スマホのプロセッサーで動くWindows?
Android端末でよく使われているSnapdragonと呼ばれるプロセッサーが、Windows10に対応するという発表がありました。技術的な事情でSnapdragonでWindowsを利用することが出来ませんでしたが、Microsoftが「ARM版Windows 10」と呼ばれる新しいOSを投入することで、その壁を越えようとしています。
ARM版Windows 10の登場により、Windowsタブレット市場は大きく変わっていきます。ARM版Windows 10の分かりやすい解説も交えながら、「変化」を予想していきます。
目次
ARM版Windows 10とは?
一言で言えば、「Windows10だけどWindows10じゃない」新しいOSです。
見た目も機能も皆さんが今お使いのWindows10と「ほぼ」同じですが、OSを動かす言語を変えることでSnapdragonを始めとする「ARM」という系統のCPUで動くようにしたOSです。その辺の話は難しいので割愛しますが、言い換えればスマホ用のCPUでも動くように改造されたWindows10という感じのものです。
従来のWindows10との違い
基本的に、機能や見た目は従来のWindows10とほぼ一緒になるようです。
ただ、OSを動かす仕組みが根本的に異なるため、「PCのソフトが使えるけど使えない?」でも説明しますがこれまでのWindows10用のソフトはそのままだと動作しません。
何が良いの? メリットは
ARM版Windows10には、このようなメリットがあります。
低消費電力(特にスリープ時)
スマホでの採用が多かったARM系のCPUを採用することで、従来のx86系(Intelの多くの製品)では実現出来なかった低消費電力を実現します。特にスリープモード低消費電力をウリにしています。
SIMモデルが作りやすい
これまでのWindowsタブレットでは、SIMを搭載するには内部に通信用のモデムを搭載する必要がありました。ですがSnapdragonの場合はCPUなどを含むユニット(SoCと言う)の中にモデムを内蔵することが出来ます。スマホでの採用実績が豊富ですから、SIM搭載はお手の物です。
デメリットもある
PCのソフトが使えるけど使えない?
上でも少し紹介したように、PCのソフトがそのままでは使えません。OSを動かす言語が従来のWindowsとは異なるからです。それではARM版Windowsのタブレットを選ぶ理由が無くなってしまいますよね。
ですがご安心ください。
従来のWindows用のソフトがそのまま使えるようにするための「エミュレーター」機能が搭載されるため、PCのソフトは使えます。しかしこれが厄介なのは、あくまでも「エミュレーター」で、ソフトを変換して使える話なので、通常版のWindowsでソフトを動かすのと比べると、動作がやや劣るとのことです。
ブラウザやOfficeなど、ユーザーが多いソフトはきっとARM版に対応したものが投入されるでしょう。ARM版が普及すれば、ARM版対応ソフトも増えてくると思います。
今後のWindowsタブレット
低価格タブレットはARM版に移行
これまでエントリーモデルのWindowsタブレットでは、IntelのAtomと呼ばれるプロセッサーが使われていました。しかし、IntelはこのAtomシリーズの新規開発を中止すると発表。今後新製品の投入が期待されない中で、Snapdragonを始めとするARM系のプロセッサーがAtomに取って代わる可能性があります。
SIMモデルが手に入れやすくなる
メリットのところでも紹介した通り、SIMモデルがより手に入りやすくなりそうです。LTEでの常時接続が当たり前のスマホで多く採用されているSnapdragonの導入により、コスト低下や通信品質の向上、電池持ちの向上が期待できます。
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