ネットワークセキュリティに役立つセキュリティルーターの解説・製品比較

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セキュリティルーターとは


 セキュリティルーターとは、その名の通り「セキュリティ強化を狙ったルーター」です。
 ルーターとしての機能に加え、通信内容をスキャンすることで不正侵入やウイルス感染の被害を防いだり、子供が有害なサイトにアクセスするのを阻止することが出来ます。


 2016年には既にいくつかの製品が発売、もしくは発表されており今後注目が集まること間違い無しのジャンルです。


なぜセキュリティルーターが必要なのか


スマート家電の増加で必要性が増すセキュリティルーター  パソコンやスマホではセキュリティソフトなどによるセキュリティ対策が行われてきました。更にお金や手間を掛けてまで対策する必要は無いのではないか、と考える人も少なくないでしょう。


 家庭内でネットと繋がる機器がPCやスマホだけなら、セキュリティルーターを使う必要性は高いとは言えません。しかし、今後は家庭内のあらゆる機器がネットに接続し「スマート家電」へと変化していくことが予想されます。ホームアシスタントスマートロックのような新しい家電だけでなく、従来から広く普及していたエアコンやテレビ、冷蔵庫などもネット接続が「当たり前」になっていきます。


 ですが、そうしたスマート家電の多くは、セキュリティ対策が充分ではありません。既にスマートテレビがランサムウェアに感染した、といった被害も報告されています。


 これから増大していく「ネットに繋がる機器」を保護する役割が、セキュリティルーターに期待されています。


セキュリティルーターを使うメリット


 通常のルーターには無い利点があります。


対策が手薄な機器を安全に使える


 冒頭でも紹介した通り、多くのスマート家電はセキュリティ対策が充分ではありません。唯一の対策と言えるのは、メーカー側が実施するシステムアップデートくらいでしょうか。


 セキュリティルーターを使えば、家庭のインターネットの「入り口」でそうしたスマート家電を保護することが出来ます。個別のスマート家電ではセキュリティソフトが使えないので、これが唯一の対策となるでしょう。


セキュリティ対策が出来ない機器の対策が出来る


まとめて保護出来る


 スマート家電化が進んでいくと、家庭でネットに接続している機器は1台や2台では済まなくなります。セキュリティルーターを使えば、家庭内の何台もの機器をまとめて保護することが出来るため、手間が掛かりません。


更なる安全性の強化になる


 PCやスマホなど、従来からセキュリティソフトなどによる対策が取られていた機器についても、セキュリティルーターの恩恵を受けることができます。セキュリティルーターを使えばPCのセキュリティソフトが不要になるわけではありませんが、併用することで更に安全性を強化することが可能です。


セキュリティルーターの欠点・デメリット


 欠点もあります。


費用が掛かる


 セキュリティルーターは従来のルーターよりも高価であるため、導入費用が高く付きます。既に発売された製品や、今後発売が予定されている製品はいずれも「2万円以上」という価格です。通常のルーターの倍以上の価格です。


 また、1年ごとの更新料が必要な場合もあります。例えばウイルスバスター for Home Networkは1年ごとに6480円の更新料が必要です。


セキュリティルーターは導入費用などのお金が高い


導入が少し面倒


 家庭でお使いのルーター(無線LANルーターなど)を交換するため、接続を最初からやり直す必要があります(その必要の無い機種もある)
 有線で接続している場合は線を繋ぎなおしたり、あるいは無線で接続している場合も1台1台パスワードの入力をやり直す必要が出てきます。


通信速度が遅くなることも


 セキュリティルーターはやり取りしている通信を全て検査しているため、通信速度の低下が見られる場合があります。私が実際に計測した中では、通信速度が3割ほど低下した例もあります。ネットサーフィンや動画鑑賞では速度低下を実感することはありませんでしたが、大容量のデータをダウンロードする時などに、影響を感じてしまうかもしれません。


セキュリティルーターの一覧・比較


 既に発売、もしくは詳細が発表されている製品を紹介します。


ウイルスバスター for Home Network


ウイルスバスター for Home Network


 2016年12月に発売されました。ウイルスバスターのテクノロジーを使って、やり取りされるパケットを監視し、不正侵入やウイルス感染などの被害を防ぎます。


 本製品自体にルーター機能は無く、利用中のルーターの空きポートにLANケーブルで接続するだけで使えます。お手軽です。


ノートン・コア


ノートンコア


 米国向けに2017年夏に発売され、日本でも今後発売予定(メーカー談)とのことです。
 ウイルスバスターとは異なり、ノートンコア自体にルーター機能(11ac無線LAN対応)があります。不正侵入やウイルス感染の防止、有害サイトのフィルタリングなどに加え、家に来たゲストの接続を管理する機能などがあり、ウイルスバスターよりも高機能です。


Bitdefender Box


Bitdefender Box


 検出性能に定評があるアンチウイルスエンジンを開発している、ルーマニアのBitdefender社のセキュリティルーターです。Bitdefenderは日本での知名度は低いですが、ソースネクストが販売しているZEROスーパーセキュリティの開発元でもあります。


 Bitdefender Boxはノートンコアなどと同様に、家庭内のネットワークに接続する「あらゆる」機器を攻撃から守ります。また、WindowsやAndroid端末で使えるセキュリティソフトも付属するので、一気通貫のセキュリティ対策が可能です。


 欠点を挙げるとすれば、まずは価格が高いこと。本体価格は14800円で、更に年間9800円(いずれも税別)の更新料が掛かります。セキュリティソフトを購入するよりもかなり割高です。


 また、ノートンコアと同様に無線LAN機能を搭載していますが、Bitdefender Boxは11ac(5.0GHz帯)には対応していません。


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McAfee Secure Home Platform


 インテルに買収された大手セキュリティ企業、マカフィーのセキュリティルーターのブランドです。


 日本国内向けにも提供を検討しているとのことです。


Avast Smart Home Security


 Windows用セキュリティソフトで世界シェア1位のavast社が投入を計画しているセキュリティルーターです。いまのところ詳細は明らかになっていないほか、アバストは日本法人が弱いため日本市場への投入も不明です。2018年中に発売予定。




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