フレッツ・ウイルスクリアの解説
NTT東日本が回線のオプションという形で提供している「フレッツ・ウイルスクリア」を詳しく解説します。中身はウイルスバスターとほぼ一緒ですが、選ぶ意味はあるのでしょうか。実際に使ってみた上でメリット・デメリットを解き明かしていきます!
目次
フレッツ・ウイルスクリアとは
フレッツ・ウイルスクリアはセキュリティソフトとして国内シェア1位をほこる「ウイルスバスター」のOEM版です。店舗やネットで購入できるウイルスバスターの「姉妹品」という位置づけで、月額制の料金をフレッツの回線料金と一緒に支払うことで利用できるサービスです。
ウイルスバスターとの違い
機能的には「ウイルスバスターとほぼ同じ」というのがNTTコールセンターの回答で、実際中身を見てみると違いを見つけるのは難しいです。ウイルス検出などセキュリティ対策の部分についても、「ウイルスバスターと一緒」とのことです。
では、違いが全くないのかと言うとそうでもありません。
主要な機能として、ウイルスバスターにはブラウザにツールバーを追加することで、サイトの安全性を表示する機能があります。検索エンジンの検索結果や、Twitterのタイムラインにあるリンクの一つ一つの安全性を判定して知らせてくれます。
この機能は、ウイルスバスターではFirefoxやChrome、Microsoft Edgeでも利用出来るのですが、フレッツ・ウイルスクリアではInternet Explorerのみの対応となっています。したがって、フレッツ・ウイルスクリアでは普段使っているブラウザで本機能を使えない可能性が高くなります。
詳しい機能の解説や性能評価については、ウイルスバスターの評価レビューをご覧ください。
インストール方法
インストール・利用開始手続きはとても簡単です。
まずフレッツのサイトから「申込・設定ツール」をダウンロードしてください。このソフトを実行し、フレッツの接続情報(回線契約時にもらった紙に書いてあります)を入力し、そのまま進んでいくと契約・インストールが完了します。とても簡単です。
解約するには 注意点アリ
解約する時は注意が必要です。
NTTのコールセンターにも念押しされましたが、フレッツ・ウイルスクリアをアンインストールするだけでは契約解除となりません。使用を停止する際は必ず、「0120-116-116」に連絡してください。年中無休 9:00〜21:00まで受け付けています。
なお、使用料金は「日割り」になるとのことです。したがって、月額400円ですが仮に1日で解約すれば20円未満で済みます。私も実際、4日だけ契約して解約しました。無料体験版がありませんが、もし使ってみて相性が悪かった場合はすぐに解約することができます。
余談になりますが、8月14日付で解約手続きをしたのですが、二日後の16日夜まで何事もなく使えました。本当に解約できたのか不安になりましたが、「無効になりました」という警告が表示されて終了となりました。
メリットは?
では、ウイルスバスターではなくフレッツ・ウイルスクリアを選ぶ意味はあるのでしょうか。メリットを解説します。
更新忘れが無い
自分で購入するウイルスバスターは、1年〜3年ごとに「利用期限」が来るため、その都度ライセンスの更新が必要となります。期限が切れる前に警告画面などで知らせてくれるものの、更新を忘れる人も少なからずいるようです。
期限が切れたセキュリティソフトは、ウイルスを検知するのに使う「定義ファイル」の更新が行われないため、日に日にウイルス検出力が低下します。セキュリティ対策になりません。危険です。
フレッツ・ウイルスクリアは回線と一緒に料金を支払うため、基本的に期限切れによる停止がありません。更新忘れを防ぐことができます。
デメリットは?
ウイルスバスターと比較してフレッツ・ウイルスクリアが劣っている点を紹介します。
1年以上使うなら損
フレッツ・ウイルスクリア | ウイルスバスター | |
---|---|---|
1年間 | 5184円 | 5380円 |
2年間 | 10368円 | 9680円 |
3年間 | 15552円 | 12780円 |
月額432円(税込み)という価格で、3台のPC(Windows)にインストールできます
同じく3台まで利用できるウイルスバスター(公式サイトのダウンロード版)の価格と比較すると、1年だけの使用ならフレッツの方がお得ですが、2年以上使う場合はウイルスバスターのダウンロード版の方がお得です。ダウンロード版の2年版や3年版がお得な価格設定になっているのが原因です。
他回線接続時に使用できない
「フレッツ・ウイルスクリアv6」の場合、フレッツの回線に接続している時にのみ、ソフトの更新を実行できます。
その逆を言うと、ノートPCにフレッツ・ウイルスクリアをインストールして自宅外に持ち出し、カフェのWiFiなどに接続しても更新が行われない、というわけです(ソフト自体は有効)
更新というのはウイルス検知に必要な「定義ファイル」の更新も含まれています。外出先では定義ファイルを最新の状態に保つことが出来ないため、セキュリティ対策としてやや難があります。
自宅でしか使わない、外出先でネットに接続しないというのであれば特に問題にはならないでしょう。
サポート体制が劣る
電話のサポート時間は、ウイルスバスターよりも長いです。その点ではサポートが充実していると言えます。
しかし、フレッツ・ウイルスクリアのサポートは電話とメールのみ。LINEやチャットでのサポートにも対応しているウイルスバスターと比べると、サポートのチャンネルが少ないです。
フレッツ・ウイルスクリア | ウイルスバスター | |
---|---|---|
電話 | 平日9〜21時 土日祝9〜17時 |
毎日9:30〜17:30 |
メール | 対応 | 対応 |
チャット | 対応 | |
LINE | 対応 |
また、これはあくまでも一般論ですが、開発元の会社のほうが技術的な事情に詳しいため、サポートがスムーズです。
Windowsでしか利用できない
製品版・ダウンロード版のウイルスバスターは、WindowsだけでなくMacやAndroid、iOSでも使えます。組み合わせは自由で、1つのライセンスで3台まで利用できます。
一方、フレッツ・ウイルスクリアはWindowsのみの対応。スマホで使えないというのは、正直今の時代に適合していないです。