中国製セキュリティソフト 中国のIT大手「奇虎360」のセキュリティソフトです。奇虎360は2016年にブラウザ大手のOperaを買収したことで一躍有名になりました。 セキュリティソフトとしては、検出性能に定評があるAviraとBitdefenderのアンチウイルスエンジンを採用しているのが特徴です。 無料版に加え、有料版の「Premium」の機能も詳しくレビューします。 |
軽さ | ウイルス対策 | 通信保護 | 脆弱性対策 | WEB保護 | ネット銀行保護 | PC盗難対策 | ID/パス管理 | 保護者機能 |
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7点 |
no data | 有料版には Firewall |
目次
360 Total Securityの評価(総評)
セキュリティ性能
性能試験には参加していませんが、検出性能に定評があるAviraとBitdefenderのアンチウイルスエンジンを採用しており、セキュリティソフトとしてベーシックな性能は高いです。
更に、脆弱性対策機能なども充実しており、トータルで見て高いセキュリティ性能であるという評価になります。
ただし、世界的に安全保障上の懸念から閉め出されつつある「中国製」である点は留意すべきでしょう。他のセキュリティソフトと同様に、360 Total SecurityはアクセスしたURLの履歴などのデータをセキュリティ対策目的で収集しています(プライバシーポリシーに明記)
動作の軽さ
起動時間 | WEBサイト 5ページ同時読込 |
アプリ起動 (Excel) | |
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360 | 33.20秒 | 6.36秒 | 1.076秒 |
ソフト無し | 30.21秒 | 5.61秒 | 0.588秒 |
9.9% | 13.4% | 83.0% |
今回はAviraとBitdefenderのエンジンを有効にした状態で、5日間使用した上でテストしました。
ブラウザ(主にFirefox)の動作感は悪くなかったため、全体的な印象としては「重くはない」という感想を持ちました。快適に使えると言ってもよい使用感です。
ただし、数値にも現れているように特にアプリケーションの起動にやや時間が掛かるようになった、というのは実感としてありました。その点を含めて評価すると「サクサク」動くという評価ではないです。複数エンジンの弊害でしょう。
広告表示は?
利用にあたって会員登録は不要、使用中の広告表示も多くはありません(起動直後に表示される)
ただ、広告以外のポップアップがやや多くて煩わしい印象を持ちました。
有料版の「Premium」では広告表示はありません。
各機能の詳細・評価
ウイルス・スパイウェア対策
AV-TEST 2018/3-4月 |
AV-Comparatives | ||
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Real-World | Reference | Real-World 2018/3 |
Malware Protect 2018/3 |
不参加 | 不参加 |
残念ながら2017年頃を最後に、ウイルス検出率のテストに参加しなくなりました。以前参加していた頃の成績としては、例えばAV-TEST(16年3-4月)では100%など、トップクラスの成績でした。
検出性能に定評があるAviraとBitdefenderのアンチウイルスエンジンを採用しているので、トップクラスの検出性能が期待できるでしょう。
ただし、初期設定状態ではAvira・Bitdefenderのエンジンは無効となっているので、インストール後に自分で有効にする必要があります。これら2つが無効だと検出性能は期待できません(360独自のエンジンのみ)
左メニューから「ウイルススキャン」を選び、下部に表示される「B」と「傘」のアイコンをクリックしてください。
ファイアウォール(有料版機能)
有料版の360 Total Security Premiumのみの機能です。無料版にはありません。
一般的なセキュリティソフトにある「パーソナルファイアウォール」には無い機能がいくつかあります。 例えばアプリケーションごとに通信速度(上り・下り)に制限を掛けたり、通信量の合計を確認することもできます。
ファイアウォールとしては特に面倒な設定は必要なく使うことができますが、色々と操作して設定することも可能です。
脆弱性対策
様々な攻撃の足掛かりにされる「脆弱性」への対策機能です。ウイルス対策と並んで非常に重要なセキュリティ対策です。
しばしば脆弱性をつぶすために提供されるソフトウェアのアップデートですが、それらをしっかりと適用出来ているユーザーはあまり多くありません。360Total Securityを使うことで、そうしたソフトウェアのアップデート漏れを検知し、ワンクリックで対策(アップデート適用)できます。
対応できる範囲はWindowsとOffice、Adobe社製品、Javaと狭いものの、こうした機能が無いセキュリティソフトも多いので「あるだけマシ」です。
なお、有料版の360Total Security Premiumでは、更に各種ドライバーのアップデートも可能です。セキュリティソフトでここまで対応できるのは珍しいです。
サンドボックス
ソフトウェアを仮想環境で実行することで、PCに何らかの被害が及ぶのを防ぐことが出来る機能です。簡単に言うと、この機能を実行してソフトを使えば、パソコンがウイルスに感染したりすることは無いよ、というものです。
安心できないソフトを起動する時などに役立つ機能です。
WiFiスキャン
接続しているWiFiの安全性を診断する機能です。
設定されているパスワードの強度や、DNSのセキュリティを診断します。 DNSというのは、「URL」を利用してサイトにアクセスできる仕組みを支えているシステムで、これに問題があると正規のURLにアクセスしても偽サイトが表示されるなど恐ろしい事態が起こります。
PC最適化
- 不要なファイルのクリーンアップ
- 不要なプラグインの検出
- スタートアップ起動プログラムの整理
これらをワンクリックで実行、ワンクリックで対処できます。
また、有料版の360 Total Security Premiumでは、不要とみられるファイルの検出機能や、ブラウザのトラッキングやクッキーを検出・削除できる「プライバシークリーナー」などもあります。
有料版機能については、私の環境では無闇に使うと必要なデータまで消されてしまうような感じだったので、注意してください。
ダウンロード・購入
無料版には低機能な「Essential」もありますが、セキュリティソフトとしては「360 Total Security」の方をおすすめします。
有料版の価格は以下のとおり。
30日間の返金保証があります。購入時、ライセンスの「自動更新」が有効になっているので、カートの画面でチェックを外すことをおすすめします。
1台/1年 1349円 1台/3年 2639円 3台/1年 1799円 3台/3年 3499円 |
インストール時の注意点
360 Total Securityをインストールする際に、気をつけないと他の「余計な」ソフトを一緒にインストールさせられます。
今回は有料版をインストールしましたが、Operaをインストールさせられそうになりました。過去にはいくつものソフトをインストールするよう促されたこともあります。
30日間返金保証について
有料版は購入から30日以内に限り、購入代金の返金に応じてくれます。
サポートにメールを送ると返金されます。方法は英語版のヘルプページに記載があります。実際に返金を受けられた、というご意見を当サイトのユーザー様から頂戴いたしました(情報提供ありがとうございます)
日本語によるサポートが弱いようなので、その点はご注意ください。