規約違反品の出品が多いメルカリ
何でも安く買えるフリマサイト「メルカリ」 しかし、セキュリティソフトに関して言えば半数以上の出品がセキュリティソフトの利用規約に違反した商品であるという現状があります。注意点も交えながら解説します。
目次
規約違反の実例
何が問題なのか、詳しく指摘していきます。
実際の出品例を見てみよう
こちらは過去に実際にメルカリに出品され、落札された商品です。
ESETに限らず、ウイルスバスターやカスペルスキーなどでも同様の出品が多く見られます。
これは明らかに利用規約違反
こうしたセキュリティソフトの出品は、明らかにセキュリティソフト利用規約違反です。
最近のセキュリティソフトは、一つのライセンスで複数台まで利用できるものが主流です。メルカリのこうした出品は、自分が使わなかった「残りの台数」を使う権利を販売し、他人に使わせるというものです。
セキュリティソフトのライセンスは購入者本人、あるいはその同居する家族の間で共有できるもので、第三者に販売するのは明らかに問題があります。
実際に利用規約を見てみましょう。
本契約に規定されている以外のいかなる態様でも、本ソフトウェアまたは本ソフトウェアのコピーの使用、改変、複製、または使用権の譲渡を行ってはなりません。
引用元:ソフトウェア使用に関するエンドユーザライセンス契約書(ESET)
お客様は、トレンドマイクロの書面による事前の承諾を得ることなく、本ソフトウェア、ドキュメントおよびプロダクトキーを第三者へ賃貸、貸与または販売できないものとし、かつ、本ソフトウェア、ドキュメントおよびプロダクトキーに担保権を設定することはできないものとします。
引用元: ウイルスバスター クラウド 使用許諾契約(トレンドマイクロ)
勝手に使用権を譲渡したり、ましてやプロダクトキーを勝手に売買したらダメよ、と利用規約で定められています。
盗撮や自宅の場所がバレる危険性も
法的な問題があるということに加え、こうしたセキュリティソフトを利用することで自分のPCの情報が出品者に漏れるリスクもあります。
例えばESETの場合、「盗難・紛失対策」の機能があります。
ウェブの管理画面から操作することで、PCの現在位置を特定したり、ウェブカメラがある場合はカメラで撮影した写真を見ることも出来ます。詳しくはレビューページで解説しています。
冒頭で紹介した出品例では「ユーザー登録済みですので新たにユーザー登録ができません。」との記述が説明文にありますが、これは出品者がユーザーアカウントを持っているため、つまり盗難・紛失対策機能を出品者が自由に使うことが出来ることを意味します。
PCだけでなく、スマホ版の場合はほぼ全てのセキュリティソフトにこうした機能があるため、特に注意が必要です。遠隔操作でデータを削除したり、端末をロックするといったことも可能です。
撮影などの遠隔操作を実行しても、利用者側に通知が一切表示されないソフトがほとんどなので、知らぬ間に監視されてしまう危険性があります。
メーカーにもバレています
あるセキュリティソフトのメーカーの方が、「最近、余ったライセンスをメルカリで売ってる人がいるんですよね・・」と話してくださったことをきっかけに、この記事を書いています。
メーカー側でもこの問題を認識しており、今後アカウントの停止などの対策を取っていく可能性がありそうです。購入しても途中で使えなくなるリスクや、特に出品者は法的な責任を問われる可能性を覚悟した方がよさそうです。
その他の注意点も
他にも注意点があります。
海外版も規約違反
私が探した限り、メルカリにはそうした出品はありませんでしたが、香港・中国版などの「海外版」のセキュリティソフトを日本国内で転売している例が過去に多くありました。
海外の「正規版」ですが、日本国内で使うとこちらも利用規約違反となるため、注意が必要です。