セキュリティソフトを併用するとどうなるのか
セキュリティソフトは併用してはダメ、必ず一つまでというのは広く知られた話だと思います。ですが「なぜ」ダメなのか、という理由まではあまり知られていないのではないでしょうか。最新の事情をふまえて解説します。
目次
なぜ「併用」がダメだと言われているのか
「ダメ」な理由を紹介します。
干渉しあって誤作動を起こす
セキュリティソフトを同じPCに複数同時にインストールすることで、互いが干渉しあう可能性があります。
例えばソフトAがウイルスを検知し、それを「隔離」するために移動させたとしましょう。もう一つセキュリティソフトが入っていると、その移動をソフトBが検知してしまい、ソフトBもウイルスの隔離や駆除を行おうとしてしまいます。
2つないしは3つ以上のセキュリティソフトでウイルスを取り合うような動きを起こしてしまう可能性があるため、誤作動を起こすと言われています。
PCが使用不能に陥る可能性も
セキュリティソフトは脅威を検知するため、PCの深層まで入り込んで動作しています。そのため、セキュリティソフトが誤作動を起こすことでPCが使用不能に陥る危険性もあります。
使用不能にならずとも、複数インストールすることで動作がとても遅くなります。実際に体験したことがありますが、まともに使えるような動作感ではなくなりました。
現在は「併用」は起こりづらくなっている
「併用」になってしまうと大変だ、しっかり確認しなきゃ。と思った人もいるかもしれませんが、現在はセキュリティソフトの併用状態が起こりづらくなっています。
インストール時にチェックが入る
現在、多くのセキュリティソフトはインストール時に「他のセキュリティソフト」がインストールされていないか診断をした上でインストールが始まります。
併用状態になることで不具合が起こる一方、PCにあまり詳しくないユーザーはセキュリティソフトのインストール状況を確認しないままインストールを行うことがあるため、セキュリティソフトの側で診断します。
他のセキュリティソフトがインストールされていたり、あるいはアンインストールしても充分に除去出来ていない場合には、残存しているセキュリティソフトの名前を挙げて警告が表示され、インストールが中止するものが多いです。
「併用」を前提としたセキュリティソフトもある
「併用はダメ」と言われていますが、一方で併用が可能な場合もあります。
Windows Defenderは無問題
まず、Windowsに標準で組み込まれている「Windows Defender」という機能があります。これを無効にした上でセキュリティソフトをインストールしなくてはならないのでは、と不安がる人も多いようです。
ですが、Windows Defenderについては特に何か作業をする必要はありません。そのまま別のセキュリティソフトを自分でインストールしても問題ありません。
標準で組み込まれている機能ですから、そこに存在することが前提でセキュリティソフトは設計されています。
むしろ、レジストリに変更を加えるなどして「強制停止」など余計なことをすると、かえって不具合が起こることもあります。
これは私の実体験ですが、いくつかのセキュリティソフトで動作が著しく重くなる不具合が見られました。
併用を推奨しているソフトもある
複数併用を推奨、もしくは前提としているセキュリティソフトもあります。
一つのセキュリティソフトだけでは不安だ、という人のためにセカンドオピニオン的な役割を果たすセキュリティソフトとして売り込んでいるものがあります。実際に公式サイトや製品パッケージに、他のセキュリティソフトと併存できる旨が明記されています。
ただし、併用することでPCの動作がとても重くなるため、まずは無料体験版で試してから購入することをおすすめします。
以下の記事に詳しくまとめているので、こちらも参考にしてください。