Macにもセキュリティソフトは必要なのか。
巷で昔からよく言われている「Macにはセキュリティソフトは不要」「ウイルス感染しにくい」という話は本当なのでしょうか。実際のデータをもとに検証します!
目次
「Macはウイルス感染しない」は本当なの?
ウイルス感染しにくいと言われるMac。その噂は本当なのか検証します。
検出実績データを見てみよう
ウイルス感染しないと言う人もいますが、実際にはMacに感染するウイルスは存在します。米国の大手セキュリティ企業マカフィーのレポートにはこのようなデータが載っています。
ウイルス感染しないと言われているMacですが、大手セキュリティ企業では2016年までに累計で45万種のウイルスを検知しており、ウイルスは確かに存在しています。
とはいえウイルスが少ないのも事実
とはいえ、「ウイルス感染しにくい」という噂も完全なウソだとは言い切れない部分もあります。
Macに感染するウイルスの種類は、Windowsに感染するものと比べて数が格段に少ないです。そももそもウイルスの数が少ないため、その分ウイルス感染のリスクもWindowsと比べると小さいと言えます。
こちらは上で引用したのと同じレポートに掲載されていた、全てのウイルスの累計数のグラフです。数は2016年時点で6億以上であり、45万種しかないMacのウイルスは「少数派」と言うことができます。
Appleが「セキュリティソフト不要」と宣伝していた
過去にはMacの開発元であるAppleが公式サイト上などで「セキュリティソフト不要」「ウイルスは大丈夫」(06年のテレビCM)と宣伝していた時期もありました。
しかし、現在では「高い安全性」などと少し緩い表現でMacのセキュリティの高さをアピールしており、ウイルス感染しないとかセキュリティソフト不要とは公式には言わなくなっています。2012年頃が転機だったようです。
ウイルスが少ない=対策不要?
とはいえ、Windowsと比べてウイルスの数が格段に少ないのは事実です。それならセキュリティソフトやウイルス対策ソフトは「不要」なのでしょうか?
走行距離が少なければ自動車保険は不要?
マイカーを購入するとほぼ全員が自動車保険(任意保険)に入ります。事故を起こしてしまった時の多額の賠償金にそなえることが目的で、保険に入ることはドライバーの義務の一つとして認識されています。
日本の自家用車の年間平均走行距離は約1万Km。では、年間1千Kmしか走らないドライバーは自動車保険に入る必要は無いと言えるでしょうか?
走行距離が短ければその分、事故率も下がります。しかしそのように走行距離が短いドライバーであっても、自動車保険には必ず加入しているはずです。
PCのセキュリティについても、Macにはウイルスが少ないという事実はあるものの、ウイルスは間違いなく存在しています。また、近年その数は増加傾向を見せています。
ウイルスが存在する以上は、セキュリティソフトを使って対策することが「必要」と言えるのではないでしょうか。
掛けるコストはWindowsより少なくてOK
とはいえ、ウイルス感染するリスクはWindowsと比べると10分の1以下(ウイルスの数から単純計算) リスクの大きさがWindowsと比べて低い分、Macのセキュリティ対策に掛けるコストは小さく抑えるべきでしょう。
プライベートな使用に限られる場合は無料ウイルス対策ソフトでいいと思います(無料ソフトは商用利用不可のため仕事用のMacでは使えない)
Windowsと併用している場合は意外なリスクも
Windowsを狙ったウイルスがMacに感染して問題を起こすことはありません。しかし、WindowsのウイルスがMacの中に「潜伏」することはできます。
英国のセキュリティ大手SOPHOSのレポートによれば、Macの20%がWindows用のウイルスを持っていたという調査結果を公表しています。USBなどを介してMacからWindowsにウイルスが「伝染る」リスクがあるので注意してください。
一部のMac版セキュリティソフトは、Windows向けに作られた脅威を検知することもできます。
おまけ:iPhoneはウイル対策不要です
Macではウイルス対策は必要というのが私の結論ですが、iPhoneに関しては全く対策不要です。
iOSに感染するウイルスは全く無いわけではありませんが、現在のところ感染が拡大した事例は無いため、感染リスクはかなり小さいです。また、iOSのウイルスを検知するセキュリティアプリは存在していません。