故障したPCの処分にこそ注意が必要
PCが壊れて使えなくなったからといって、中のデータまで消えたとは限りません。個人情報の塊であるPCを安全に処分する方法を紹介します。
目次
壊れた=データも消えた という勘違い
まずは実例を交えながら、危険性を指摘していきます。
流出事例 生徒会室で出回る教師のラブレター
これは私が高校時代に経験した実例です。
生徒会の後輩に一人、自作PCを組み立ててヤフオクなどで販売している者がいました。教師たちの間でも彼は「PCに詳しい」と有名で、教師からPCを預かって修理するなどしていました。
そんな彼に、ある教師が壊れて動かなくなったノートPCの修理を依頼しました。しかし何を思ったか、彼はそのPCに保存されていたメールのデータを盗み見て、教師が恋人に宛てた「ラブレター」を印刷し、生徒会室で他の生徒に回覧するというありえない行動を取りました。
この事例はPCの「処分」ではなく「修理」の過程で起きた話ですが、壊れて起動しなくなったからといって中のデータまで消えたわけではない、ということを分かりやすく示してくれるエピソードとして紹介します。
ゴミ箱から消去しても復元できる場合も
本題からは少し話が逸れますが、普段データを消す際は一旦ゴミ箱に消したいデータを移動し、ゴミ箱を「空」にすることで消去している人がほとんどだと思います。
実はこうやって「削除」したデータも、専用の復元ソフトを使うことで復元できるケースが多々あります。
「中古PC」に復元ソフトで復元処理を掛けることで、7割のデータを復元できたという話もあります。
2002年に放送されたNHK「クローズアップ現代 あなたのデータが流出する〜パソコン リサイクルの落とし穴〜」の取材に協力しました。実際に秋葉原で購入したPCやHDDのデータの復元処理をテレビカメラの前で行い、約7割のデータを復元できたのです。
引用元:忘れたデータが山盛り――中古PCからの情報漏えい(ITmedia)
流出して困るデータは「完全消去ソフト」を使って削除しましょう。
PCの安全な処分方法は?
では、壊れたPCはどうやって処分すればいいのでしょうか。安全な処分方法を考えてみましょう。
信頼できる業者に処分を依頼する
最も手軽なのは、信頼できる業者を探して処分を委託することです。
ただし、どの業者が本当に適切な処理をしてくれているのか、利用者側からは全く見えないので見極めは非常に難しいです。
大手家電量販店やPCメーカーが廃棄サービスを提供してくれたら、良いビジネスになるのになあと思います。
分解してHDDを破壊する
やや上級者向けになりますが、PC本体を分解してデータが保存されているハードディスクを取り外すのがおすすめです。
デスクトップPCであれば取り外しはそれほど難しくはありません。が、ノートPCの場合は機種によっては難しい場合もあるでしょう。例えばMacbookでは特殊なドライバーが無いと中を見ることすらできないようです。
取り外したハードディスクはそのまま手元で永久保存するか、あるいは更に中を分解して、中に入っている円盤状のディスクを破壊しましょう。分解には特殊なドライバーが必要です。
ちなみに、ビックカメラ傘下の大手PC販売店ソフマップでは、客の目の前でハードディスクを物理的に粉々にしてくれるサービスを提供しています。税抜き930円、PC本体からハードディスクを取り外す場合は更に480円掛かりますが、これ以上安心なサービスは無いです。
壊したハードディスクやPCの引取も行ってくれるそうです。 詳細→ HDD破壊サービス(ソフマップ)