アバスト・プレミアの評価
チェコに本社を置く、AVAST Softwareの製品です。日本では「無料セキュリティソフト」として知られるブランドですが、有料版の購入に繋げるための戦略の一貫として無料アンチウイルスソフト配布しています。現在はノートンと合併しています。
無料版との違いも交えながら、1週間にわたりテストした結果をもとに解説していきます。
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
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7点 |
99.99% | Firewall IPS |
目次
アバスト・プレミアの評価(総評)
セキュリティ性能
総合的なセキュリティ性能としては、高いと評価できます。
ウイルス検出性能については2016〜18年にかけては「平均クラス」の成績が続いていましたが、2019〜2023年のテストでは上位と言える成績を残しています。また、他のセキュリティソフトには無い有意義な機能を多数揃えています。
それらを上手く使いこなすことで、他のメジャーなセキュリティソフトよりも強固なセキュリティ対策を実現することが出来ます。どちらかというと上級者向きのソフトです。
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
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アバスト | 34.09秒 | 7.17秒 | 0.547秒 |
ソフト無し | 32.03秒 | 5.67秒 | 0.421秒 |
6.4% | 26.5% | 29.9% |
Core i5-6600のPCで1週間使った限りでは、不満に感じる場面は一度もありませんでした。決して重くはないものの、セキュリティソフト無しと同様にサクサク動くわけではありません。やや負荷を感じます。
特に不満だったのが、ブラウザに追加するアドオンです。これを有効にするとブラウザ(Firefox)の動作が遅くなりました。計測値はアドオンを有効にしていますが、無効にした状態では6.03秒と、「無し」よりわずか6.4%の悪化と、優秀な成績でした。
検索結果にサイトの安全性を表示する機能は使えなくなりますが、アドオン無しでもセキュリティ上は特に問題無いでしょう(ウイルス検知には影響しない)
購入・価格一覧
1台/1年 3836円 1台/3年 11536円 10台/1年 5236円 10台/3年 15736円 |
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日本語によるテクニカルサポートも提供しています。メール・電話、対応時間は10〜19時(年中無休)
無料版との違いは?
有料版(プレミア)にあって 無料版に無い機能 |
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パーソナルファイアウォール 脆弱性対策機能の「自動更新」 サンドボックス機能 迷惑メール対策 ランサムウェアシールド ウェブカメラのハッキング防止 データ抹消 |
上記に加えて、有料版では日本語によるテクニカルサポートも利用出来ます。
無料版はウイルス対策と脆弱性対策(自動更新は出来ない)、WiFiの検査の3機能がメインになっています。
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
2テスト 平均 |
AV-TEST 2023/2月 |
AV-Comparatives 2023/3月 | |
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Real-World | Reference | Real-World | |
99.99% | 100% | 100% | 99.97% |
平均並の成績が続いていましたが、2019〜2023年のテスト結果は上位と言える結果です。平均以上の検出性能があると評価出来ます。
簡易スキャン(スマートスキャン)は数分程度で完了します。スキャン中は動作がやや重くなる場面もありました。
いただけない点としては、スキャンを実行すると「パフォーマンスの問題点」が発見されますが、解決策として「アバスト クリーンアップ プレミアム」という有料ソフトを購入するよう促されます。買う必要は無いです。
ファイアウォール
独自のパーソナルファイアウォールをそなえています。
一週間使用した限りでは、特に必要な通信を遮られることもなく、また通信速度も低下したという感想は持ちませんでした。また、特に難しい設定は必要無く使えます。
レポート画面を開くと、アプリケーションごとの通信状況を確認したり、通信の許可/不許可をユーザー自ら設定することも可能です。
脆弱性対策(ソフトウェアアップデーター)
パソコンにインストールしてあるソフトウェアのアップデート状況を一括スキャンで検査し、アップデート漏れがあればワンクリックで対応できる機能です。全てのソフトを網羅しているわけではないものの、主要なソフトを幅広くカバーしています。
アップデート漏れを放置することで、脆弱性を足がかりとした攻撃を受けやすくなります。重要性の高い機能ですが、こうした機能が一切無いソフトも多いため、その点でアバストは高く評価出来ます。
なお、2019年版からドライバーをアップデートする「Driver Updater」という機能が追加されましたが、有料オプションとなっており、スキャンしかできません。
WEB脅威対策
フィッシング詐欺サイトや、セキュリティ上の脅威となるものをブロックする機能です。
ブラウザにavastのアドオンを追加することで、Googleなどの検索結果画面にサイトの安全性を表示する機能が使えます。ですがこのアドオンを追加すると、ブラウザの動作が重くなってしまうため、ストレスに感じるようなら無理に使う必要は無いでしょう。
ウェブ経由のウイルスなどはアドオン無しでもブロックします。
WiFiネットワークの検査
PCが接続しているWiFiネットワークの安全性を診断するという機能です。
接続中の機器を一覧で表示する機能や、機器の設定状況を診断する機能があります。
以前この機能でスキャンした時は、「危険」と表示されて有料アプリ(セキュアラインVPN)の購入を促されましたが、今回はそういったことは無かったです。
サンドボックス
信頼出来ないソフトウェアを起動する時に使う機能です。
サンドボックスとは、PC内の限られた領域内だけで特定のソフトを動かせる仕組みです。万が一、リスクのあるプログラムを動かしてもPC全体に被害が及ぶことを防ぐことが出来ます。
データ抹消
「ゴミ箱」からデータを削除するだけでは、「復元ソフト」などを使うことで消したはずのデータを復活させることが出来る場合があります。個人情報の流出などに繋がることもあります。
本機能を利用して「削除」することで、復元ソフトによる復元を困難にします。
他のセキュリティソフトにもある機能ですが、アバストでは既に削除済みのファイルの「痕跡」を抹消する機能もあります。これは珍しい機能です。
パスワード管理
ウェブサイトのログイン情報を管理する機能です。ブラウザからIDやパスワードをインポートし、それをアバストが管理します。
自動ログインや、クレジットカード情報の自動入力(事前に保存しておくと画面を開くだけで入力)など市販の「パスワードマネージャー」と同等の機能です。MacやiPhone、Androidとも共有できます。
Secure Browser
2018年まで「SafeZone Browser」という名前で提供されていた機能です。アバストをインストールすると、本体とは別にインストールされます。不要ならアンインストールしても問題ありません。
広告ブロックやトラッキング(追跡)の防止、入力内容の追跡防止や、ネットバンキングの保護モードなどがあります。
ネットバンキングの保護モードは、起動中に他のプログラムを実行出来なくすることで、情報を盗まれることを阻止するものです。画面がグレーアウトし、ブラウザのみが表示・実行できます。例えばメールを開きながら振込画面を入力するといった使い方は出来ません。
他のソフトを見てみる
アバスト・プレミアと比較したいソフト
カスペルスキー | ||
アバストと趣向が似ています。 動作の軽さではカスペルスキーの方が上、セキュリティ性能でもカスペルスキー。また操作画面の見やすさ・使いやすさでもカスペルスキーと散々ですが、他の人が使っていないセキュリティソフトを使ってみたい人にはアバストもおすすめです。 | ||
軽さ / 検出率 7点 / 99.99% |
価格 1台/1年 3980円 5台/1年 4980円 5台/3年12150円 無制限/3年14150円 |
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ユーザーの口コミ評価
2.5点 |
4.5点 |
2.5点 |
2.0点 |
公開:2017年11月29日 年代:40代 性別:男性 PC習熟度:上級者 | |||||||
4点 |
4点 |
4点 |
3点 |
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コメント | 2018年版からAvast SafeZone Browserが搭載されなくなったようですね。先日、AvastをインストールしていたPCの一台を初期化した後にAvastの再インストールを行ったらAvast SafeZone Browserが無くなっていました。 知っていたらPC初期化なんてしないで凌いだのに。日本では無料版Avastを使う方の方が多いでしょうが無料版の方はパターンファイルの更新間隔が1回/日のようです。これならちょっと無理しても有料版Avastを買った方が良いかな? | ||||||
公開:2017年9月11日 年代:60代以上 性別:男性 PC習熟度:中級者 | |||||||
1点 |
5点 |
1点 |
1点 |
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コメント |
AVASTの無料版が良かったので、有料版を買いましたが、メールソフトがブロックされて使えなくなりました。ソフトにパスを認識させてもブロツクは解除されません。サポートに質問すると、英語で返事が来ます。英語でしか対応してないようです。英文を考えるのも面倒だし、そのままにしてあります。 最近、3ユーザーまで使えますよ、というお知らせメールが来ました。「メールソフトをブロックしない方法を教えたら使ってやる」と言い返してやりたいのですが、英語しか受け付けないから思うだけです。結局今はフリー番を使っています。次に有料版を買うとしたら、日本語でサポートしてくれるところですね。無料版の方が有料版より使い勝手が良いなんてのは、珍しいでしょう。 | ||||||