多くの金融機関が推奨 三菱東京UFJ、みずほ、三井住友信託銀行など多数の金融機関が使用を推奨し、無料で提供されているウイルス対策ソフトです。 常駐はしているものの、「ネットバンキング専用ウイルス対策ソフト」であるため、他のセキュリティソフトとの「併用」が推奨されている点は注意が必要です。そんなRapport(ラポート)を詳しく解説していきます。 |
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
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重い |
不明 |
目次
IBM Security Trusteer Rapportの評価(総評)
セキュリティ性能
性能試験に参加していないため、防御力については一切不明です。
ネットバンキング等の金融取引を狙ったウイルスに特化したウイルス対策ソフトであるため、市販のセキュリティソフトとの併用が前提となっています。単体で使用するものではない点は注意してください。
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 | |
---|---|---|
Rapport | 42.79秒 | 10.9秒 |
ソフト無し | 38.35秒 | 7.47秒 |
+11.6% | +46.0% |
とにかく重いです。
今回はRapport単体(本来は他ソフトとの併用が推奨)で使ってみましたが、多大なストレスを感じました。ネットサーフィンでページの表示が遅くなり、特に画像の多いページを開く時はとてもイライラさせられました。
この1年で試した20以上のセキュリティソフトの中ではワーストクラスの使用感と評価します。実際の使用感は計測した数値以上に悪いです。
また、ハードディスク内のフォルダーの名前を変更する際、毎回フリーズ(しかも1分25秒前後)するという不具合や、一部ウェブサイトの表示が出来なくなるなどの不具合も発生しました。再インストールし直したところ、いずれも解消しました。
広告表示は?
広告表示、会員登録などは必要ありません。
各金融機関のサイトから無料でダウンロードできます。
使う必要性はあるのか
金融機関が使用を推奨しているということで、Rapportを使わずに不正送金などの被害に遭ってしまったら、補償を受けられるのか不安に感じる人も多いでしょう。
全国銀行協会の発表によれば、不正送金被害の95%以上は銀行が被害を補償してくれています(参考) みんながみんな、Rapportを導入しているわけではありませんから、Rapportの使用の有無は補償の必要条件ではないと言えるでしょう。
セキュリティソフトの導入やOSのアップデートなど、社会的に常識とされる範囲でセキュリティ対策をしていれば、万が一被害に遭っても補償してもらえる可能性はあります。Rapportを使うとPCの動作が激重になる一方、効果は不明ですから無理して使う必要は無いでしょう。
法人の決済用端末など、金融犯罪の被害に遭うことが絶対に許されない場合はRapportでの対応をおすすめします(法人の場合、補償の要件が厳しいですし)
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
AV-TEST 2016/3-4月 |
AV-Comparatives | Virus Bulletin 2016/6月 | |||
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Real-World | Reference | Real-World 2016/6 |
File Detect 2016/3 |
既知ウイルス | 未知ウイルス |
不参加 | 不参加 | 不参加 |
金融取引をターゲットとしたウイルス・マルウェアを防ぐことを謳っています。性能の程は不明ですが、多くの金融機関が推奨しているわけですから、何らかのエビデンスは示されているのでしょう。
フィッシング詐欺対策
偽の金融機関の取引サイトなどに誘導して、ログイン情報を盗み出す被害などを防ぎます。
FirefoxやChromeなど、ブラウザの画面右端にRapportのアイコンが表示され、アクセスしているページの安全性を表示します。
アイコンをクリックすると、詳細な情報を確認できます。