中国メーカーのロボット掃除機のセキュリティリスクを解説
昨今、注目を集めている中国メーカー製の通信機器のリスク。実は家庭用のロボット掃除機にも注意すべき点があります。中国メーカー製のロボット掃除機にはどのようなリスクがあるのか、具体例を示しながら解説します。
目次
なぜ中国メーカー製が「危険」なのか

中国メーカー製にはなぜリスクがあると言われているのか、まずはその前提条件を解説します。
中国には「国家情報法」という法律があります。国家の安全保障や利益を守る目的でつくられた法律ですが、この法律の存在が中国メーカー製の通信機器が排除される流れを生んだ主な要因となっています。
国家情報法は中国国内の個人や企業に対し、政府の情報活動に協力する義務を課しています。このことが、懸念を生んでいます。
例えば、中国に有益な米国の技術情報を入手できる在米中国人エンジニアが、中国の情報機関にスパイ行為を働くよう指示されれば拒めない。中国企業も同様だ。(中略)
中国政府は否定するが、米国防関係者は中国製通信機器に「バックドア(裏口)」が仕込まれ、そこを経由して米国製の機微な軍事技術が中国に吸い取られているとみている。引用元:中国「国家情報法」米に衝撃 ファーウェイと取引停止(日本経済新聞)
日本や米国、あるいは欧州や韓国にはこのような法律は無く、中国メーカー製固有のセキュリティリスクとして問題視されており、米国や欧州では中国メーカー製の製品を政府やインフラ企業の調達から外す動きが2010年代から強まっています。
中国メーカー製ロボット掃除機の具体的リスク
では、中国メーカー製のロボット掃除機には具体例にどのようなリスクがあるのか。起こり得る事例を示しながら解説します。
音声を盗聴 マイク無しでもリスク
家庭内での会話を盗聴され、中国政府に収集されるリスクがあります。
マイクが付いていないロボット掃除機も例外ではありません。多くのロボット掃除機にはスピーカーが付いています。スピーカーは原理上、マイクとして使うことが出来ます。イヤフォンをお持ちの方は、ぜひそのイヤフォンをパソコンのマイク用のジャックに挿してみてください。そのイヤフォンに向かって声を出すと、パソコンにあなたの声を記録することができます(マイクと比べて音声は不明瞭になる)
昨今はAI技術も発展しているので、このようにして日本の家庭から大規模に収集した「生の声」を諜報活動に役立てたり、あるいは重要な機密を盗み出すことも可能です。
部屋の状況を盗撮
上位機種のロボット掃除機にはカメラ機能が付いています。このカメラ機能を利用することで、家族構成や在室状況、生活パターンなどあらゆる情報を収集される恐れがあります。
部屋の間取りを記録
中上位機種のロボット掃除機にはマッピング機能といって、部屋の間取りを記録し掃除を効率よく進める機能があります。この機能で記録した情報を収集し、ロボット掃除機の操作アプリから収集した位置情報と組み合わせることで家庭状況を把握される恐れがあります。
特に、有事の際に中国の軍隊が上陸する恐れのある地域では最大限に警戒すべきです。
サイバー犯罪の踏み台にされる
日本国内にある通信機器を海外から遠隔操作することで、日本国内のサイバー攻撃に悪用する事例が相次いでいます。
2025年に話題になった、証券口座への不正ログイン問題では中国メーカー製のテレビ関係の機器にセキュリティ上の欠陥があり、その欠陥を悪用して日本国内の機器が「踏み台」となり多数の被害が発生したことが報じられています。
証券会社の顧客口座が乗っ取られた事件で、口座への不正アクセスに一般家庭のテレビ用受信機が悪用された疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。サイバー犯罪集団のアクセスを経由する「踏み台」となった可能性がある。
引用元:証券口座乗っ取り、家庭のテレビ受信機「STB」経由か 警察が回収(日本経済新聞)
このような事例は必ずしも中国の「国家情報法」とは関係が無く、中国の民間の犯罪組織による犯行とされています。ですが有事の際は中国政府が同じ手口で日本国内にサイバー攻撃を仕掛け、日本国内を混乱に陥れるリスクがあります。
例えばロボット掃除機を遠隔操作し、沖縄県のウェブサイトに大量のアクセスを送りつけることでサーバーをダウンさせるといった使い方が想定されます。国内からのアクセスを遮断することは容易ではありません。サーバーがダウンしている隙に侵攻すれば、避難情報の提供もままならぬ状況が生まれます。
国内メーカーのロボット掃除機は?
現在、家電量販店やネット通販では中国メーカーあるいは中国資本のロボット掃除機が席巻している状況です。ですが日本メーカーもロボット掃除機を手掛けています。
- パナソニック RULO
- 日立 minimaru
家具店や家電量販店のプライベートブランド製品の多くは中国メーカー製なので、注意が必要です。
このほか、ダイソン(イギリス)やエレクトロラックス(スウェーデン)のロボット掃除機も日本で販売されています。
セキュリティソフトの比較表
中国製の電子機器はなぜ危険と言われているのか



