- 2016年9月7日更新
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MicrosoftがWindowsスマホを諦めた?
MicrosoftがWindows Phone(Windows 10 Mobile)の普及を諦めた、という見方が世界中で拡がっています。その根拠は主に以下の2つの「事実」です。
Windows Phone出荷台数の伸び悩み
モバイル分野における、Windows Phoneの世界シェアは月を追うごとに低下を続けています。Gartnerの調査によれば、2015年第二四半期に2.5%あったWindows Phoneの販売シェアは、2016年同期には0.6%にまで低下しています。
モバイル部門を大規模リストラ
フィーチャーフォン部門売却を発表したばかりのMicrosoftですが、今度はスマートフォンのハードウェア事業を「合理化する」と発表しました。これに伴って、従業員最大1,850人が解雇されます。引用元:Microsoftがスマホ製造をリストラ、1,850人削減へ(Exciteニュース)
販売シェアが伸び悩む中、MicrosoftはWindows Phoneの自社ブランド「Lumia」シリーズを製造する部門のリストラを行いました。このニュースを見れば、「MicrosoftはWindows Phoneを諦めた」と思うのも無理はないでしょう。
「諦めた」というのは誤解(今のところ)
上で紹介した2つのニュースを鑑みると、OSを提供するMicrosoftですら「Windowsスマホ」に見切りをつけたのでは、と誰もが思うでしょう。しかし、ここには多少の誤解が潜んでいます。
諦めたのはあくまでも「自社製造」
自社ブランド「Lumia」の製造・開発部門をリストラしたというニュースがありますが、これを以って「Windowsスマホの縮小」と考えるのは早計です。
2016年に入ってから、多くのメーカーがWindows 10 Mobile搭載のスマホを発売しています。HP、acer、Lenovo(10月国内発売予定)といったPC市場で大きなシェアを握る企業も続々参入している状況です。
かつてWindows Phoneといえば、Lumiaシリーズがラインナップの大部分を占めていました。これまでにもHTCやHuaweiなど他企業の参入が無かったわけではありませんが、多種多様なメーカーの機種が一堂に会する状況が実現したことはありません。
こうした背景を鑑みると、Microsoftの「スマホ部門縮小」というニュースは、Microsoftが自社でスマホを投入する必要性が低下したことによって起きた事である、と考えるのが自然ではないでしょうか。
日本マイクロソフトも頑張ってます
日本マイクロソフトの平野社長が、日経新聞の取材に対し以下のように答えています。
実験的に執務室でパソコンを使わず、ウィンドウズを搭載したスマホにモニターとキーボードをつないで仕事している。これまでPCでできた仕事の8〜9割はスマホで代替できることを実感した。今後はキーボードとモニターが置いてある場所に立ち寄って、スマホだけで仕事ができるようになるだろう引用元:日本経済新聞 2016年7月31日 朝刊
日経新聞にインタビューが載るという、広報部門としては「おいしい」タイミングで、わざわざWindows Phoneの話を持ちだしています。既に見捨てているなら、このタイミングでWindows Phoneの話を持ち出すことはありません。
ベンダーも頑張っている
北國銀行は全行員 2,400名 が日々の業務で利用するスマートフォンとして、マウスコンピューターの Windows 10 Mobile 搭載スマートフォン「MADOSMA Q501A」を配備します。引用元:マウスコンピューター ニュースリリース 2016年8月29日
MADOSMAを展開するマウスコンピューターが、北陸3県を地盤とする北國銀行に2400台ものWindows Phone(記事によればMADOSMA Q501)を納入します。セキュリティへの要件が非常に厳しい金融機関での大規模な導入事例が出来たことで、法人向けへの普及に弾みがつくかもしれません。
ただ、Windows Phoneでは過去(2010年頃)にも佐川急便で2.4万台、ファイザーで3300台などの大規模導入事例がありますが、その後どうなったかは・・
結論:失敗と決めつけるには、まだ早い
主に法人顧客向けの開拓も進んでいきますし、SIMフリー端末の認知、スマホ普及率の上昇など市場全体としての追い風もあります。少なくとも日本国内では、失敗と決めつけるにはまだ早いでしょう。
私も引き続きWindows Phone関連の更新を続けていきます。早々に見切りをつけて放置しているChromebookと違って、アクセス数も伸びていますしね(Chromebookも既に手元にありません笑)
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