FFRI yarai Home and Business Editionの評価レビュー

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FFRI yarai Home and Business Editionの管理画面

国産セキュリティソフト

 数少ない「国産」を標榜するセキュリティソフトです。東証マザーズ上場のFFRI社の製品です。

 FFRI yaraiはもともと企業など法人向けのセキュリティソフトとして定評がありましたが、今回紹介するのはその家庭向けのバージョンとなります。

 4日間にわたりテストした結果をもとに、詳しく紹介していきます。

軽さ ウイルス対策 通信保護 脆弱性対策 WEB保護 ネット銀行保護 PC盗難対策 ID/パス管理 保護者機能

8点
検出性能不明 HIPS
他のソフトと比べる → セキュリティソフトの比較

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FFRI yarai Home and Business Editionの評価(総評)


セキュリティ性能


セキュリティ性能(安全性)は?  「先読み防御」を前面に出して宣伝しているように、未知の脅威に対する攻撃を防ぐ機能に特化したセキュリティソフトです。残念ながらAV-TESTなどの性能評価試験に一切参加していないため、その実力は全くもって「不明」です。


FFRI yarai Home and Business Editionのウイルススキャン画面


 注意点としては、「ふるまい検知」に特化した製品であることが挙げられます。
 カスペルスキーやノートンなど、一般的なセキュリティソフトは「ふるまい検知」に加えて「パターンマッチング型」の検知も行っており、二重の安全対策を取っています。


 FFRIの検知性能を客観的に評価する試験結果が無い以上は、同社の「ふるまい検知」だけに頼るのはやや不安が残ります。


 また、本ソフトが「FFRIプロアクティブセキュリティ」(中身はほぼ同じ)という名前で売られていた頃はWindows Defenderとの併用が推奨されていたという事実もあり、その点をふまえても他のセキュリティソフトとの併用がおすすめです。


FFRI yarai Home and Business Editionの設定画面


 幸い、今回のリニューアルから主要なセキュリティソフトとの併用が可能に(以前はWindows Defenderのみ)なったので、ほかのソフトと併用してよりセキュリティを高めたいという人におすすめの製品です。


 ウイルスバスターノートンマカフィーESETカスペルスキーZEROウイルスセキュリティエフセキュアWebrootとの「同居」が可能であると紹介されています。


動作の軽さ


評価方法
起動時間 WEBサイト
5ページ同時読込
アプリ起動
(Excel)
ソフト無し 35.80秒 4.85秒 0.630秒
FFRI +
Windows Defender
40.11秒
+12.0%
5.11秒
+5.3%
0.779秒
+23.7%
FFRIのみ 37.67秒
+5.2%
4.80秒
-1.1%
0.764秒
+21.2%

動作の軽さは?  今回はWindows Defenderと併用した状態で使用、テストしました。


 動作感は、よく軽いと評価されるESETやノートンなどと遜色ありません。低スペックのPCでも(相性が悪くなければ)快適に使えるでしょう。ソフトの起動にやや時間が掛かるという結果になりましたが、使っていて不満に感じる程ではありません。


Octane2 JETSTREAM1.1
FFRI +
Windows Defender
36634 187.08
ソフト無し 35796 191.44
増減
-2.34% +2.28%

 ブラウザのベンチマークテストについては、Octane2ではセキュリティソフト無しの状態よりも数値が向上、JETSTREAM1.1ではやや悪化という結果です。差し引き「ほぼ影響無し」という結果です。


購入・価格一覧

1台/1年 7776円
1台/3年 16200円
1台/5年 23328円
公式サイトで購入する
無料体験版はありません

以下、各機能の詳細な解説が続きます

各機能の詳細・評価


 機能は未知脅威(ウイルスなど)への対策のみ。一般的なセキュリティソフトにあるようなパーソナルファイアウォールやフィッシング詐欺サイトの検知などの機能は一切ありません。


未知脅威の検知


AV-TEST
2017/7-8月
AV-Comparatives
Real-World Reference Real-World
2017/10
Malware Protect
2017/9
不参加 不参加
他のソフトと比べる → ウイルス検出率ランキング

 セキュリティ性能については、冒頭でも紹介した通りです。性能試験への参加が一切無いため、実際の性能については不明となります。


 実際に使ってみた感想としては、前回2017年2月にテストした際にはGimpやFFFTPといったメジャーなフリーソフトの関連ファイルを「誤検知」したため、検出精度に不満がありましたが、今回は特に大きな問題はありませんでした。


FFRI yarai Home and Business Editionのウイルス検知画面


 ただ、これはFFRIに限った話ではありませんがMonacoinという仮想通貨の「ウォレット」(管理用ソフト)を脅威として誤検知し、削除してしまいました。これは直前まで使っていたノートンでも同様の対応なので、誤検知と言うべきか微妙なところではあります(ふるまい検知に引っかかるらしい)


 また、製品のインストールマニュアルの冒頭でも誤検出(「過検出」という表現)に関する注意喚起がされているので、一抹の不安は残ります。


 スキャンスピードについては、663GBという膨大な容量を保存している私のPCでもフルスキャンが29分35秒で終了しました。スキャン中も作業を続行できるほどの負荷感で、CPUの使用率も最高で25%程度でした(Core i5-6600です)


FFRI yarai Home and Business Editionのイベントログ


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過去のニュース


 本製品が「FFRIプロアクティブセキュリティ」の名で新発売された2015年にあったことを紹介します。


FFRIのアマゾンレビュー


 2015年6月に商品が発売された直後の7月29日時点でAmazonに投稿された口コミレビューを確認したところ、16件中12件が「5つ星」という評価、3件が口コミの「自作自演」を糾弾する内容となっていました。


 また、この5つ星の口コミを投稿したユーザーを見てみると、12人中6人がFFRIのレビューが「初めての投稿」となっており、過去の投稿実績が全く無いユーザーでした。更に追跡してみると、2018年1月31日時点でこの6人のユーザー全員がその後もレビューの投稿を一切行っていません。1台/1年で9180円という高額かつ全くの新発売のセキュリティソフトのレビューだけ投稿するというのは、不思議な行動だと思います。




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