、2017年時点では「必要」とする記事を書きましたが、当時とは状況が変わってきています。
目次
Windows標準のウイルス対策機能の性能は
Windowsには標準で「Windows Defender」というウイルス対策の機能が付いています。この機能の存在を根拠に「セキュリティソフトは必要無い」とMicrosoft社も主張しています。では、その性能はどうなのか、データをもとに解説します。
かつては低性能だったが、2019年現在は・・
かつてWindows Defenderのウイルス検出性能はとても低い状況がありました。
例えば2016年のテストではウイルスバスターやノートンが「100%」という結果を出している性能試験(AV-TEST)で88.5%という結果だったり、あるいはAV-Comparativesのテストではメジャーなソフトが軒並み98%以上の成績を残す中、94.4%という結果でした。
しかし2019年現在はというと、AV-TESTやAV-Compartativesのテストで100%近い成績を残すことが多く、その性能は信頼に足るものであると言えます。
Windows Defenderよりも低性能なソフトも
見逃せないのが、Windows Defenderよりも検出率テストの成績が悪い有料セキュリティソフトが存在する点です。
当サイトでは有料・無料のセキュリティソフト22ブランドのウイルス検出率テストの結果を取りまとめていますが、その中でWindows Defenderは上から4番目。つまりWindows Defenderよりも悪い成績を出しているセキュリティソフトが18ブランドも存在します。
その18ブランドの中には、ウイルスバスターやマカフィーなど日本でも名の知れた大手ブランドも含まれます。
セキュリティソフトは必ずしもウイルス対策機能だけではないため、総合的なセキュリティ性能が必ずしもWindows Defenderに劣っているとは言えませんが、コアの部分の性能で標準機能に劣るというのは目を疑いたくなる事実です。
そもそもパソコン使ってますか?
2012年ごろから日本でも急速に普及したのがスマホ。総務省の「通信利用動向調査」によれば個人の保有率は60.9%(2017年)となっています。また、世帯保有率では既にパソコンを逆転しています。
当サイトでも、PCからの閲覧とモバイル端末(スマホ・タブレット)からの閲覧がほぼ半々です。もっぱらスマホばかり使って、PCはほとんど使わなくなったという人も多いと思います。
毎日使うヘビーユーザーは別として、たまにしかPCを使わないのに年間数千円するセキュリティソフトを使うのは、コスパが良いとは言えません。
もっとも、たまにしか乗らない車に自動車保険を掛ける必要は無いのかと言われるとそれは違いますし、また貴重品を置いていない家に鍵を掛けなくてもよいのか、というのも違います。たまにしか使わないPCでも、最低限のセキュリティ対策は絶対に必要です。
ですが前述の通り、Windowsには標準で「性能が高い」ウイルス対策機能が装備されているわけです。それならば自分でわざわざセキュリティソフトをインストールする必要性は低いと言えるでしょう。
全ての人に必要無くなったわけではないが・・
まとめます。
多くの人には必要無い、というのが結論。
全てのパソコンにセキュリティソフトが必要無くなったとまでは言えませんが、多くの家庭のPCでセキュリティソフトは必要性が低下していると言えます。
PCのセキュリティリスクはWindows Defenderでカバーできるウイルス(マルウェア)だけでは無いため、そのほかの部分までカバーできるセキュリティソフトを使う意味が「無い」わけではない点は付け加えておきます。この記事を書いている私も、現在もセキュリティソフトを自分で導入して使っています。
スマホを活用するのがおすすめ
セキュリティソフトやWindows defenderを使っても、PCのウイルス感染リスクがゼロになるわけではありません。
一方、iPhoneはOSの仕組み自体がセキュリティにこだわって設計されているため、ウイルス感染リスクは以前から「ほぼ無い」とされています。安全性が高いといえますし、ましてセキュリティソフトを導入する必要は全く無いと断言できます。
なのでネット通販やネットバンキングなどは、PCではなくiPhoneを使って行う方が安全性が高いと言えます。ただし、詐欺などのリスクはPCと変わらず存在するので注意が必要ですし、また盗難・紛失リスクはPCよりも高いため、ちゃんとロックを掛けておくことが前提となります。
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期限切れセキュリティソフトにご注意
PCの使用頻度が下がる中、問題となっているのがセキュリティソフトの「期限切れ」です。
セキュリティソフトは1年や3年といった形で、使える期間が設定されています。期間を過ぎたものはウイルスを検知するための仕組みが更新されなくなるため、検出性能がみるみる低下するため危険です。
期限が切れる1ヶ月前くらいから、残り期間が少なくなっていることを知らせるポップアップなどを表示するセキュリティソフトが多いため、普段から使っているPCであれば見落とすリスクは低いです。しかしあまり使わないPCの場合は、そうした警告画面を見る機会が無いため、いつの間にか期限が切れるということが起こりえます。
期限を切らしてしまうくらいならば、最初からセキュリティソフトを導入せずWindows Defenderに頼るか、あるいは無期限で使えるセキュリティソフトを使うのがおすすめです。