スマートスピーカー(AIスピーカー)が流行らない4つの理由

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スマートスピーカーは普及しない


 2014年秋にAmazon Echoが発売されて以来、アメリカで既に1100万台が販売されているスマートスピーカー(AIスピーカー)。 今後日本での発売も予定されていますが、日本での普及は難しいだろうと私は考えています。この記事では、その理由を解説したいと思います。





普及を妨げる4つの理由


 スマートスピーカーが普及しないと考えられる理由を解説していきます。


文化的要因 「機械と話す」ということ


 まず、機械に向かって話しかけるという点に抵抗感を持っている人は少なくないでしょう。
 iPhoneにはSiriという音声AIが搭載されていますが、米国の調査では普段からSiriを利用しているユーザーは3割しかいません。


機械と話すのは抵抗がある


 ではなぜ利用されていないのかと言うと、まず「機械に話しかける」という行為に対して抵抗感を持っている人が少なくない、というのが理由にあると思います。私もスマホに向かって「Ok,google」と語りかけたり、まちなかで見かけるロボット「ペッパー」に話しかける際は気恥ずかしさを覚えてしまいます。 話しかけることで操作できるスマートスピーカーについても、同様の障壁を抱えているでしょう。


 ただし、こうした文化的な障壁は普遍的なものではありません。これまでにも、例えば「携帯電話」だった頃は液晶画面に指紋を付けることに抵抗がある人が多かったと思います。私なんかは指紋が付くたびにメガネ拭きできれいに拭き取っていました。


文化的障壁は簡単に越えられる

 しかし、スマホに移行してからは画面に多少指紋が付いても気にならなくなったと思います。「画面に指紋が付く」というストレスよりも、スマホの利便性が上回ったことで文化的な転換が起きたというわけです。


 スマホは画面の指紋問題を含め、様々な「壁」を越えていきました。しかし、現状ではスマートスピーカーには数々の壁を越えられるほどの利便性が無いというのが正直なところです。これでは普及に弾みが付くのは難しいでしょう。


スマホなどでも代用できる


 スマートスピーカーの機能の多くは、スマホ(Android、iPhone)でも代用できます。スマホでも音声認識型のAIを利用できるためです。スマホの進歩も年々進んでいますから、両者の差は更に縮んでいくことが予想されます。


スマートスピーカーはスマホでも代用できるのでは?


 既に「一人一台」スマホを持っているのに、機能の多くが重複するスマートスピーカーが普及するのか、という点で疑問を感じざるを得ません。


住宅や家電の対応が遅い


 スマートスピーカーには、家電や住宅設備(照明など)を操作するゲートウェイとしての役割も期待されています。例えば「子供部屋の電気をつけて」とリビングのスマートスピーカーに話しかけると、子供部屋の明かりが点くような使い方です。


 ですが、こうした使い方はスマートスピーカーを導入するだけで実現するものではありません。操作される家電や住宅設備もスマートスピーカーによる操作に対応して初めて、こうした「未来の家」が実現するのです。


 しかし、現状ではスマートスピーカーによる操作に対応している機器がほぼ存在していません。スマートスピーカーを買っても、操作できる機器が無いわけです。それではスマートスピーカーのメリットを活かし切ることができません。


据え置き型であるが故の欠点も


 スマートスピーカーは家庭のリビングなどに設置して使います。携帯型ではなく、据え置き型の端末です。


据え置き型であるが故のスマートスピーカーの欠点


 となると、スマートスピーカーを設置していない部屋ではスマートスピーカーを利用することができません。また、同じ部屋でもスマートスピーカーからの距離が遠くなると、大きな声を出さなくてはなりません。疲れますし、同居人がいる場合は迷惑です。




ただし、音声AIの普及は間違いない


 ここまでスマートスピーカーに対して否定的な意見を紹介してきましたが、スマートスピーカーが利用する「音声AI」は今後間違いなく様々な形で、私たちの生活の中に普及していくと思います。スマホを開いて操作するよりも、音声AIを声で操った方が遥かに便利になる「作業」が日常生活の中にもたくさんあるからです。


音声AIの普及は間違いない


スマホとスマートウォッチに注目


 では、音声AIが我々の生活の中にどのようにして普及するのかというと、スマホとスマートウォッチを介しての利用が定着するのではないかと私は考えます。


 上で挙げたスマートスピーカーが抱える欠点や問題点のいくつかは、スマホやスマートウォッチのようなパーソナルでモバイルな端末とは無関係です。また、スマホが既に普及している点からも、こうしたモバイル端末を介して音声AIを利用する流れになっていくのではないでしょうか。


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