サインと暗証番号入力 その差って何ですか?
デビットカードで支払いをする際、サインを求めてくるお店と暗証番号の入力を求めてくるお店があります(どちらも不要のお店もある) その違いは一体何なのか、また自分でサインと暗証番号どちらがいいか選べるのかといった疑問にお答えします。
目次
サインと暗証番号の違いは「読取機」にある
サインを求めてくる店と、暗証番号入力でいいお店。その差はお店に設置されているカードの「読取機」の差です。
暗証番号対応のお店は「IC対応」
暗証番号対応のお店のカード読取機は「IC対応」となっています。
ICとは、多くのデビットカードに埋め込まれている金色のチップで、これに対応した読取機を設置しているお店では、暗証番号入力がOKとなっています。このICチップと暗証番号を照合することで、本人確認を行っています。
IC対応の読取機が無いお店では、サインによる本人確認のみです。また、カード自体にICチップが無い場合は、基本的にどこで使ってもサインでの処理になるはずです。
両方不要のお店はどうなってるの?
サイン・暗証番号ともに不要の「サインレス」のお店もありますよね。 これはお店がカード会社と個別に契約をすることで、一定額までの利用でサインを省略することが出来る仕組みを利用したものです。スーパー、コンビニなどで多く見られます。
場所 | 上限額 |
---|---|
スーパー | 3万円以下 |
コンビニ | 1万円以下 |
お店によっても違いはありますが、概ねスーパーなら3万円、コンビニなら1万円までサインレスでOKです。この金額を越えた場合は暗証番号の入力やサインをする必要があります。
サインと暗証番号を自分で選ぶことは可能?
では、暗証番号とサインを自分で選ぶことは出来るのでしょうか?
サインに変えてもらうことは可能
結論から言うと、パスワードOKのお店では「サインでお願いします」と言えば対応してもらえる可能性が高いです。一方、サインを求められた場合に「暗証番号で」というのはダメな可能性が高いです。
暗証番号で認証をするには、お店に設置してあるカードの読取機がIC対応である必要があります。IC対応なら最初から暗証番号入力を求めてくるはずなので、サインを求めてくるお店は「IC非対応」と見るのが妥当です。
ちなみに、飲食店ではレジで会計する場合は暗証番号、席で店員さんにカードを渡して会計する時はサインといった具合に、同じ店でも臨機応変に対応を変えています。
暗証番号が分からなくてもカードは使える
ちなみに、私の家族は不幸にもカードの暗証番号を忘れたものの、暗証番号入力を求めてくるお店でも「サインでお願いします」と言うことで、そのカードを「暗証番号が分からないまま」使い続けることが出来ています。
というわけで、暗証番号は忘れても何とかなります(稀に暗証番号でないとダメ!というお店もあるのでご注意を)
デビットカードのICチップとは?
では、デビットカードの「ICチップ」とは一体どんなものなのでしょうか。最後に簡単に説明します。
偽造防止の特効薬
1980〜90年代に、世界中で偽造クレジットカードによる不正利用が大問題となりました。「スキミング」などの手口で、カードの磁気情報を盗み取り、その情報を自分で用意した「クローンカード」に焼いてカードを偽造する手口です。
こうしたカードの偽造に対応するために導入されたのが、ICチップです。 ICチップの中には、暗証番号などの情報が「暗号化」された状態で保存されているため、偽造が非常に困難と言われています。そのため、ICチップはカード偽造防止の特効薬と言われています。
とはいえ、最近はクレジットカード・デビットカードともにICチップ搭載が当たり前。カード側の普及率70%で、当サイトで紹介しているデビットカードでもジャパンネット銀行 VISAデビット以外はいずれもIC対応です。しかし、カードを読み取るお店側の端末はICに対応していないことが多いため、ICを充分に活かすことが出来ていません。
そのため、多くのカードではICチップと従来の磁気ストライプを併用しています。磁気ストライプは偽造に弱いので、結果としてICチップ搭載のカードでも偽造されるリスクが依然として残っています(不正利用には補償があるので安心してください)
IC化の推進が進められている
クレジットカードなどを管理する「割賦販売法」という法律が改正され、2018年中にお店に設置してある読取機(決済端末)の「100%IC対応」が義務化される見通しです。
義務化されるので、今後はIC対応のお店が一気に増えていきます。消費者にとっては偽造カードによる被害を防げるというメリットや、暗証番号入力でOKなお店が増えるという変化が期待できそうです。