System Mechanic Ultimate Defenseの評価レビュー

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System Mechanic Phoenix 360の管理画面

メンテナンス機能が中心

 アメリカのiolo technologiesが開発し、日本ではソースネクストが販売しているソフトです。

 セキュリティソフトというよりも、「メンテナンス機能」が中心のところにセキュリティ機能を加えたような内容です。価格に見合った価値はあるのか、セキュリティソフトとしての実力を9日間にわたる実機レビューで評価します。

軽さ ウイルス対策 通信保護 脆弱性対策 WEB保護 ネット銀行保護 PC盗難対策 ID/パス管理 保護者機能

6点
no data -
他のソフトと比べる → セキュリティソフトの比較

公式サイト(購入・無料体験版)


System Mechanic Phoenix 360の評価(総評)


セキュリティ性能


セキュリティ性能(安全性)は?  セキュリティ性能は低いと言わざるを得ない内容です。


 機能はどうしても「PCメンテナンス」に関するものが中心であるため、セキュリティ関連の機能が少ないです。セキュリティソフトとしての機能に関しては、無料ウイルス対策ソフト並です。


 また、肝心のアンチウイルスの性能についても、過去のテスト結果を見ると「低い」と言える結果を残しています。


 幸い、他のセキュリティソフトとの「併用」が可能とされているので、使うなら併用を前提とすることをおすすめします。というか、そもそもPhoenix360を「セキュリティソフト」として購入するのではなく、下位版(セキュリティ機能無し、メンテナンス機能のみ)のSystem Mechanicを買った方がよいと思います。


System Mechanic Phoenix 360のセキュリティ機能コンソール

セキュリティ機能のコンソール

動作の軽さ


評価方法
起動時間 WEBサイト
5ページ同時読込
アプリ起動
(Excel)
Phoenix360 36.84秒 6.73秒 1.731秒
ソフト無し 31.42秒 5.80秒 0.772秒
増減
+17.3% +16.0% +124%

動作の軽さは?  


 やや重いと感じる動作感でした。


 Core i5-6600のPCではさすがにフリーズは見られないものの、全体的に動作が「もっさり」としました。特に気になった点としては、計測数値にも現れていますがソフトの起動にやや時間が掛かるようになった点です。立ち上がるまでの時間が長くなりました。


「荒削り」な部分が否めない


 使ってみて、全体的に「荒削り」だなと感じました。


 例えばインストールする際に、「System Mechanic」を構成する複数のソフトを一つ一つインストールしていくのは面倒でした。インストールするにも時間が掛かりすぎます。途中で何度か止まってしまいました。


System Mechanic Phoenix 360のインストール画面

インストール画面 一つ一つ対応する必要がある

 また、ソフトの操作画面もメジャーなセキュリティソフトと比べると10年以上遅れているようなユーザビリティです。使いづらいです。
 例えばウイルススキャンをして問題が発見されても、「何が問題なのか」解説が無いため判断に困ります。PCに詳しくない人の使用はおすすめしません。


購入・価格一覧

台数無制限/期限無し 28944円 公式サイトで購入する

 最初にインストールした時点から1年以内に、台数無制限で自宅のPCにインストール可能です。インストールした後はそのPCが使えなくなるまで「期限無し」で使い続けられます。


以下、各機能の詳細な解説が続きます

各機能の詳細・評価


ウイルス・スパイウェア対策


AV-TEST
2018/3-4月
AV-Comparatives
Real-World Reference Real-World
2018/3
Malware Protect
2018/3
不参加 不参加
他のソフトと比べる → ウイルス検出率ランキング

 VB100の元データを見ると、確かに2015年12月実施のテストでVB100の認定を獲得しているものの、検出率は68.5%(既知ウイルス)・65.5%(未知ウイルス)と、例えばBitdefenderの96.8%・73.7%と比べてとても低いです。


System Mechanic Phoenix 360のウイルススキャン画面

ウイルススキャン画面

 また、続く2016年1月のテストでも49.6%・52.3%という結果で、例えばESETの83.1%・68.5%と比べてとても低いと言わざるを得ません。この回ではVB100の認定を獲得できず、以後VB100のテストに参加していません。


 したがって、ウイルス検出性能は低いと評価します。
 他のセキュリティソフトとの併用が可能とのことなので併用をおすすめします。


 機能的にも、「クイックスキャン(簡易スキャン)」機能が無いなど使い勝手が悪い部分が目立ちます。


System Mechanic Phoenix 360のファイアウォール設定画面

独自のファイアウォールは無い

プライバシー保護


 ネットサーフィン中の広告によるトラッキング(追跡)をブロックする機能です(「Privacy Guardian」)


 例えばネットでホテル予約を検索すると、その後に閲覧した関係無いサイトにもホテル予約サイトの広告が「追いかけてくる」ことがあると思います。そうした広告の追跡をブロックする機能です。


 残念ながら私のPCでは何度やり直してもインストールが上手くいかなかったため、詳細な解説は省略します。


パスワード・ID管理


 ウェブサービスにログインする際に使用するパスワードとIDを安全に管理するための機能です(「ByePass」)


 パスワードを暗号化した上で保存し、ログイン画面を開くと自動で入力する機能や、パスワードの強度を診断する機能があります。


 残念ながら私が何度試してもアクティベートできなかったため、詳細なレビューは省略します。エラーメッセージが出てしまいました。


System Mechanic Phoenix 360のエラーメッセージ

エラーメッセージも英語

PCメンテナンス


 このソフトのメイン機能です。


  • 不要なファイルの削除
  • レジストリの修復
  • インターネット接続の見直し
  • PCの状況を診断

 これらの機能があります。


 「最適化」を実行したところ体感的には若干軽くなったかな?という感じでしたが、数値計測ではブラウザ表示が7.18秒と0.45秒の悪化、アプリ起動が1.761秒と0.03秒悪化しました(最適化実行前の数値と比較) まあ誤差の範囲でしょうか。


System Mechanic Phoenix 360で最適化を実行中

最適化を実行中の画面

 問題点としては、最適化を実行したところFirefoxとChromeに保存してあったパスワードが全て消えました。ブラウザのオートコンプリートを消去した際に消えたようです。これには怒り心頭です。


データ復元・完全消去


 PCからデータを消去する際、「ゴミ箱」から消しただけではデータを復元できる場合があり、情報流出につながるリスクがあります。


 復元ソフトで復元できないように「完全消去」する機能と、また誤って消去してしまったものを「復元」する機能です。


 「復元」については、指定したドライブをワンクリックで一斉にスキャンし、復元可能なファイルを探し出して指定のフォルダに復元してくれます。時間にして1分程度(120GBのSSD)で完了します。
 わりと膨大な数(私の場合は65627)をリストで表示するため、その中から必要なものを見つけるのは大変です。検索機能があればよかったのですが・・ 7ヶ月前に削除した画像データも復元できました。


System Mechanic Phoenix 360のデータ復元機能()

復元可能なファイルを一覧で表示する

 データ消去については、米国国防総省が定める5220.22-Mという規格に適合した方法で完全削除を行うとしています。指定したドライブをまるごと削除する「DriveAccelerator」と、デスクトップに設置してゴミ箱のように個別ファイルを完全削除する「インシネレーター」があります。


System Mechanic Phoenix 360のワイプ機能(完全消去)

ドライブ「まるごと」だけでなく個別ファイルも削除可

公式サイト(購入・無料体験版)

他のソフトを見てみる


System Mechanic Phoenix 360と比較したいソフト


PC Matic
PC Matic

同じくメンテナンス機能に強い

 メンテナンス機能が充実したセキュリティソフトです。Phoenix 360と比べるとセキュリティ寄りで、セキュリティ性能もこちらの方が高いです。

 動作が軽いので、スペックが低いPCでも使えます。


評価レビュー Amazon



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