セキュリティソフトは暴走することがある。
これまでに様々なセキュリティソフトを試してきた私ですが、過去に2回偶然にも(不運にも)セキュリティソフトの「暴走」ともいえる事態に遭遇した経験があります。その時の体験談とあわせて、対処方法を紹介します。
目次
ウイルスバスター暴走事件 2005年
2005年に全国規模で発生したセキュリティソフトの暴走事件です。
PCが使用不能に
2005年4月、家族の共有PCにウイルスバスターをインストールして使っていたのですが、ある日突然正常に起動しなくなりました。
電源スイッチをいれても、冷却ファンがこれまで聞いたこともなかったような音を立てて「高速回転」し、PCが起動しません。
ウイルスバスターの定義ファイルの欠陥により、この定義ファイルを適用したPCのCPU使用率が100%になるという不具合が発生し、全国規模で被害が発生しました。朝日新聞社や日本経済新聞社などで新聞の制作に影響が出たり、JR東日本でも障害が発生し混乱が広がった事件として知られています。
復旧作業はどうした?
当時の記録によれば、対策ツールが入ったCD-ROMを家電量販店などで配布し、それを使って復旧を行いました。また、スタッフを企業や個人ユーザーのもとに派遣するサービスも行ったようです。
わが家では復旧作業は父が行いましたが、サポートセンターも混雑のため電話が繋がらず、数日間PCが使えませんでした。
avast春の誤検知祭り 2017年
私がテストのためアバストを使用していた際に偶然遭遇した出来事です。
鳴り止まないウイルス検知アラート
2017年2月、アバストをインストールしたPCを起動すると、起動してしばらく経ってから「ウイルスを検知した」というアラートが表示されました。
しばらく経つと、また再び同じアラートが表示され、その後数十秒ごとに「検知した」というアラートが表示され続けました。
PCがおかしくなったのかと思いパニックになりかけましたが、Twitterを検索すると同じような症状を報告している方が何人もいたので、アバストの誤作動だと分かりました。
その日の夜には正常な定義ファイルに更新され、収束したと記憶しています。
暴走した時の対処方法
セキュリティソフトが誤作動で暴走してしまった場合の対処方法を紹介します。
まずはサポートに連絡を
有料のセキュリティソフトの場合、問題が発生した際にサポートセンターに問い合わせることで解決策を示してくれます。
ただし、ウイルスバスターの事件のときのように影響が広範囲に及ぶ場合には、連絡が付かなくなることも予想されます。その場合はスマホなどでセキュリティソフト会社のTwitterや公式サイトを確認しましょう。
セーフモードでアンインストール
PCに不具合が起きた場合には、PCを「セーフモード」と呼ばれる方法で起動することで対処します(ウイルスバスターのケースもそうだった)
PCの電源をいれた直後のOSが起動するまでの間に、電源ボタンで電源を落とすことを「2回」繰り返します。すると青い画面が表示されるので、「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」と手順を踏むとPCが再起動します。
その後、画面に「セーフモードを有効にする」という項目が現れるので、キーボードの数字キーを押せばセーフモードになります。
セーフモードが立ち上がった後は、コントロールパネルを開いてセキュリティソフトをアンインストールしましょう。そうすれば復旧するはずです。メーカーが対処した後に再インストールしてください。
「もしも」にそなえてバックアップを
場合によってはセキュリティソフトの暴走により、PCが使用不能になったり、あるいはデータが消失してしまう可能性もゼロではありません。
また、ウイルス感染によりデータが消失したり、PC自体が故障してしまうリスクもあります。日頃から重要データのバックアップは欠かさないようにしましょう。
ちなみに私は、ZEROスーパーセキュリティの「削除ツール」(完全アンインストール用に使う)を使用した際に、なぜかデスクトップに保存していたデータが全て消失するという事件に遭遇したことがあります。確定申告用のデータなども消え、一から作り直すハメになりました・・