ドイツの大手セキュリティ会社が提供している無料VPNです。

 通信品質は有料VPNと遜色ない水準で、快適に使えます。また、操作画面もしっかりと日本語化されており、その点でも無料VPNとしてはストレス無く使えるでしょう。

通信速度の実測テストの結果も交えながら詳しくレビューします。

Avira Phantom VPN無料版の評価(総評)

提供元は?

 ドイツのセキュリティ会社、Aviraが提供しています。

 AviraはavastやAVGと同じように、「無料ウイルス対策ソフト」を提供してユーザーを集め、有料版の購入につなげるフリーミアム戦略を取っています。Windows版セキュリティソフトで世界シェアが3位のブランドです。

 VPNの提供元としては充分な信頼性があると言えます。

インストール画面

実測した通信速度

Ping値ダウンロードアップロード
Avira19.20ミリ秒60.28Mbps90.49Mbps
ソフト無し8.40ミリ秒81.95Mbps234.47Mbps
増減10.8ミリ秒悪化26.4%悪化61.4%悪化

 月500MBという容量制限はあるものの、容量内では有料VPNと同等の快適な通信が可能です。

 使用感としては、ページの読み込みはVPN無しの状態と遜色ないものの、画像が多いページでは画像の読み込みが完了するまでにわずかにワンテンポ時間が掛かる印象がありました。とはいえ、しばらく使えばすぐに慣れるでしょう。

 快適に使える無料VPNです。

接続先

 日本を含む25カ国、37ヶ所を接続先として選択することが出来ます。米国内だけで12ヶ所、他の国は1ヶ所ずつとなっています。接続先は以下のとおりです。

 イギリス イタリア オーストラリア オーストリア オランダ カナダ シンガポール スイス スウェーデン スペイン チェコ デンマーク ドイツ ノルウェー ハンガリー ブラジル フランス ブルガリア ベルギー ポーランド メキシコ ルーマニア 日本 香港 アメリカ

 ドイツ企業の製品ということで、欧州とくに東欧が充実しています。

接続地を選ぶメニュー画面

容量制限は?

 容量制限は通常「月500MB」となっていますが、Aviraのアカウントを取得してログインすることで「月1GB」まで利用することが可能でした。

 また、他の無料VPNのように通信容量をオーバーした瞬間に通信が途絶えるとか、VPN接続が切れるといったことはなく、超過した時点から300秒以内はVPN接続を続行できるという親切な仕様になっています。操作画面上にカウントダウンが表示される点も便利です。

容量制限をオーバーした画面

機能の詳細

 各機能を詳しく解説します。なお、「キルスイッチ」は有料版では利用できますが無料版では使えません。

接続先を選ぶ

 自分で任意の接続先を選ぶことが出来ます。接続先については記事前半で紹介したとおり。

 初期設定では最も近い接続先に自動で繋がるようになっています。東京から試した限りでは「日本」に繋がりました。

自動接続

 Wi-Fiに接続した際に、自動でAviraのVPN経由での通信に切り替える機能があります。初期設定では無効になっている点と、SSIDごとに自動接続するか設定する必要がある点は不便です。全てのWiFi接続に対してVPN接続に切り替えるという設定は出来ません。

自動接続の設定画面

また、PC起動時に自動でAvira VPNを起動するように設定することも可能です(初期設定では無効)

設定画面

公式サイト(ダウンロード)

公式サイト