日本人のネットセキュリティへの課題
米国のセキュリティ大手シマンテックが2月14日に発表した世界規模の調査では、日本人のネットセキュリティへの意識の高さが裏付けられました。しかし一方で課題も浮き彫りに。詳しく解説していきます。
目次
シマンテックの調査
2018年2月14日、米国のセキュリティ大手シマンテック社が世界20カ国の21549人を対象にした調査結果「ノートン サイバーセキュリティ インサイト レポート2017」を発表しました。
シマンテック本社からほど近くにある六本木のANAインターコンチネンタルホテル東京で行われた記者発表会にはモデルの内田理央さんも出席し、多くの報道陣が詰めかけていました。
日本人のセキュリティ意識が高いと言える理由
今回発表されたレポートでは、日本人のネットセキュリティへの意識が裏付けられる結果となりました。その根拠を詳しく見ていきます。
パスワードの共有率が世界一低い
「パスワードを他の人と共有していますか」という問に対して「はい」と答えた人の割合は世界平均で49%だったのに対し、日本は33%と調査対象国の中で最も低い割合でした。
ネット犯罪被害率も世界一低い
ネット犯罪の被害に遭ったか尋ねる問に対しては、日本では18%が被害に遭っていると回答。5.5人に一人が被害に遭っていると回答しているものの、この率は今回の調査対象国の中で最も低い割合です。
今後の課題は?
ネットセキュリティへの意識は高いものの、課題も浮き彫りとなりました。
「ノーガード」のユーザーが21%いる
日本では21%の人がPC、スマホなどの機器のセキュリティ設定を「全くしていない」と回答しています。つまり5人に1人は「ノーガード」でこうした機器を使っているということになります。
セキュリティ意識が高いユーザーが多い反面、まだまだセキュリティ意識が充分でないユーザーもいるということが言えるでしょう。
パスワード管理に課題
パスワードの共有は他の国と比べると低いものの、3人に1人が使い回しをしているという現状があります。また、同じ調査では日本のユーザーの20%がネットバンキングのパスワードも共有していると回答しており、意識改革が必要です。
詐欺メールには引き続き要警戒
ネットセキュリティの被害に遭った人の内、詐欺メールを受け取ったと回答した人の割合は世界平均が29%に対し、日本は45%と高くなっています。この結果から、日本では詐欺メールが蔓延していると推測することが出来るでしょう。
記者発表会に登場した内田理央さんも「タレントさんの名前を騙った詐欺メールのようなものを受け取ったことがある」と発言し会場を驚かせていましたが、詐欺メールへの警戒・対策は今後も更に重要性が増していくでしょう。