セキュリティソフトの性能差は年々縮まってきているが・・

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かつては雲泥の差があったが・・


 私がこのサイトを始めた2007年頃と違って、今はセキュリティソフトの性能差は大分小さくなっています。その話題について、今後の展望も交えながら解説していきたいと思います。


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かつてと今の違い


 冒頭でも説明したように、かつてのセキュリティソフトは値段はさして変わらないのに、製品ごとの性能の差は非常に大きかったです。しかし、今やその差は大分小さくなっており、主要なブランドであれば「どれを選んでも大丈夫」と言える程にまでなっています。


ウイルスの検出率


 数字で見て分かりやすいのは、ウイルス検出率の差です。


2007年のウイルス検出率ランキング


 上の画像は、AV-Comparativesが2007年に実施したウイルス検出率のテスト結果です。下はMicrosoft社の82.4%から、上は99.45%まで検出率に大きなバラつきが見られました。


2016年のウイルス検出率ランキング


 続いて、2枚目は2016年春のテスト結果です。下は97.6%から、上は99.9%とかなり間が詰まってきています。他の機関が実施しているテストでもこの傾向は顕著で、特にAV-TESTが実施しているテストでは最近は多くの製品が「検出率100%」に近い成績を残しています。


動作の軽さ


動作の軽さの差は小さくなった  軽さに関しては、評価機関のテスト結果が実際の使用感と大きく乖離しているため、お示し出来る数値がありません。が、2007年からレビューを続けている私が声を大にして言いたいのは、昔のセキュリティソフトは本当に酷かったです。


 ご記憶にある方もいらっしゃると思いますが、昔はセキュリティソフトのせいでパソコンがフリーズする、ということがよくありました。ですが今はそんなことは滅多にありません。これにはPCの性能向上に依るところも決して小さくはありませんが、セキュリティソフト自体の性能向上の効果もあります。


 2008年頃までは、「動作が軽い」と言えるソフトはESETくらいで、その他のノー●ンウイ×スバスターといったほとんどのソフトは、本当にゴミみたいに重かったです。
 私は2005年、当時中学2年生の時に自分専用のノートPC(VAIO TypeE)を買ってもらったのですが、プリインストールされていたノートンが本当に重くて、故障かと思った程です。しばらく我慢して使った後、ESET(当時はNOD32というブランド名)に切り替えたところ、見違える程快適になりました。


 しかし、こうした状況は2008年頃から急激に改善されていきました。ゴミみたいだったノートンも、私の記憶が正しければ2008年版から嘘のように「軽い」ソフトに進化して今に至りますし、その他のソフトも年々軽くなっています。


 今でも「なんだこれは」と思うソフトが無くなったわけではありませんが、かつてほど酷い状況は無くなっていると言えます。


機能の差


 ここ数年、セキュリティソフトに目新しい機能の追加はありません。ウイルスバスターなんかは毎年のように、世間で注目を浴びたセキュリティリスク(例えばランサムウェアとか)に対応した「新機能」と称するものを追加していますが、正直なところセキュリティ向上と言うよりもマーケティングでの成功のためにやっているんだろうな、としか思えないようなものばかりです。


 セキュリティ対策に必要なのは、ウイルスを始めとするマルウェア対策と脆弱性対策、それからファイアウォールや不正通信の防御(IDS/IPS)くらいなので、新機能を無闇矢鱈に追加していく必要はありません。だからこそ機能差が無くなっていくのは当然のことではありますが、同じ機能でも対策の仕組みを根本から見直すなどの「進歩」を見せて欲しいなとここ数年思い続けているところです。


今後どうなっていくのか


 では、今後も「差」が無くなっていく傾向は続いていくのか、と言われると私はそうは思わないです。2015年頃からちらほらと新しい「芽」がいくつか見られるというのがその根拠です。例えば以下のような動向があります。


脆弱性対策に注目


 これは決して新しいものではなく、アバストマカフィーでは以前から当たり前のように備わっていた機能です。しかし現状ではほとんどのソフトがしっかりと対応出来ていない部分なので、2017〜2021年頃にかけて「差」になる機能だと見ています。


 上でも紹介したマカフィー、アバストやカスペルスキー2017年版などでは、セキュリティソフトがPC内のソフトの更新プログラムを検知して、セキュリティソフトの操作画面から多くのソフトを一括してアップデートすることが可能になっています。セキュリティ対策にとって欠かせないことではありますが、まだほとんどのセキュリティソフトが未対応のままです。


 当サイトでは今は猶予期間と捉えて、本機能がちゃんとしていないソフトを叩くのは控えていますが、2017年からはバッサリ斬っていく予定です。


ホワイトリスト方式の普及


 安全性が確認されていないソフトやプログラムを実行させないことで、セキュリティ上のリスクを軽減することを目指したセキュリティソフトがちらほらと出てきました。PC Maticがその代表格ですが、カスペルスキーも2017年版にこっそり、ホワイトリストに頼った機能を追加しています(初期設定では無効になっているため、おそらく試験的な導入)


 ホワイトリストによる管理は、脆弱性対策と組み合わせることで、従来には無かった高い安全性を手にすることが出来ます。しかし、ホワイトリストの作成には莫大な手間が掛かりますし、ユーザーの使い勝手の良いやり方で導入するのはハードルが高いです。従って、今後はホワイトリスト方式への対応で差が開いていくと思います。


まとめ 今はイノベーションの停滞期


停滞期は抜けて差が開いていく可能性も  私は毎年、各製品がアップデートされる度に一からレビューを書き直していますが、この数年は「去年も同じこと書いたよな・・」とか「他のソフトと何が違うんだよ」と思うことが非常に多かったです。セキュリティソフトを比較するサイトの存在価値も薄れてきているのではないか、と思ったりもしました。


 しかし、2015〜16年にかけてちらほらとではありますが、「おもしろい!」「これは良い!」と思えるような特徴を持ったソフトが再び登場しつつあります。ブレイクスルーになるような技術の開発が進んでいる証拠だと思うので、イノベーションの停滞期は終わりつつあるのではないか、と見ています。


 上でも書いたとおり、2017〜21年にかけて再び製品ごとの差は大きくなっていくはずです。そうした差をしっかりとお伝えしていけるよう、今後もサイトの更新を続けて参ります。




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