個人情報で金儲けをする無料セキュリティソフト

無料の裏には罠が?


 少なくないユーザーが活用している「無料セキュリティソフト」 しかし、その中にはユーザーから得た個人情報を外部に販売していると指摘されているものもあります。これまでの具体的な事例や、背景にある事情を解説します。






これまでに起きた「事案」


 まずはこれまでに指摘されている具体的な事案を紹介します。


アバストの事例


アバスト

疑惑が取り沙汰されるアバスト

 2020年1月に米国メディアなどが報じたところによると、無料セキュリティソフトで世界最大手のアバストが、無料アンチウイルスソフトのユーザーから取得したデータをマーケティング情報として外部に販売していたのではないか、という疑惑が持ち上がっています。


 ユーザーから取得した、検索ワードやAmazonの購買履歴などの情報を匿名加工した上で、同社傘下のeコマース市場調査会社を通じてGoogleやMicrosoft、ペプシや住宅サービス会社などに販売していたのではないかと指摘されています。


 同社は2019年末にもブラウザーの拡張機能を利用してユーザーの行動履歴を不必要に幅広く監視していたとの指摘があり、Firefoxの公式アドオンサイトからアバスト社のプログラムが一時削除されていました。


Hotspot VPNの事例


Hotspot VPN

Hotspot Sheild

 セキュリティソフトではなく、WiFi通信時の安全性を高めるVPNソフトとして有名な「Hotspot」が2017年に起こした問題です。


 VPNは中東の民主化運動「アラブの春」で政府の通信検閲をかいくぐるため、通信を秘匿する目的で利用されることがあります。ですがHotspotの無料版では、端末固有のMACアドレスなどの情報を広告配信ネットワークに販売していたと指摘されています。


 Hotspotを含め多くのVPNでは、こうしたログなどは取得しないというポリシーが示されていますが、Hotspotはそれを裏切るような行為をしていたということで、世界中から批判が集まりました。


苦境に立たされている「無料」モデル


 なぜ、セキュリティ大手はユーザーの信頼を裏切るような行為をしてしまうのか、その背景にある事情を解説します。


Windows Defenderの性能向上


Windows Defender

Windows Defender

 Windowsには標準でアンチウイルス機能「Windows Defender」がそなわっています。かつては検出性能が著しく低く、最低限のセキュリティ対策にならないという状況が長く続いていましたが、近年はウイルス検出テストでセキュリティソフトと同等の成績を残すまでに成長しました。


 無料セキュリティソフトは有料版の試供品という意味合いがあるため、機能が限定されています。アンチウイルス機能のみというのが一般的であり、機能面ではWindows Defenderと同等です。


 性能でも機能でもWindows Defenderと同等であるならば、わざわざユーザーが無料セキュリティソフトをインストールする必要はありません。実際、ある無料セキュリティソフトを提供している会社の日本法人の社長と話した際にWindows Defenderの性能向上を「脅威に感じている」という話が聞かれたこともあります。


 これまでのビジネスモデルが苦戦を強いられる中、「悪の道」へと走る企業が出てきてきていると言える面があるのではないでしょうか。


個人ユーザーのPC離れ


 また、個人ユーザーの「PC離れ」という問題もあります。PCではなくスマホを使う時間が長くなった人も少なくないでしょう。


 スマホは特にiPhoneであれば「セキュリティソフト」(ウイルス検出機能があるもの)は存在しませんし、Androidについてはセキュリティアプリが存在しますが、PC用と比較して「有料版」を選ぶユーザーの割合は明らかに低く、セキュリティ企業にとってPC離れは収益を損ねるリスクとなっています。


無料セキュリティソフトはもう必要無い


 Windows Defenderの性能が向上した今、もはや無料セキュリティソフトをPCにインストールする必要性は皆無と言ってよいでしょう。


 セキュリティソフトがセキュリティリスクとなっている状況をふまえても、無料セキュリティソフトはもう必要無いと断言できます。今すぐアンインストールしてください。




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