筑波大学が学術実験として提供している「無料VPN」です。営利目的のサービスではありません。

 通信速度は無料VPNの中では抜きん出ており、多くの有料VPNには一歩譲るものの、快適に利用できる通信品質です。

 使い方が若干難しい点などがデメリットとしてありますが、おすすめの無料VPNです。詳しくレビューします。

筑波大学VPN Gateの評価(総評)

提供元は?

 筑波大学が学術研究目的で提供しています。「グローバルな分散型公開 VPN 中継サーバーに関する知見を得る」ことを目的としており、営利を目的としていないことが他のVPNとの大きな違いです。

 ボランティアによって提供されたVPNサーバーを経由するため、その信頼性については個別のサーバーの提供者によります。多くのサーバーは「最低2週間」通信ログを保管しており、ログの取得が明記されています。

インストール時の同意画面

実測した通信速度

Ping値ダウンロードアップロード
筑波大学22.60ミリ秒43.27Mbps37.17Mbps
ソフト無し8.0ミリ秒97.32Mbps53.42Mbps
増減14.6ミリ秒悪化55.5%悪化30.4%悪化

 利用時点で最も回線品質が良いサーバー(日本)に接続して計測しました。
 速度は接続するサーバー、タイミングなどにより大きく異なる場合がありますが、公式サイト上などにリアルタイムの回線品質(速度)が表示されているので、それを参考に利用する都度、最適な接続先を選んでください。

 通信品質はとても良く、無料VPNの中ではダントツの使い心地でした。有料VPNと比べてもいい勝負です。

接続先

 ボランティアによって提供されたVPNサーバーを利用するため、その時その時で接続できる先は変わります。

 記事執筆時点では日本の他に
 韓国、アメリカ、カナダ、ベトナム、タイ、中国、フィリピン、台湾、インドネシア、インド、イラン、オーストラリア、フランス、ノルウェー、香港、キルギス、ウクライナ、ウズベキスタン、ロシア、ドイツ、オーストラリア、ベネズエラ、ブラジル、ペルー、チリ、ジャマイカ、エジプト、アルジェリア の29カ国を確認できました。

 サーバーによっては通信速度が「0.00Mbps」と表示されているものもあるため、必ずしも全てが利用できるわけではありません。

 また、ログの保管ポリシーは各サーバーによって異なります。ほとんどが「最低2週間」としています。

接続地を選ぶメニュー画面

 ちなみに、日本の筑波大学が提供しているサービスではありますが、利用者数のトップ5は韓国、中国、米国、台湾、日本の順です。

機能の詳細

 各機能を詳しく解説します。

使い方

 アプリやソフトとしてインストールできる他のVPNとは若干使い勝手が異なります。

 「SoftEther VPN」や「Open VPN Connect」という接続用の無料ソフトをインストールして使うことが出来るほか、各OSにあるVPN接続機能を利用して接続を行います。詳しくはVPN Gate公式サイトに接続方法が詳しく紹介されているので、そちらを参考にしてください。

設定画面

 ソフトやアプリが無い分、インストールの手間が無いメリットはありますが、接続・切断などの操作がやや不便に感じたり、初心者の人には「設定が難しい」と感じられるかもしれません。

公式サイト(ダウンロード)

公式サイト